■200キロの怒涛の餅つき
年間を通じて参加している農作業。
以前、コチラでご紹介したことがありますが、田んぼの作業は無事に終了しました。残りは、収穫物を使っての食品加工です。
今日は「餅つき」に参加してきました。
今年で2回目の参加なので、勝手は多少わかっているのですが、それでも昨年同様に思ったことが。
体育会系餅つき!
もち米200キロ。浸水後は約400キロにもなる餅つきです。これを朝から一気にやる! ガンガンやる!
まさに体育会系。
臼と杵でつくのは男性陣。子ども達もお手伝いしてくれますが、あくまでも「お手伝い」。
つきあがった餅を丸めるのは女性陣。わたしはここでお手伝いです。

ひたすら丸める、丸める、丸める…(エンドレス)。
ちなみに九州エリアは西日本式で丸餅です。これが東日本になると角餅になります。わたしにとって馴染みのあるのは角餅ですが、ここでは丸餅です。
ベテランのお母さん達に囲まれて「もっと大きさをそろえて!」「粉(もちとり粉)はもちの中に入れたらいけんよ。かびやすくなるけん」「もっと大きくてよかよ」と、ガンガン指導を受けています。
多少なりとも料理の仕事をしているとはいえ、毎回「おおっ!なるほど」と思うことを教えていただけるよい機会です。まだ2回目ですが。
しかしですよ。今回は前回と違って「あら、2回目⁉ それにしてはようやるね」とお褒めの言葉をいただきました。ご指導のおかげです! あっざーすっ!(もちろん、実際には言葉に出しませんよ)
このあたりのやりとりも、完全に体育会ですよ。
わたしは個人的にこの体育会のノリがあまり得意ではありません。良し悪しではなくて、あくまでも個人的レベルでの苦手です。
ただ、ああいった体育会系のノリの場にいてもすんなり入れちゃうのは、きっと苦手とはいえ根本的に長いこと培ってきてしまった体育会系の細胞が反応してしまうのだろうな、と思います。夫には、「いや、なんだかんだ言って、あなたは体育会系だから」とまで言われる始末(ガーンッ)。
ふつうの丸餅も作りますが、玄米もヨモギも作ります。ただ、わたしはどうしても外せない予定がありお昼ごろに抜けたので、ここまで。本来はこの後、柚子餅やショウガ餅などいろいろあるのですが、残念でした。
と、ここまで日々雑記について書いてきましたが、ゆるベジらく膳ですから、そのお話も。
■餅ともち米
怒涛の餅つきでも、つきたてのお餅をちゃんと食べられます。
ただし、そこは体育会系餅つきなので、立ち食いです。仕事をしながら、タイミングよく食べる! 食べる! 食べる!
あ、食べるほうも体育会ですよ、当然。
いろいろ食べて、わたしがお気に入りなのが、柚子餅です。
刻んだ柚子を練りこんだ餅とういだけですが、それがとても爽やかで美味しいのです。
というわけで、ゆるベジらく膳的「もち米」について、少し書いてみようと思います。
■餅になるのは、もち米です
もち米から餅ができますよ、と聞いて多くの人が当たり前じゃないか、とツッコミを入れると思います。

では、もち米とふつうのごはんとして食べる「うるち米」とはどう違うのでしょうか?
もち米はアミロペクチンというでんぷんで構成されています。アミロペクチンが100%です。
一方、うるち米はアミロペクチンが8に対して、アミロースが2含まれたでんぷん構造です。このアミロースが入るか入らないかで、あの独特の粘りが生まれるのです。たった20%の違いですけれど。
ちなみに、もち米を食べる習慣があるのは、日本だけではありません。東南アジアでも食べられます(これも、美味しいですよ)。ただ、欧米ではもち米を食する習慣があると聞いたことがありません。調べてみましたが、そういった資料は見つけられなかったのでないのでしょう。チャイナタウンなどは別でしょうけれど。
また、日本では「特別なときの食材」として知られています。
お正月に食べるお雑煮の餅だけではありません。お祝いの席で欠かせないお赤飯ももち米です。人寄せのときにおこわを作る地域もあります。これも、人寄せ(人が集まる場。ざっくり言ってしまえばホームパーティーのようなもの)というスペシャルな席用の料理です。
なぜ、もち米やその料理は特別なのでしょう?
これには、もち米を蒸したりついたりするのに手間がかかりるので、手間暇かけて特別なお料理を作る、という意味も、昔の日本人にとって米や餅が滅多に口にできなかった特別な食材だったから、とも言われています。
それに加え、薬膳ではもち米の持つ生命力やパワーにも関係がある、と考えます。これについてもう少し書いてみます。お付き合いください。
■薬膳ベースのゆるベジらく膳的 もち米の栄養

もち米は薬膳では「温・甘」に分類されます。
温は身体を温める働きがあります。冷え性の方にはとくにおすすめです。
お正月の頃は北風が堪えるとき。季節柄、もち米をお餅にして食べることも多いと思いますが、まさにぴったりの食材ですね。
甘は味の性質です。単に甘さがある、という意味ではありません。
この甘は「胃腸を健やかにする」というはたらきがあります。消化を促し、食欲アップにも効果を発揮します。総じて体力アップも望めます。
新年のスタートダッシュにふさわしい食材ですね。納得!
■もち米の強いパワーがマイナスにはたらくことも!?
もち米は「温・甘」の性質ですが、その力はとても強いとされています。もともともち米は、植物の芽の塊ですから、生命力が高いと言われると納得できます。

強い温める力、強い胃腸を補う力は、わたしたちにとってとても嬉しいことです。しかし反面、その強さがマイナスにはたらくこともあるとされています。
たとえば…筋腫や腫物がある場合、もち米を避けたほうがよいとする方もいます。その理由は、もち米のエネルギーがかえって筋腫や腫物を大きくしてしまうからだと考えるからです。
それだけもち米にはパワーがある、ということの証明でもあります。
実際に、出産後の女性がもち米を食べると母乳の出がよくなる、と昔の方はすすめていたこともあります。もっとも、これは現代医学では否定される先生方もいらっしゃるので、なんともいえません。
ただ、そういった例えから見ても、もち米がパワフルであることは感じていただけると思います。
実際にパワフルなもち米を積極的に食べて、新年のスタートダッシュを気持ちよく決めましょう。わたしも、そのお仲間に入れるようにがんばります!