みなさん、こんにちは。
日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「イチゴ」です。
大人も子供もイチゴを苦手とする人に会ったことがありません。それもあって、イチゴって最強だと思うのです、わたし。
形はかわいいし、色も強烈。インパクト抜群。
しかも、品種が増えているので、選ぶ楽しさまであります。
無敵。
というわけで、イチゴです。
■イチゴの歴史と品種
イチゴの歴史は江戸時代までさかのぼります。
オランダを通じて国内に持ち込まれたのが最初で、今ではクリスマスから春にかけて国内産のイチゴが多く出回ります。
わたしが暮らす福岡もイチゴの産地です。
ほかには栃木県や熊本県、長崎県や静岡県が代表的な産地です。個人的には佐賀県のイチゴも大好きです。
イチゴは、産地によって「イチオシ」の品種が大きく変わります。そして、品種によって大きく味も変わります。
福岡県の場合は、「あまおう」が有名です。
あまおうは、「甘い・丸い・大きい・うまい」から名づけられたと言います。なるほど。
確かに、大粒でとても糖度の高いいちごです。
最近、わたしが注目しているのが佐賀県が今シーズンから売り出している「いちごさん」。残念ながらビックリするほどの価格で、まだ食べたことがありません。シーズン中には食べたいと狙っています。
こちらの「いちごさん」は佐賀県とJAが約7年の歳月をかけて品種改良したものとあって、携わった方たちについ想いを馳せてしまいますね。…先述のとおり、まだ食べたことがないのですけれど。ああ、これも食べたい!
「品種改良」で思い出しましたが、以前、品種改良に携わっている方とお話をした際に「ぼくたちは“品種開発”をしているわけじゃないんですよ。何度も何度も繰り返して“改良”を続けていって、安定して収穫できるものが生まれるから、だからぼくたちがやっていることは“改良”です」と、言われました。
この言葉って、とても重みがありますね。
開発ではなく、少しずつ少しずつ良くしていくから“改良”なんですって。頭が下がります。
話がそれましたが、イチゴに品種に戻りましょう。
わたしのもうひとつの注目株は、静岡県の「きらぴ香」です。
なぜなら、わたしの友人が栽培している品種だから。この「きらぴ香」をいただくときには、農業をやりたくて夢をかなえた友人とその旦那様を思い浮かべて食べるので、格別です。
明日、彼女からいちごが届く予定なので、今から楽しみで楽しみで「イチゴ」をブログのテーマにしてしまうほどです。
食べた後のレポートはまた後日。どうぞご期待くださいませ。
最近は、白いイチゴもありますね。
「雪うさぎ」「天使の実」などが有名です。これは希少性もあって人気ですね。
最近は、どのスーパーでも「品種」を明記して販売しているので、気になる方はぜひ食べ比べてみてください。酸味、甘み、固さ(噛んだときの食感)、香り…全部が違いますよ。
さて、「秘密」についてです。
イチゴの秘密…それは、イチゴが果物ではないこと。
イチゴは果物ではありません。イチゴは立派な野菜です!
意外かもしれませんが、イチゴは野菜に分類されます。便宜上「果物」と記載しているものもありますけれど。
野菜なのに、フルーツ感満載なのもイチゴのすごいところですね。
■イチゴの旬はいつですか?
この質問に、春と答える方は1960年代の記憶がしっかりある方かもしれません。
1960年代ごろまでは、イチゴの栽培技術は今ほど進んではいなかったので、5月から6月初旬ごろが旬でした。いわゆる露地栽培がメインの頃です。
その後、技術が発達することで、クリスマスシーズンにいちごがたくさん出回るようになりました。そのため、冬を旬だと考える方も少なくありません。
ただ、食に関する本では1990年ごろまでは春だけで記載しているものも多かったように覚えています。その後、90年代後半から春と冬を併記するようになりました。
ただ、イチゴが持つ本来の性質を考えると、春のほうが正しいのかな、と感じます。あくまで、わたし個人の意見です。
では、続いてイチゴの性質について考えてみましょう。
■ゆるベジらく膳料理的 イチゴの栄養①
まずは薬膳的視点からイチゴをチェックします。
薬膳ではイチゴを「涼・甘酸」に分類します。
人によっては「涼・甘」に分けるかもしれません。もしくは「涼・甘微酸」?
