日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「計る」です。なかでも「水(液体)の計り方」にフォーカスしてお届けします。
先日、レシピの見方や書き方についてお勉強できる講座に参加しました。
わたしが「講座に参加しましたよ」とか「勉強会に出席して…」といった話をすると、驚かれることもあるのですが、実はわたしは「オベンキョ好き」です。
オベンキョ好きというと、これまた誤解を生みそうですが、成績がものすごくよい優等生だったわけではありません。…むしろ、逆⁉
ただ、食の世界や栄養学の世界は日々変化しています。
だから、インプットすることも大切だなぁ、と思っているのです。
そんなこんなで参加した講座で、しみじみ「レシピって独特だなぁ」と感じました。
レシピに登場する言葉や表現は、独特だと思います。
日頃はあまり馴染みのない表現が使われることも多く、時代によっても多少変化もします。
少しずつ、こちらのブログでもレシピの言葉について触れていきたいな、と思っています。
よかったらおつきあいください。
というわけで、今日のテーマは「水の計り方」です。
Contents
■水の量を伝える単位
水を計る時は、一般的に計量カップや軽量スプーンを使います。
水だけでなく、調味料全般(液体のものも、粉状のものも)も同じように計量カップや軽量スプーンで計ることができます。
両者の違いや共通点をもう少し詳しく見てみましょう。
◇軽量カップで伝える
軽量カップは、いわゆるカップ(コップ)状の計りです。
我が家には女子栄養大学による計量カップがあり、もう10年以上これを使っています。料理や栄養学の勉強を本格的に始めたときに購入しました。
計量カップは、200mlがひとつの単位です。〇カップといいます。
カップのたっぷり入れて200mlですから、1/2カップは100mlです。
1/4カップは50mlです。
「計量カップはどんなものがいいですか?」
この質問も何度か受けたことがあります。
ガラス製の計量カップもあり、わかりやすいなぁといつもお店で眺めていますが、購入にはいたっていません。というのも、先ほど書いた10年もののカップに愛着があるから、これをベストだと思っているわけではありません。
ガラスのものをいいなぁ、と眺めてはいますが、あまり使ったことがないので強くおすすめはできません。
わたしのものは、先ほど書いたように10年越えのカップですから。
ただ、スープなどある程度の量も1度にしっかり図りたいという人は、500ml入りの大きなカップもあるので、選択肢のひとつにするのもいいですね。もっとも収納場所もそれなりにとるので、片付けるときのことも考えて選択することをおすすめします。
どんなタイプの軽量カップであっても、使う際には平らなところに置いて目盛りの高さまで視線を落とすことが大切です。
これ、本当に大事。
斜め下から見上げたり、反対に上から見下ろしたりしてしまっては正確な数量を把握できません。
横から真っすぐ!
これが、基本です。
そして、これは計量カップに限った話ではないのですが、キッチン道具は「使っていてウキウキする」を基準にするのもひとつの方法かなぁ、と感じています。
キッチンに立ちたくないときもありますよね? あ、わたしもありますよ。
そんなときも、ウキウキする道具があれば違いますものね。
◇軽量スプーンで伝える
軽量スプーンも「計る道具」としてメジャーです。
種類は基本的に2つ。
大さじ
小さじ
違いは大きさです。
大さじ=15ml
小さじ=5ml
要するに、大さじは小さじの3倍です。
だから、大さじ1/3=小さじ1 ともいいます(当たり前だとおっしゃるかもしれませんが)。
軽量スプーンで水(液体)を計るときに注意したいのが、その方法です。
レッスンを受講される方にもときどきお声をかけさせていただくのですが、丁寧に計ろうとするあまり、とても遠慮がちに液体類をスプーンに注ぎ入れる方がとても多いのです。
これは、NGです。
むしろ、遠慮せずにたーっぷり入れてください。
真横から軽量スプーンを見た際に、スプーンのふちより液体類がこんもり盛り上がっている状態で計ります。
