みなさん、こんにちは。
日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
昨日、小豆を炊いてお汁粉を作りました。
朝から小豆をことこと煮て作りました。この「豆をことこと煮る」行為が、実はとても好きです。
豆を煮ているって、なんだか「ちゃんと暮らしている」という感じがしませんか? 幻想だとわかってはいますが、「ちゃんと暮らしてるじゃないか」という自己満足を得られるので好きです(笑)。 それと、豆が柔らかくなるほどにふわぁ~っと豆の香りが立ちのぼりますよね。その香りと湯気が大好きなのです。

その小豆はお汁粉にしました。なぜお汁粉を作ったのか。
それは鏡開きだったから。
というわけで、今日のテーマは「小豆」です。
Contents
■鏡開きと小豆は関係ある?
ズバリ、関係ありません(笑)。まったく関係なくもないのですが。

鏡開きは、年神さま(歳神さま、と書くこともあります)をお迎えするためにお供えした鏡餅をおろして食べるということ。とくに食べ方は決まっていないと言われています。
もちろん、それぞれのご家庭でよく食べる方法はあると思います。そういう「伝わっているもの」って、ルールではないけれど、外れてしまうとなんだか不思議な感じがしませんか?
そんなこんなで、お汁粉を作ったわけです。なにしろ我が家はお汁粉ラバーが揃っているので。鏡開きの日は朝からお汁粉です(笑)。
これ、いやな方は嫌なんだろうなぁ。朝から甘いもの。
小学生のムスメは習い事の先生にも「明日はお汁粉の日」と宣言するほどのお汁粉ラバーです。お迎えに行き、先生にご挨拶をしたところ、「明日はお汁粉なんだって教えてもらいましたよ」と言われてしまい、発覚しました。
この子供のペラペラおしゃべりって、時々かなり恥ずかしいですね。余談ですが。
■ゆるベジらく膳料理的 小豆の栄養
さて、いつものように小豆トークです。
小豆は薬膳では、「平・甘」の性質があると分類します。

ざっくり言ってしまうと、平は「体質問わず合いますよ」という意味です。冷え性だろうが、汗っかきだろうが大丈夫という万能選手を意味します。
そして甘。こちらは主に胃腸をいたわる性質があること。肺をうるおす性質があること、と意味します。
「うるおす」と言うとピンとこない方もいるかもしれませんが、要するに「健全にします」と受け取ってくださって構いません。
もうひとつ、小豆がもっている性質に「水をスムーズには排出して浮腫み防止する」というものがあります。実は日本人は、全体的に浮腫みやすい人が多いと言われています。というのも、日本は高温多湿の土地柄だからです。そのため、皮膚からの水分蒸発があまりなく余分な水を体内に留めてしまう方が多いのだそう。気候風土も健康に関係があるのですね。
また、小豆には水以外にも身体に留まっている老廃物を出す性質があります。
薬膳では吹出物、腫れ物は老廃物が原因だと考えます。その老廃物を排出してくれる小豆は、肌荒れに効果を期待できます! 嬉しいですねぇ。
肌荒れ改善に小豆♪
余談ですが。
「ニキビ」と「吹出物」って同じような肌荒れの状態。でも、言葉そのものに年齢差を感じませんか?
わたしの場合、25過ぎたらニキビって言ったら「それはちがう」といわれ、30過ぎたら「はいはい」と流され、40過ぎたら返事もされないように感じます。本当にどうでもよい話ですが。
話を戻して、小豆でもっとも注目したいのはデトックス効果の高さです。
なお、小豆の茹で汁も栄養たっぷりですから食べましょう。

■小豆はお赤飯には使わない?
結論から言えば、地域によって違います。
主に関東を中心とした東日本では使わない家庭が多いようです。わたし自身も関東育ちですが、小豆の赤飯を食べたことがありません。

その理由は、東日本は「武家文化エリア」だから、と言われています。そして、小豆の皮が破れやすいから、とも。
皮が破れることが「切腹」に繋がるとして避けられてきました。
お赤飯には、小豆ではなくササゲを使います。大角豆と書きます。
神さまに「ささげる」からササゲと名付けられたと以前取材した農家さんに教えていただいたこともあります。
もっとも小豆でも作れますよ。それも美味しく!
わたし自身九州で暮らすようになって、店頭にササゲを見る機会がほとんどなくなり、お赤飯は小豆で作るのだと知りました。地域によっていろいろですねぇ。
お赤飯って美味しいですよね。ハレの日の食事ではありますが、デトックスを重視するならハレの日でなくても食べたくなりますね。
肌荒れが気になる方は小豆と睡眠をしっかりとりましょう。
■小豆はおかゆもおすすめです
おかゆはこちらでも書いたようにお腹をじんわり温めてくれます。
身体ポカポカのうえにデトックス! いいですよね、とっても。
小正月に小豆粥を食べる地域もあるのですが、まだ残っているのかな? どうだろ??
この小豆粥には、邪気を払うという意味があります。小豆の「赤」は、邪気を払う色として好まれたのだそうですよ。
たしかに、ほんのり色づいたお粥は神聖に見えなくもないですね。
以前、青森の郷土料理を取材した折に「小正月」を「女正月」と呼ぶのだと教えていただきました。青森では小豆粥を食べないのですが、野菜の料理をたっぷり作ります。
そのときだけは、女性は嫁ぎ先から実家に帰ってゆっくりのんびり過ごすんですって。だから、「1年でいちばん楽しみだったんだよ」とおばあちゃんが言っていたのが、今も忘れられません。しかも、そのお休みをとるために、ものすごーくたくさんの量の食事を準備して帰省するのだとか。わたしは当時その郷土料理を取材していたのですが、たくさんたくさん刻む材料を見て「うあああ、大変!」と思ったのですが、おばあちゃんたちは「刻むほど家が近くなるからね。このトントンいう音もうれしかったもんだよ」と。
地域と時代が変われば変わるんだなぁ、と感心しました。
■栄養学的に視点から小豆をチェック
小豆は、現代栄養学の観点から言っても、とても優秀です。
鉄と食物繊維が豊富なので、貧血気味の方にはうれしいですね。

古くは出産したばかりの女性の養生食として小豆粥は好まれてきました。
出産や授乳で不足しがちだった鉄を補する点からも、小豆粥はぴったり。経験値で知っていたのでしょうが、先人の知恵には感服しますね。
食物繊維もお腹スッキリ効果を期待できるので、見逃せません。薬膳でも「排出をスムーズにする」とありましたが、栄養学から言っても高いデトックス効果あるのですね。
うーん、ますます食べなくては。
なお、小豆をはじめ、ほとんどの豆が茹でた後冷凍保存できます。「豆を炊くのが面倒だな」と感じる方は、ぜひともある程度の量を一度に炊いてみてください。それを小分けにして冷凍すると、いつでもたっぷり食べられますよ。おすすめです!