「涼」は身体をやや冷やす傾向がある、という意味です。
冷え性の方は大量に食べないようにしましょう。
また、イチゴの持つ「涼」の性質は、五臓のひとつ「肝」にも深いかかわりがあります。
ここでいう肝は、いわゆる「肝臓」とは異なります。もともと全身に血をゆきわたらせ、気の充実をはかるのに必要なはたらきをすると言われる五臓です。目の健康や筋肉の動きにも関わります。
そして、春先は肝がスムーズにはたらかなくなる季節でもあります。
「肝が高まる」という表現をする方もいます。要するに気が高ぶって疲れやすくなったり、やる気そのものが起きなかったりするということです。
お心当たりがある方もいるかもしれませんね。
イチゴの「涼」は、その肝を健全な状態にしてくれます。春先にこそ、肝の不調を訴える方が増えるので、イチゴの旬が春こそふさわしいというのは、それが理由です。
自然界は本当にキチンと計算されているかのように、その季節季節にわたしたち人間の身体が欲しているものを用意してくれているのだと思います。
「甘」は胃腸をいたわる力があることを意味します。さらに、緊張をほぐし、滋養強壮の役割も果たします。
春先は、進級や進学、異動などで「心身ともに緊張して、食欲がなくなり、気持ちが前を向けない」という方も少なからずいます。
このようなときこそ、イチゴです!! やはりイチゴは春こそ旬なのかもしれません。
(冬のイチゴも美味しいですけれどね)。
「酸」についても触れておきましょう。
酸は唾液の分泌をよくしてくれます。さらに、排尿リズムを整え、発汗を抑えます。
これも、春先に嬉しい性質だと思われませんか?
緊張して喉が渇くようなときにも、唾液の分泌やうるおい保持をしてくれ、排尿のリズムを整え、さらに変な汗をかかずに済む。うーん、そう考えるとやはり春に食べたいですね。
とはいえ、冬のイチゴも美味しいことは確かです。
美味しいものを食べると、多くの方が笑顔になりますよね。この「笑顔」こそ、イチゴに限らず食べ物がもつ最大のプラスパワーではないかと思います。
やはり、イチゴは無敵です。
■ゆるベジらく膳料理的 イチゴの栄養②
現代栄養学からもイチゴを見てみましょう。
なんといってもビタミンCがとても豊富です。風邪予防にはビタミンCが効果的だと言われていますが、イチゴは1日10粒程度食べれば必要なビタミンCを摂取できると言われるほど、たっぷりビタミンCが含まれています。
さらに、妊婦さんがとるように言われる葉酸も含まれています。
食物繊維も豊富で、スッキリお腹に貢献してくれています。便秘は肌荒れの原因にもなりますから、避けたいですね。肌が荒れるだけでなく、ひどい場合には頭が痛くなるなど、不調の原因になります。単なる便秘と油断せずに、きちんと出すようにしましょう。出すものは出さないと、です。
そんなときは、ぜひイチゴを食べてくださいね。
■イチゴはどう洗う?
皆さんはイチゴをどんなふうに洗っていますか?
もしかしたら、ヘタを取ってから水洗いでしょうか?
結論から言えば、これはNGです。イチゴにたっぷり含まれたビタミンCは水溶性。
ヘタを取ると、その切り口から肝心のビタミンCがじゃんじゃん失われてしまうからです。せっかくのビタミンCです。しっかりきっちりたっぷり食べてくださいね。
もし、食べきれないほどのイチゴが手に入ったら、思い切って凍らせてしまうのもおすすめです。そのままイチゴシャーベットとして楽しんでもいいですし、ミキサーにかけてスムージーとして楽しむのもおすすめ。凍らせておいてジャム等を手作りしてみるのも素敵です。
ぜひ、ぴったりのいちごの食べ方を研究してみてくださいね。
ちなみに、我が家ではスムージーが人気です。