日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「フライパンの選び方!」です。
Contents
■フライパンはどう使う?
フライパンは家庭にある調理器具のなかで、もっとも一般的で使用頻度の高いものだと思います。
実際、ベジ楽のレッスンに参加される方のなかで「フライパンを使いません」とおっしゃる方は今のところ出会ったことがありません。一人暮らしの方もこれまでたくさんご参加くださっていますが、それぞれ持っていらっしゃったと思います。
わたしもかつて一人暮らしをしていたことがありますが(という話をすると意外だと言われることも多いのですが)、フライパンは最初に買った道具のひとつです。そのフライパンも寿命がつきてお別れしましたけれどね。
フライパンは調理の幅が広い道具です。ざっと思いつくところをあげてみると
- 焼く。
- 炒める。
- 揚げる。
- 炊く。
- 蒸す。
- 煮る。
これらが全部できます。
もっとも蒸すや煮るに関しては、フライパンのサイズ(深さ)が大きくかかわるので「絶対にできます!」と断言はしにくいのですが、それでもある程度の深さがあれば全部可能です。
まさに万能選手。
お一人暮らし用マンション等にお住いの場合(かなり具体的に限定していますが、わたし自身の経験を踏まえて、の例えです)、キッチンスペースが限られることが多いです。そのようなキッチンで調理器具をそろえて収納するとなると、やはり万能であることは大きなメリットです。
しかも、よい意味で繊細な道具ではありません。
基本的にガンガン使っても、滅多に壊れることはありません。もちろん、フライパンによっておすすめの使用法やNGの使用法があるので、それを知っておく必要はあります。
逆にいえば、使い方の基本やお手入れの基本について知っていれば、長く使えるタフな道具なのです。しかも、繰り返すようですが、万能!
そこで、具体的にフライパンについて考えてみましょう。
■フライパンを素材から考える
フライパンは大きく2つに分けることができます。
ひとつは鉄製。
もうひとつはフッ素樹脂加工のもの。よく耳にする「テフロン加工」もこれに含まれます。
どちらも長所があります。そして、当然ですが短所も。
それぞれの長所と短所をあげるので、使う際の参考にしてください。
◇鉄製フライパン
熱伝導のよさは抜群です。しかも高温になりやすいので、炒め物にぴったりです。
基本的にお手入れも簡単です。
使い終わった後は、たわし等でゴシゴシこすって汚れを落とします。それを火にかけて水気を飛ばしておきます。ただし、錆びやすいという欠点も。
水気をガス等で飛ばした後、うすーく油をぬっておけば錆は防止できます。
わたしが鉄製のフライパンの一番の魅力だと感じている点は、「育てられること」。
道具に対して「育てる」ってどういうこと? と、疑問を感じるのはごもっともなことです。
おもしろいのですが、鉄製のフライパンは「育てる」という言葉がぴったりです。というのも、使えば使うほど油が馴染んでいき、焦げ付きを防げるようになるからです。
しっかり熱して使えば、油を使わずに肉が焼けます。肉から脂がじんわり出て、カリッカリに焼けます。
色も使うほど変化します。ドーンとした黒に変わります。
愛着もわくように思います。
とはいえ、永遠に使い続けられるわけではないです。そこは気をつけてくださいね。
◇フッ素樹脂加工のフライパン
テフロン加工やマーブルコーティングと記載されているものも、こちらに含まれます。
このタイプの最大の魅力は焦げ付かないこと!
クレープのような薄く繊細なものも、とてもきれいに焼けます。
長所でもあり、同時に短所でもあるのが、繊細なこと。
基本的に金属製のへらは使えません。傷がつきやすく、一度傷がつくとそこからコーティングがはがれやすくなるからです。
もっとも最近は、「金属製のへらを使えます」と記載された商品も多く出回っているので、注意書きを読んで見極める必要があります。ただ、基本的には先ほど書いたように繊細なのだ、と考えてください。
そのため、お手入れも鉄製のフライパンと同じようにはいきません。
たわしでゴシゴシ…これは絶対にNGです!
スポンジでやさしく洗いましょう。これで汚れは落ちます。
洗剤は中性洗剤を使ってくださいね。アルカリ性の食器用洗剤は、コーティングを弱くすると言われています。気をつけましょう。
また、洗い終わった後のワンステップも鉄製のものとは異なります。
鉄製のフライパンは火にかけて水気をとばしましたが(空焚きといいます)、フッ素樹脂加工のフライパンでこれはNGです。コーティングを傷めてしまいます。
軽く水気をふき取ったあとは、自然乾燥で!
