みなさん、こんにちは。
日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
風邪もインフルエンザも流行っていますね。
わたしが暮らしている福岡は、インフルエンザは警報レベルです。幸い、わたしも家族も元気ですが、ドキドキもの。
受験がいらっしゃるご家庭は戦々恐々としていらっしゃるかもしれませんね。
お孫さんやお身内に受験を控えているお子さんがいらっしゃる方も、ご心配だろうと思います。
受験も残りわずか。この場を借りてエールを送ります。
今日は受験生や、そのご家族、御親戚…「風邪をひきたくない!」という方に向けて「風邪をひきにくくする野菜=カブ」を取り上げたいと思います。
風邪をひきたくないって、読んでくださっている全員が該当しますね(笑)。
Contents
■カブは歴史ある野菜です
まずは、カブの歴史や旬について取り上げます。
カブの原産地は、アフガニスタンから地中海にかけての地域だと言われています。
乾燥に強いのが特徴で、おひさまが大好きです。
その後、大陸を通じて日本に伝えられました。「日本書紀」にも登場しているので、その古さは想像しやすいと思います。
当然ですが、中国では日本よりも古くから食べられてきました。
古くは諸葛孔明が、戦場を行軍する際に、駐留期間があるとカブを植えさせたという記録が残っています。諸葛孔明…三国志の時代です。
なぜ、諸葛孔明がカブを栽培させたかというと、カブは当時から生育期間が短かったため、だと考えられています。さらに、捨てるところなく全部食べられたから、とも。
この記録からもわかるように、カブは比較的栽培しやすい野菜です。乾燥に強く、生育期間が短いから。
しかも、旬が2回あるのもポイントです。
カブの旬は3~5月、10月~12月と1年に2回あるのも、カブが短期間で育てられることに関係しています。
■ゆるベジらく膳料理的 カブの栄養①
薬膳でカブは「温・苦甘辛」と分類します。
人によっては「温・苦」と分類することもあります。ここでは、ちょっと欲張って、いろいろな性質について取り上げます。だから、「温・苦甘辛」に分類します。
簡単に言ってしまえば、身体を温めるはたらきをしますよ、ということです。カブが寒い時季と春先に旬を迎えることは意味があるように感じませんか?
わたしはとてもよくできているなぁ、と感じます。
「苦」という性質は、食べて苦いという意味ではありません。性質を表しているのですが、身体にこもった余分な熱を放出する(ほてりやのぼせに効果的)、余分な水を排出する(むくみ防止)といったはたらきがあります。
排出力が高いことから、デトックス効果がある、と言われています。
デトックス効果から、精神を安定させる力があるとも言われています。
「甘」の性質は、胃腸をいたわる力があります。
胃腸をいたわることから、食欲増進にも。食欲が刺激され、食べられれば体力アップにも繋がります。
甘の性質のもうひとつの役割は、筋肉や精神の緊張緩和です。
これ、肩こりに悩まれている方におすすめします。筋肉の極度の緊張は肩こりや腰痛にも繋がりますから、筋肉がゆる~っとしていることは大切です。
あ、ここで言う「ゆる~っ」はたるむのとは違いますので、あしからず。
「辛」の性質は、体温を上げて心もアップする力。
心もアップというと、伝わりにくいかもしれませんが、ポジティブな姿勢を維持するパワーをもらえるという意味です。朝から元気よくテキパキ動けるようなイメージです。
辛にはほかにも、血行を促進する役割があります。
身体の余分な水分を汗として排出したり、余分な熱を取り除くのに役立ちます。
なんだかんだと、すばらしい野菜です!
