日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳」を楽しんでいます。
今日のテーマは、鯵です!
お鍋の美味しい季節です。
と、春菊についてご紹介した際にも書きましたが。
最近は、いろいろなお鍋がありますね。
お鍋の素なるものがたくさん出回っていて、見ているだけで参考になります。
これも、書きましたね。

さて、つみれ鍋を作ったので、つみれにまつわるお話を書きます。
Contents
■そもそも「つみれ」ってなに?
肉類(魚でも肉でも)をミンチ状にしたものをベースにし、そこにデンプンや卵を繋ぎにしたものです。
鶏肉を「つくね」、魚肉を「つみれ」と分けて考える方もいますが、正確には「摘んで入れる生地」を「つみれ」と呼びます。
材料は関係ないということですね。
摘んで入れるとは、ボウル等に入った生地を形成しないで湯の中にポトンポトンと落として加熱して固める、というものです。
逆につくねは、手で形成してから加熱します。
魚の場合、種類がいろいろです。
関東では比較的「つみれ=鰯」といったイメージが強いのですが(関東出身のわたしもそうです)、実際には鯵や飛び魚なども使います。地域によって漁獲高の高い魚を使うことが多いですね。
つみれを食べるのは、日本だけではありません。
中国や韓国など、アジアの各地域で同じような料理を見ることができます。味つけに関しては様々ですが、材料は身近な魚や肉であることが多いです。
ちなみに中国語では「魚丸(ユーワン)」と言います。
今日は、いろいろな材料で作る「つみれ」のなかでも、先日わたしが作った「鯵のつみれ」について書きます。
■薬膳ベースのゆるベジらく膳的 鯵の栄養①

鯵は、「味が良い」から「アジ」という名称になったというほど、旨味のある魚です。
日本では古くから、刺身や焼き魚としてだけでなく、干物としても食べられてきました。庶民的な魚の代表格といってもいいでしょう。
さて、鯵を薬膳で分類すると「温・甘」。
温はこれまで何度となく出ていますが、身体を温める性質です。身体を温めると聞くと、寒い季節限定でよいのでは、と思われがちですが、夏場にもおすすめです。
というのも、夏は冷房が効いた室内で「隠れ冷え」の状態になる方が多いためです。とくに女性に多く見受けられるように感じます。
つまり、年間を通じて身体に嬉しい食材というわけです。
ただし、熱があるとり、ほてりを感じるときに大量に食べるのはおすすめできません。ご注意くださいね。
「甘」の性質は、胃腸にプラスです。
とくに鯵は胃腸を温めて食欲を増進させ、さらに消化を促してくれます。
また胃腸が温まることで血行がよくなります。
さらに、五臓のはたらき(ざっくり内臓をイメージしてください)を補い、気力をプラス。気力は生きる活力だと、薬膳では考えるので、気持ちを前向きにしたり、アクティブに行動したりする力をサポートしてくれるという意味に通じます。
食欲アップで、気力体力アップ!
これってすごい効果ですね。
■薬膳ベースのゆるベジらく膳的 鯵の栄養②
続いて現代栄養学の観点からも、鯵を考えてみましょう。
鯵は青魚です。青背の魚、とも呼びます。どちらかといえば、青魚のほうがメジャーな呼び方でしょう。
青魚で注目される栄養は、EPAです。EPAとは、エイコサペンタエン酸のこと。
人間が体内でつくり出すことのできない、必須脂肪酸のひとつです。
これは、血行をよくして血液の粘度を下げる(血液をサラサラにする、とも表現します)とされています。結果的に動脈硬化や高血圧改善に効果が期待できます。
もうひとつ注目したいのが、DHAです。これは、ドコサヘキサエン酸のこと。
やはり人間の身体では生み出せない必須脂肪酸のひとつ。
こちらは脳にプラスにはたらきます。脳の機能や神経の発達に良いとされており、結果的に老化防止になると言われています。
とくにDHAは成長期の子供にはおすすめの栄養素です。もちろん、年を重ねても老化防止って大切です!
■つみれには、ショウガやネギがおすすめ
鯵のつみれには、おろしショウガや刻みネギを組み合わせてください。

どちらも「温・辛」に分類される野菜で、鯵と組み合わせることでさらなるポカポカ効果を期待できます。
さらに、ショウガやネギをおすすめする理由がもうひとつ。
どちらにも消臭効果があること。
青魚を苦手だと考える方の多くが、「匂いが…」とおっしゃいます。確かに青魚には、独特の魚臭があります。それを防ぐのには、ショウガやネギが効果的です。
ショウガとネギを準備するのと同時に、美味しく鯵(だけでなく青魚全般)を食べるのに必要なことがあります。
それは、鮮度。
魚は肉以上に鮮度に味が左右されます。しっかり見極めてくださいね。
一般に鮮度がよい鯵の目安は以下のとおり
- 目が透き通っている
- 身体全体がキラキラしている
- 尻と呼ばれる部分(いわゆる肛門)がキュッと締まっている。ここから内臓や血液が見えているものは避ける。
- エラが鮮やかな赤い色をしている
この4つを目安に選んでみてください。

もちろん、つみれを作る際にも、鮮度が良いもののほうが美味しく作れますよ。
■フワフワつみれのコツ
つみれを柔らかくフワフワに作りたいときは、すり鉢がおすすめです。
しっかり練ってねばりが出ると、口当たりのよいつみれを作ることができます。
このねばりアップをさらに促進するのが、塩気。味噌もおすすめです。
繋ぎは小麦粉、片栗粉、卵。
できれば、すり鉢が理想的です。

フードプロセッサーも便利ですが、何度挑戦してもすり鉢のフワフワ感は出ないように感じます。もっとも、わたしも時間がなくて「あああ、急ぎたーい!」というときはガンガンフードプロセッサーを使っていますけれど。
時間がなくてイライラするくらいなら、はじめからフードプロセッサーを使いましょう。
もちろん、最近はすり身にした鯵(以外の魚も)を販売しているので、それを使うのもひとつの方法です。
ええ、手作りだけを信奉しているわけではないですよ。
適度なゆるさも、ゆるベジらく膳料理の魅力だと感じていただければ、と思っています。
ゆるベジらく膳料理が気になる方は、こちらまでお問い合わせください。↓ ↓