これは、大さじでも小さじでも同じです。
デザインについては、特別にこれでないといけないということはありません。
が、しかし。
わたしのおすすめは、「置いて計れる軽量スプーン」です。
作業台の上に置いて水平な状態にして液体類を注ぎ入れることができると、安定します。
■鍋にたいする量で計る
ほかにレシピで登場する水(液体)の量としては、鍋に入れた材料に対してどのくらいか、という表現方法です、
「ひたひた」「かぶくらい」「たっぷり」の3つが代表的です。ここでは、その代表的な表現について具体的に説明しましょう。
◇ひたひた
3つの言葉のなかで一番量が少ないのが、この「ひたひた」です。
材料を鍋の底に平に並べて、水を注いだときに、材料が水面から見え隠れする量です。水面からちょっと飛び出している材料がある程度、と言い換えても構いません。
このくらいの水の量だと、加熱した際に水が動く「対流」が起きません。すると、食品同士がぶつかり合うことがなく、煮崩れしにくいと言われています。
◇かぶるくらい
「かぶるくらい」は文字どおり、鍋の底に平に並べた材料が水をかぶっている量。
つまり、材料全体が水の下にある状態のことを言い表します。
水面のすぐ下に材料が見えていればOKです。
「ひたひた」よりは「かぶるくらい」の状態のほうが対流が起きます。すると、材料が水(お湯)のなかで少し揺れます。さらに、食材全体が水(湯、だし)に浸っている分、味が均一に染みやすくなります。煮物向きです!
◇たっぷり
これも言葉どおり「たっぷり」の量を意味します。
材料がすべて水の中に沈んでいる状態のことです。
あるいは、パスタなど麺類をゆでるときにも使う言葉です。たとえば、「鍋にたっぷりの湯をわかし」というような場合ですね。ご覧になったことのある方もいらっしゃると思います。
■まだある 水の計り方
これは、水に限定した話です。水は皆さんもご存知のように1g=1mlですから、重さでその量を軽量することもできます。
たとえば、アサリの砂抜き!
この場合の水を軽量する際には、わたしは水の量を重量でチェックします。
アサリの砂抜きについては、以前質問をいただいたことがあるのでまた別の機会に書きますね。折しもアサリの旬が到来していますから、ちょうどよいでしょう。
なお、先ほど書いたように1ml=1gになるのは、水だからです!
しょうゆやみりんになると、ちょっと重量が変わります。
参考までに、わたしのレシピに限らず、いろいろな先生方のレシピに登場する液体(もしくは液体に近いもの)の大さじと小さじの重量を以下にあげてみます。
しょうゆ 大さじ1=18g 小さじ1=6g
みりん 大さじ1=18g 小さじ1=6g
酢 大さじ1=15g 小さじ1=5g
酒 大さじ1=15g 小さじ1=5g
はちみつ 大さじ1=21g 小さじ1=7g
菜種油(サラダ油も同じ) 大さじ1=12g 小さじ1=4g
ウスターソース 大さじ1=18g 小さじ1=6g
トマトケチャップ 大さじ1=18g 小さじ1=6g
いかがでしょうか?
へえ、こんなに違うんだ、と思われたでしょうか。それとも、大差がないと思われ他でしょうか。
軽量スプーンを使っていれば、重量で考える機会は少ないかもしれませんね。
それでも、ボウルに次々と材料を計りながら入れていくような場合、知っていると便利なこともあります。
参考までに。
■きっちり計らないとダメですか?
この「きっちり計らないとダメですか?」も、よくいただく質問のひとつです。
そうですね…これをこたえるのは正直難しいです。
ものによりけり、といったところでしょうか。
わたしのレシピに関していえば、「ルールを少なくする」をコンセプトにしているので、さほど厳しくガチガチにはしていません。
それについては、実際のレッスンで理由や事情を説明させていただくようにはしています。料理は化学変化の繰り返しなので、水(水分)の量についても化学的に理由があるのです。
だから、ものによりけり。
レシピによりけり。
です。いろいろと作ってみて、皆さんにとって心地良いものを探していただけたら、と思います。その意味でも、慣れるまでは「計る」を習慣化するのもひとつの方法としておすすめします。