ちなみに、このタイプのフライパンには耐熱ガラス製のふたがついていることも多いです。ふたつきはとても便利ですが(わたしも使っています)、そのお手入れにはやはり注意が必要です。
というのも、ガラスは急激な熱変化に弱いからです。
加熱中のフライパンにふたをして使った場合、当然ですがガラス部分も高温になります。それを使い終わったからといって、すぐに流しに置き、水をジャーッとかけてしまってはいけません。
ガラスにひびが入ってしまうこともあるので、注意が必要です。すぐに冷却せず、ワンクッションおいてから洗うようにしてくださいね。
■鉄製のフライパン 使い始め
鉄製のフライパンに関するお手入れや特徴は、先ほど書いたとおりです。
ただ、さっと洗って使い始めるフッ素樹脂加工のフライパンとは異なり、鉄製のフライパンは使い始めにひと工夫が必要です。
というのも、鉄製のフライパンの表面には錆止め用の被膜がはってあるからです。
まずは、この皮膜をきれいに取り外してから使いましょう。
そのために必要なのは、「焼き切る」こと。
直火にかけて、じっくり加熱します。このとき煙が出ますが、慌てずに落ち着いて。そして、換気扇をしっかり回してくださいね。
直火を下から当てるのはもちろんですが、側面にも当てて全体にしっかり焼き切ります。たいていの場合、焼けると色が変化するので「あ、終わった」という瞬間がちゃんとわかります。
この後、皮膜を完全に落とすようにゴシゴシ洗ってください。場合によってはクレンザーを使っても構いません。…実際に使い始めたらクレンザーは使いませんので、唯一使える瞬間かも。
洗い終わったら、今度は直火にかけて水気を飛ばします。
その後、野菜くず(キャベツの外葉やタマネギの根っこなど)を油で炒めます。食べるためではなく、油を全体に馴染ませるためです。
ここまでやったら、いよいよ使えます。このひと工夫は一見面倒に感じるかもしれませんが、大切なワンステップです。面倒でもチャレンジしてみてくださいね。
■ほかにもある フライパン
ベジ楽で使っているフライパンは、ほかにもあります。
- 内側がセラミック加工のフライパン。
- ステンレス製のフライパン
- 銅製のフライパン
- スキレット
ざっとあげたところ、こんな感じです。
セラミック加工のフライパンは深さがあるので、おもに煮る作業に。比較的小さいので、わたし一人のおひるごはんづくりにも登場することが多いです。お弁当のおかず作りにも便利です。
ステンレス製のフライパンは、焼くや炒める全般に使います。ただ、綺麗に焼き目がつくように底の部分が凸凹しているので、肉に焦げ目をつけたいときに便利です。これはしっかり熱し、油も使って焼きます。熱せられた油がじゅうぶんにゆきわたり、フライパン表面で馴染んだ頃が食材を入れるタイミングです。
ちょっとクセがありますが(タイミングを間違えると焦げついてしまう)、その分上手くいったときに嬉しいという特典も。
さらに、銅製のフライパンについて。
こちらは今は亡き祖父から譲り受けたのもの。かなり古いのですが、これも大切に育てているフライパンのひとつ。いわゆる卵焼き用です。
ちなみに、卵焼き用のフライパンには2種類あります。
正方形に近い「関東(東日本)タイプ」と、長方形の「関西(西日本)」タイプと。
わたしはどういうわけか関西タイプを愛用していますが、お好みで選んで構いません。
スキレットは鉄製のフライパンなのですが、そのままテーブルに出せる小型タイプです。厚みのあるフライパンで、アウトドアでも使えます。
そのままグリルに入れても大丈夫とあって、わたしはよく使います。
扱いに関しては、一般的な鉄製のフライパンと同じです。
■結局どっちがいいの? フライパン
つまるところ、「じゃあ何を使えばいいの?」という話になるのですが。
これはもう、お好みで!
としか言えません。
とはいえ、やはりフライパン調理の醍醐味は高温でできることにあるので、より本格的に楽しみたいなら鉄製のものを選ぶとよいのかな、と感じています。
もっともフッ素樹脂加工のフライパンの軽さ(鉄より軽いです)や手軽さ(油を敷く手間がありません)は、なかなか便利です。
できれば2種類持っていると、使い分けられていいですよ。
そして、そのうちのひとつをある程度深さのあるものにすると便利です。
これまでご紹介した特性を参考にぜひ、「マイベスト・フライパン」を選んでください。そして、日々のお料理を楽しんでくださいね。
ベジ楽ではキッチン道具にまつわるいろいろなお話もさせていただいております。
4月はキャンペーンにつきレッスン料が半額になるので、受講を検討されている方にとってはよい機会だと思います。
ぜひご参加くださいね。