日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳」を楽しんでいます。
しみじみ美味しいゴボウについて、です。
Contents
■ゴボウってどんな野菜?
ゴボウって、どんなイメージでしょうか?
黒い? 土? 細い? 美味しい?
いろいろ考えられますが、皆さんのゴボウイメージはどんなものでしょう?
どちらかというと、野菜のなかではゴボウは地味なイメージかもしれませんね。
でも、滋味深い味わいです。
しみじみ美味しい野菜の代表格ではないかと個人的には思っています。
◇ゴボウを食べるのは日本だけ?
日本では、煮物などの材料としてなじみ深いゴボウですが、世界的には家庭料理の材料としては一般的ではありません。
世界的にゴボウを食べるのは、ほぼ日本のみ。韓国は歴史的な事情で日本のようにゴボウを食べることもあるようですが、基本的には食べません。
あれ? 中国は?
疑問に思われた方もいるかもしれません。
薬膳は、中国の医学「中医学」をベースにしているので、中国で食べないことに首をかしげたくなる気持ちはよーくわかります。
わたし自身も以前、「中国でゴボウは食用にしない」と聞いて「ええっ⁉」と声をあげましたから。
でも、ちゃんと事情があるのです。それについては、次の章でご紹介します。
◇中国ではゴボウを食べない?
先ほど書いたように、中国ではゴボウを「食用」にはしていません。
でも、「薬用」として食べるのです。
そうです、中国ではゴボウは「薬」です。
ゴボウの種は「牛蒡子(ごぼうし)」を呼ばれ、漢方薬として配合されます。
解熱、去痰(痰を取り除くこと)、排膿(膿を取り除くこと)に効果があるとされ、薬として服用されます。
ただ、厳密に言うと、日本で食用として栽培されているゴボウとは、品種が異なります。
ちなみに、ヨーロッパでもゴボウは薬としてなじみがあります。野菜として愛されているというより、薬として用いられるという感じです。
ゴボウ…美味しいのですけれどね。
でも、それだけ身体に効くことの証明でもあります。ぜひぜひ、上手にゴボウを取り入れましょう。
■薬膳ベースのゆるベジらく膳的 ゴボウの分類①
薬膳でゴボウを考えてみましょう。
ゴボウは薬膳で「寒・甘」に分類されます。
寒は身体を冷やします。ひんやり効果のある野菜です。
熱があるとき、身体にほてりがあるときなどに有効ですね。ただ。冷え性の方の場合、注意が必要です。
冷えが気になる方は、温や辛の性質のあるものと組み合わせると、身体を冷やす効果を抑えられます。
きんぴらごぼうに、トウガラシを加えるのは理にかなっているのです。冷えすぎを予防して、バランスをとっているんですね。なるほど!
また、薬膳ではゴボウは「腎」を補うと言われています。
腎とは、身体の水分のめぐりを司る五臓のひとつ。とくに冬は寒いため、腎がスムーズにはたらきにくくなる、とも言われています。
意識して腎をサポートする野菜をとりたい季節でもあります。その点、ゴボウはぴったり!
ゴボウは余分な水分を排出するのに力を発揮するので(これが腎に効く、と言われるゆえんです)、浮腫み防止にも。
アルコールを飲んだ翌日にもいいですね。
■薬膳ベースのゆるベジらく膳的 ゴボウの分類②
現代栄養学の観点からいうと、ゴボウは食物繊維の多さで注目が集まります。
ゴボウの食物繊維は、水溶性と不溶性の2種類です。
食物繊維は皆さんも聞いたことがあるように、スムーズな排泄に大切な役割を果たします。
スッキリお腹を目指すなら、ぜひとも取りたい栄養素です。
また、最近の研究ではゴボウに含まれる水溶性食物繊維「イヌリン」が腎機能をサポートすることもわかっています。さらに、アミノ酸のひとつである「アルギニン」が性ホルモンの分泌を促すことも知られるようになりました。
さらに、さらに。血中のコレステロールを吸着して動脈硬化の予防や糖尿病の改善にも効果が期待できるといも言われています。
すごいですよね、ゴボウ!! 素晴らしいっ!
誤解がないようにあえて書き添えますと、決してゴボウだけを食べていればよい、ということではありません。そして、ゴボウを食べれば糖尿病が治る、と言っているわけでもありません。
ただ、ゴボウにはご紹介したような「身体が喜ぶサポートをする力」を秘められている、ということです。
そのように考えて頂けたら、嬉しく思います。
■ゆるベジらく膳的 美味しいゴボウの見分け方
ゴボウの旬は11月から1月にかけて。ちょうど冬の寒さが厳しいときです。
前述のとおり、身体を冷やす性質があるので、温や熱の性質のものと組み合わせて飯がるとよいでしょう。
新ゴボウと呼ばれるものは、4月から5月ごろが旬です。ゴボウ独特の風味や固さがあまりないので、食べやすいですよ。ゴボウが苦手な方、年配の方、小さいお子さんなどは新ゴボウのほうが食べやすく感じるかもしれません。
ちなみに。
冬のゴボウでも、春の新ゴボウでも、薬膳的見解や栄養に関しては同じように扱います。
さて、美味しいゴボウですが、まっすぐで太すぎないものがおすすめ。
太すぎるゴボウは、中にスが入っていることが多いのであまりおすすめできません。ただし、大浦ゴボウのような最初から太い品種は別ですよ。これは、しっかり太く重量感のあるものがおすすめです。
太さに関係なく、ひげ根が少ないもの(伸びすぎていないもの)を選びましょう。ひげ根があると、そちらにエネルギーが注がれてしまうので、味が落ちます。気をつけてくださいね。
なお、ゴボウは泥つきのものを購入してください。
洗ったゴボウも販売されていますが、ゴボウ独自の風味が落ちやすいこと、乾燥しやすいこと、日持ちしないことから、泥つきが断然おすすめ!
いってみれば、泥パックをしている状態のほうが、むきだしスッピンよりも保湿されていてオイシイ、といったところです。
■ゴボウの皮はむきません
ゴボウの皮はむかずにそのまま食べて頂きたいと思います。
というのも、皮をこそげ落としてしまうと、皮のすぐ下にある栄養分も一緒に取り除いてしまうためです。
泥がちゃんと落ちているか心配。
こんな声が聞こえてきそうですね。
そんなときは、ぜひ亀の子たわしを使ってください。
そう、亀の子たわしは、ベジ楽おすすめのキッチンツールのひとつ。
ゴボウに限らず、里芋や人参など、泥付きの野菜を洗う際にとても便利な道具なのです。とはいえ、お掃除用とは別にひとつ用意してくださいね。
わたしは野菜用に使った亀の子たわしが少しくたびれてくると掃除用に回し、さらにくたびれてきたら排水口掃除に使って処分しています。
使ってみてくださいね。とても便利ですよ。
それでは、また♪