みなさん、こんにちは。
日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「エビ」です。
野菜? 違いますよね⁉
というツッコミが聞こえてきそうですが、エビもおすすめなので取り上げてみようと思います。
そもそも、わたしがなぜエビを取り上げようと思ったのか、です。
節分だから(笑)。
節分といえば恵方巻という方が多いのではないでしょうか。
最近はたくさんの種類の恵方巻があって、見ているだけで楽しい気分になります。我が家も恵方巻の流行に巻かれて(笑)、作ったこともあるのですが、今年はちょっと小休止。
もともと節分の伝統食というわけでないので、熱もさほどないのです。
大阪のとある企業さんが始められました。それをコンビニエンスストア業界が広めた、というのが大筋です。だから、お休み。
家族が恵方巻よりも、手巻き寿司を食べたいといったことが大きい理由でもありますが。
いろいろ買った材料のなかに「エビ」が含まれていて、エビの栄養などをアレコレ考えていたこともあり、「今日のテーマ、決定!」となった次第です。
皆さんは恵方巻を召し上がりましたか? そのなかにエビは含まれていたでしょうか?
Contents
■エビは縁起のよい食材です
エビはお節料理の材料としても有名です。
エビの旨煮がきれいにできあがると、それだけで心がウキウキしますね。エビがお節料理に使われるのは、エビの曲がり具合が人間の腰にたとえられるから。「腰が曲がるまで元気で健康に」という意味で長く使われています。
エビのひげが「お年寄りのひげ」に見立てられることも、長寿の象徴のように扱われる理由です。
また、エビは加熱すると鮮やかな朱色になります。見た目にもきれいでおめでたい感じがしますよね。
■日本で食べられているエビの種類
日本人は無類のエビ好き。もちろん、苦手に感じている方もいますし、アレルギーの方もいらっしゃいます。だから、すべての日本人が、とまとめてしまうのは乱暴ですが、わたし自身の皮膚感覚で言えば、エビ好きの方のほうが圧倒的に多いように感じます。
しかも、日本人は年間を通じて本当にエビをたくさん食べます。
それぞれ旬の時季が異なるのですが、冷凍技術が進んだこともあって季節にとらわれずに食べているという感じです。もっとも旬のものは、野菜に限らず、とても美味しいのでおすすめですが。
よく食べられているエビの旬についてざっくり書いてみると…
- 桜エビ…5月
- ブラックタイガー&車エビ…7~8月
- 甘エビ・芝エビ…12~2月
先ほど書いたように通年出回っているので、いつでも食べられます。しかし、「今は甘エビが美味しい」といったような知識があると、やはり違った選択も生まれてくるのではないかと思います。
■ゆるベジらく膳料理的 エビの栄養①
薬膳ベースのゆるベジらく膳料理では、各素材を薬膳でひも解くようにしています。
今回はテーマはエビなので、エビについて考えます。
エビは薬膳では「温・甘」に分類されます。
「温」なので、身体を温めるはたらきがあります。そして血行をよくします。
冷え性の方にはいいですよ。なかでもとくに足腰の冷えに効果があるとされます。冷えが原因で腰痛に悩まれている方にはとくにおすすめです。
「甘」は、胃腸をいたわるはたらきがあります。消化を促し、食欲を刺激します。
また、エビは「腎」を補うはたらきがあります。腎は精力にかかわる五臓のひとつ。
気力を充実させ、パワフルに過ごすのに一役買います。
エビはもともと繁殖力があり、強精作用が強い食材としても知られています。とくに中国では古来、独身者は食べないほうがよい、とされてくるほど滋養強精作用があるといわれます。
独身の方は食べてはいけません! となると、かなり極端な発想だと思いますが、そのくらいパワーがある食材だということがおわかりいただけると思います。
現代人の暮らしにあてはめて考えると…
- なんとなく調子が出ない
- 朝からやる気がでない
- 体力がなくて疲れやすい
このような方は、エビでパワーをチャージしてみてはいかがでしょうか?
■ゆるベジらく膳料理的 エビの栄養②
実は、現代栄養学の観点からいってもエビはとても優秀です。
エビには「核酸」と呼ばれる成分があります。
この核酸は、全身の細胞を活性化し、血液を生み出す力があります。造血作用があるということは、貧血気味の方にも嬉しいですね。
さらに、エビが持つ「赤い色」にも注目です。
この赤の正体は「アスタキサンチン」と呼ばれる色素です。この色素には、病気に対する抵抗力を高める効果がることが近年の研究でわかっています。
エビに限らずですが、野菜や果物の「色」も大切な栄養成分です。
食卓にいろいろな色をそろえるといいですよ、という話はよくさせていただきますし、皆さんもアチコチでお聞きになったことがあると思います。
一例をあげると
紫色=アントシアニン=眼精疲労回復
赤=リコピン=アンチエイジング
黄色=ベータカロテン=粘膜強化
といったように。それぞれわたしたち人間に有用なはたらきをしてくれます。
エビの赤もまたしかり。病気に対する抵抗力をあげてくれると聞くと、気持ちまであがりますね。
さらに、エビには「タウリン」と呼ばれる成分が含まれています。
タウリンはコレステロール値を下げ、肝機能を高めてくれる成分です。サプリメントや栄養ドリンクで摂取することもできる栄養ですが(よく書かれていますよ、「タウリン〇mg配合」というように)、エビを美味しく食べて、楽しく摂取する方法もありますね。
エビの殻はカルシウムがたっぷりです。
殻ごと揚げればパリパリ食べられます。
殻を揚げない場合は、ダシにしてカルシウムをとりましょう。殻はよいダシがでますから、捨てずにさっと洗って酒を加えた水でゆでてください。その水がダシとしていろいろな調理に使えます。このとき、さっと濾して殻は外してくださいね。
殻にはほかにキチンという動物性食物繊維が含まれているので、便秘対策にもなります。
さらに、高たんぱく低脂肪、そして糖質ゼロ!
これはダイエット向きです。エビが食べたくなったのではないでしょうか?
■エビの調理コツのコツ
◇エビの選び方
エビは鮮度が大切です。
前身の縞模様がはっきりしているもの、ひげがピンとしているもの、身が透き通っているものを選びましょう。
また、エビの殻は身を守るのに大切な役割を果たします。と、書くと「当り前では?」と思われるでしょうが、これはエビが生きている間だけではありません。
エビが捕獲され、食卓にあがるまでの間もできるだけ殻はあったほうがよいのです。
と、考えると「むきエビ」より「殻付きのエビ」のほうがいいのかな、と感じていただけると思います。個人的には、むきエビの臭いより殻付きエビの臭いのほうが気にならず、食感もプリプリしていると思います。
◇エビの背わた
背わたは、エビの背中の黒いラインです。
これはできれば外して食べてほしい部分。
どうしても臭いや食感が悪くなる原因です。それだけでなく、実は背わたはアレルギーを起こしやすい部分であるともされているためです。
殻付きで調理したい場合であっても、殻の節目からつまようじを差し込めば背わたは外せますから、ぜひ外して調理してください。
殻を完全にはずしてちょうりするなら、背に切り目を入れて外すのがいちばん簡単です。
ただ、エビにアレルギー反応を起こす方も少なからずいらっしゃいます。わたしの友人もそうです。どんなにエビが栄養たっぷりだったり、美味しかったりしても、アレルギーには関係ありません。気をつけてくださいね。