みなさん、こんにちは。
日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
さて、本日1月7日は「七草粥」を食べる日です。皆さんは召し上がりましたか?
最近は6日から7日にかけて、七草セットが店頭にズラリと並びますね。そのセットを購入すれば七草粥が簡単に作れます。
本来は七草を家の回りで摘んで粥に入れるようですが、住宅環境的になかなかできない方が多いのが現実でしょう。わたしも子供の頃から七草が自生している地域に住んだことがないので自ら摘んだ七草を入れた七草粥を食べたことはありません。
ちなみに友人に聞いてみたところ、「えー、あったとしても道端のは犬の〇し〇こが肥料になってそうだからいやかも」とのこと。「あー、それもそうだね。うん、ヨモギも躊躇するものね」と、ひとしきり盛り上がりました。
皆さんは経験ありますか?
というわけで、今日は「七草粥」がテーマです。

■七草粥ってどんな粥?
七草粥は、そのものズバリ「春の七草」が入ったお粥です。
春の七草とは…
- セリ
- ナズナ
- ゴギョウ
- ハコベラ
- ホトケノザ
- スズナ
- スズシロ
この7つ。ちなみにスズナはカブのこと。スズシロは大根のことです。

ちなみに、日本で七草粥の習慣が始まったのは平安時代のころだったと言われています。もっともその当時は七草ではなく、稗(ひえ)などを含めた雑穀を含めた7種だったという記録が残されています。
平安時代という言葉から想像できるように、もともと七草粥は宮中行事でした。さらにそのルーツをたどると中国までたどり着きます。
日本は古くから中国や朝鮮半島の文化を影響され吸収し、さらに独自のものへと昇華させてきました。七草粥の習慣もそのひとつだと考えられます。
そのルーツ自体は驚くことはありませんが、その歴史の古さには驚かされます。
ただ、宮中行事だったため、庶民にとっては無縁の行事だったようです。今よりも身分制度がはっきりしている時代でしたから仕方ありませんね。
これが一般的に世に広まったのは、江戸時代だと言われています。
当時は今よりも冬場の野菜の数が少なく、あったとしても庶民はなかなか口にできませんでした。そのため、早春の貴重なビタミン源だったと推測できます。
■七草粥を食べるタイミング
七草粥を食べるのは、1月7日。
いわゆる松の内が過ぎてから、です。お正月を終えたタイミングですね。

先ほど書いたように、もともとはビタミン補給として人々を養生した側面があったようですが、現在はお正月に酷使した胃腸を休ませる食事、という位置づけがなされています。
お節料理は全般的にカロリーが高めです。お節料理に限らず、ハレの日の食事が続くわけですから、ボリューミーなものを選びがちです。
食事に限らず、日頃なかなか会えない親戚や友人と会って食事をする機会も多いので、「せっかくだから」とアルコールがいつもより進んでしまうこともありますね。もちろん、それはそれでいいと思います。楽しいって、食事をするうえでとても大切なことだと思うから。
しかし、ガンガン胃腸を酷使した後ですから、お粥でほっと一息つくというのはとても理にかなっていると実感します。そんなわたしも暴飲暴食気味で年末年始を過ごした一人ですからね。
薬膳の視点から言っても、温かいお粥は身体を温めてくれるので早春(この言葉に新年を感じます)にふさわしいメニューです。
もっとも、肉類を食べると消化しようとして身体に熱がこもるとも言われています。その場合には、七草のひとつ「スズシロ(大根)」がパワーを発揮してくれます。
薬膳では大根を「涼・辛」に分類します。この涼は身体の余分な熱を取り除いてくれる性質を意味します。しかも、現代栄養学の観点から言っても大根に含まれる「ジアスターゼ」には消化を促し、胃もたれを改善してくれる消化酵素の一種です。
このジアスターゼは「スズナ(カブ)」にも含まれていますから、まさにお正月明けにぴったりのメニューなのです。
■ベジ楽の七野菜粥 2019バージョン
ここまで春の七草を使った七草粥の魅力を書いてきましたが、今年のベジ楽の七草粥はちょっと違うバージョンで作りました。
使った野菜は下の写真のものです。

- スズシロ(大根)
- スズナ(カブ)
- 水菜
- 分葱(わけぎ)
- ターサイ
- 小松菜
- 青梗菜
の7つ。
なぜ? と、思われた方もいらっしゃるかもしれません。
それは、セットを見つけたから(笑)。
地元の農家さんが農薬も化学肥料も30年以上使っていない畑で、丁寧に作った野菜7種をセットにして「七野菜」として販売されていたためです。
「あら、かわいい」と思って手にしたところ、農家さんの思いがひしひし伝わってきたので(と、わたしは思えたので)「今年はこれで作ろう」と思った次第。ただ、胃腸をいたわるスズシロやスズナは食べたいな、と思っていたのでセットに含まれているかどうかをチェックしてしまいましたけれどね。
このセットに含まれているスズシロやスズナ意外の野菜を薬膳で簡単にまとめると…
- 水菜=乾燥対策
- 分葱(わけぎ)=ごめんなさい! この子だけがわかりませんでした。ただ、ネギのお仲間なのでネギで考えると消化不良改善
- ターサイ=疲労回復、風邪予防
- 小松菜=消化促進
- 青梗菜=胃のむかつきや二日酔い改善
おおっ! なんとも嬉しい効果がいっぱい。
料理をする前からテンションがあがってしまったことは、言うまでもありません。
ベジ楽流七野菜粥で、お正月疲れをリセットすることができました。
皆さんはいかがでしたか? 胃腸がリセットされ、元気よく新年会に望めますように…! ん? ちょっと違う??
もとい、胃腸が健やかでいることは、毎日の食事をうーんと楽しめるということ。心も身体も軽くなるということでもあります。ぜひお健やかな毎日を過ごされてくださいね。
伝統行事やその食事の持つ魅力とパワーをじんわり感じた七草粥でした。
■おまけの「野菜談義」
わたしが今回、七野菜セットを購入した理由は、先ほど書いたように農家さんの思いがじわじわ伝わってきたから。
野菜とひと口にいっても、その育ちや生まれはさまざまです。育ちや生まれがよくわからない野菜もいないわけではありません。でも、わたしはできるだけ育ちや生まれがわかる野菜を選びたいと思っています。
だから、じっくりゆっくり作った七野菜粥はとても美味しかったです。お腹がじんわり温まりました。ただ、作るのに夢中になりすぎ、出来上がった瞬間にムスメと「おおおっ!」と盛り上がり、食べてしまったので、写真を撮り忘れてしまったことだけが残念でした…。
皆さんも七草粥で胃腸をリセットして、美味しい野菜(だけでなく)をモリモリ食べましょう! そのお手伝いは、喜んでベジ楽がやらせていただきます!