今こそ(といっても、少し旬が終わりかけていますが)、しっかりたっぷり食べたい野菜です。
■ゆるベジらく膳料理的 カブの栄養②
現代栄養学の視点からも、カブについて触れましょう。
カブは葉と白い部分とでは、栄養が違います。
葉は、いわゆる緑黄色野菜に分類されます。
ベータカロテンが豊富です。このベータカロテンは体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や粘膜強化などにかかわります。胃腸や肺もうるおすとされており、このあたりは完全に薬膳と重なります。
白い部分で注目される栄養素は、ジアスターゼです。これは消化酵素の一種で、食べすぎてしまったときなどにおすすめです。大根にも含まれている成分ですね。
■カブはどこを食べますか?
カブは捨てるところがない野菜です。
諸葛孔明が植えたのも、そこに理由があります。
葉はもちろん、白い部分も全部丸ごと食べられます。
これは、先ほど葉は緑黄色野菜だから…と書いたことでおわかりいただけたと思いますが、本当に丸ごと全部食べられます!
食べましょう!
カブは生でも加熱しても美味しい野菜ですが、より身体に優しいのは加熱したものです。
カブは皮ごと食べられる野菜ですが、生食すると皮を固く感じるかもしれません。そのときは、皮をむいてくださいね。
でも、取り除いた皮は千切りにしてきんぴら風にしたり、お味噌汁の具にするなどして全部食べてください。
食べましょう!
ところで、白い部分は根だと思いますか? それとも、茎だと思いますか?
実は、この白い部分は茎です。
ちなみに大根は根。…名前のまんま、と言われればそうですが。
見分け方は、ひげ根の位置です。
大根は白い部分の横から直接ひげ根が伸びています。なぜなら、ここが根だから。
根は四方八方に伸びますね。そう考えると納得できると思います。
カブはひげ根は白い部分の先端からひとつだけちょろっと伸びています。よく見ると、この伸びたひげ根から細かくアチコチに伸びている根を見ることができます。つまり、茎から伸ばした根が先端のちょろっとした部分なのですね。
どちらもアブラナ科の野菜で、食べ方も似てはいるのですが、茎と根だと考えると大きく違うと実感します。
■美味しいカブの見分け方
続いては、カブの見分け方です。
カブは全体にぷっくりとハリがあるものを選びましょう。
葉がついている場合は、葉が瑞々しくシャキッとしているものを。葉が黄色っぽく変色していたり、ヘナヘナになってしまっているものはダメですよ。
さらに、購入したら葉と茎(白い部分です)を包丁で切って分けてください。葉があると鮮度がどうしても落ちやすいので注意が必要です。
このとき、できるだけ茎は丸々残した状態で葉の根元を切ります。
洗うときは竹串等で葉の付け根に残っている砂などのごみを丁寧に取り除いてくださいね。
■東日本と西日本で食べているカブは違う?
カブはとても品種が多い野菜です。
なぜなら、地方によって伝承される品種がありますし、比較的交雑が簡単な野菜だからです。
皆さんも、白いカブだけでなく、紫色や赤い色、丸い形に細長い形など、いろいろなカブを見たことがあるかもしれません。
「気づかなかった」という方は、ぜひスーパー等でチェックしてみてください。最近は、いろいろなカブを扱うお店が増えているので、珍しい品種に出合えるかもしれませんよ。
いろいろな品種があるカブですが、大きく2つのタイプに分類できます。
ひとつは「小カブ」と呼ばれる小さいもの。
もうひとつは「カブ」と呼ばれる大きなもの。イメージは絵本の「大きなカブ」。
小カブは主に東日本(とくに東北や関東エリア)で栽培されています。寒さに強く、皮が比較的しっかりしているのが特徴です。
大きなカブは西日本(とくに関西以西)で栽培されています。小カブより寒さに弱く、皮がやわらかいのが特徴です。
ちなみにベジ楽の2月のレッスンでは美味しいカブを使う予定です!
美味しいカブで風邪に負けずに過ごしましょう。
皆さんのお住まいの地域ではどのようなカブを食べることができるでしょうか。
わたしの場合、福岡に住むようになって、びっくりしたことのひとつが「カブが大きいこと」。びっくりしましたが、今ではすっかりファンになりました。美味しいですよ。
いろいろ召し上がってくださいね。