日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「餃子」です。
なかでも「パリッパリッが美味しい羽根つき餃子」にフォーカスしてお届けします。
また再録記事でお届けします。が、そのままではツマラナイので(書いているわたしもツマラナイ)、今仕様に変更しながらお届けします。ぜひお付き合いください。
Contents
■春キャベツと冬キャベツ

春キャベツが出回り始めました。フワフワシャキシャキ…生で食べると美味しいのが春キャベツです。冬キャベツは一方で、寒さに対応するためにギュッと固く結球(球状に葉が丸まること)しているのが特徴です。
どちらもそれぞれ良さがあるのですが、わたし個人の好みで言えば餃子はどちらも美味しくいただけるかなぁ、と思います。もちろん、どんな料理もそれぞれ食べられますが、より特性を生かすという意味で春キャベツはサラダ等が向いていますし、逆に冬キャベツはロールキャベツのような煮込み料理に向いています。
■ベジ楽ではキャベツを餃子で食べることも
いろいろな料理に向いているキャベツですが、先日わたしが作ったのは餃子。

餃子を肉料理だと考える方も少なからずいらっしゃるようですが、わたしの場合、野菜料理だと思っています。というくらい、ベジ楽の餃子には野菜が入ります。野菜の隙間に肉が入っているような感じ…と書くと大げさに感じるかもしれませんが、本当です! メインの素材はまさに野菜。
そして、餃子はちょっと疲れたな…というときにぴったりです。というのも、餃子はキャベツに豚肉というパワフル食材が疲れた身体をサポートしてくれるからです。
ここでおすすめするのは、餃子といっても、ニンニクやトウガラシがガンガン効いたものではなく、マイルドなタイプ。
ニンニクは五味でいうところの「辛」。身体をカーッと熱くする効果があるので、場合によっては逆効果です。とくに春先は身体の熱をどちらかというと放出したい季節なので、「たっぷりのニンニク」はかえって身体に負荷をかけてしまうことにもなりかねません。
ただ、
ニンニクには胃を刺激して胃液を分泌させる力もある
ので、少し効かせてみてください。
このあたりの匙加減が難しいのですが(個人差があるので)、目安程度に書いておくと4人分で1/2から1/3かけ程度使っています。
そこに豚肉を組み合わせます。
豚肉は糖をエネルギーに変える力があるのと同時に、腎を補って疲労回復や滋養強壮にもパワーを発揮します。
パワフル食材のひとつです。
最後は主役とも呼ぶべき、キャベツ。
キャベツもまた腎を補う野菜のひとつ。腎を補ってスムーズな水分代謝に一役買ってくれる野菜です。しかも、余分な熱を冷ましてくれる効果も!
また、現代栄養学的にも「キャベジン」と呼ばれる成分が含まれていることでも知られています。このキャベジンは、胃の働きを整えて胃炎や胃もたれにも効きますよ。
…市販の胃腸薬の名称にも使われているので、ご存知の方も多いかもしれませんね。
わたしが作る餃子は、豚肉と野菜の割合がおよそ1:3場合によってはもっと野菜(!)です。
野菜多め。かなり多め。
野菜を食べるための餃子のようですが、それはそれで胃に負担が少なくておすすめです。
■餃子の羽のつくり方■
餃子を作る際に、気になることのひとつが「羽」かもしれません。 この羽にはいろいろな作り方がありますが、おすすめは米粉を使う方法です。失敗が少ないですよ。小麦粉や片栗粉でも作れますが、口当たりがいちばんいいなぁ、と感じるのが米粉です。

米粉と水の割合は1:10が作りやすいですよ。
水の量は餃子の下の部分が全体に浸るくらいでOKです。多すぎはべちゃべちゃになって、羽がきれいにできません。
あとは、水分が熱によって乾いたところで周囲に少量のごま油をタラリを入れるのもコツ。
これによって羽がますますパリパリになって、なおかつきれいにフライパンからはがせます。
料理は化学なのであまり精神論は使いませんし、使いたくはないのですが、羽つき餃子の場合は、最終的にここに触れてしまいます。
そう、ラストは思い切って! です。
お皿をフライパンにかぶせるようにして置きます。そして、お皿とフライパンの両方を同時に勢いよく上下返します。
そして、フライパンだけを取り除けばキレイな羽根つき餃子が登場するはず。
この、「エイヤッ」と返すときに、とても丁寧な方は勢いが足らないことが多いように感じます。途中で勢いを失うと、餃子が傾いた状態になってしまいます。
餃子が上下返されていることに気づかないような素早いタイミングで(まるで餃子に人格があるようですが)、「エイヤッ」といってくださいね。ぜひお試しください。
■餃子はスタミナメニュー だから夏バテにおすすめ
この記事の初出は、夏のころ。だから、夏バテと絡めて餃子について書いたのですが、今は春…。春の次に訪れるのは夏! だから、ひと足早い夏バテトークでもヨシッ!! と、前向きにとらえて夏バテについても触れてみようと思います。
◇そもそも夏バテってなんですか?

夏バテとは、暑さによって陰陽のバランスが崩れている状態です。
薬膳では万物を陰と陽に分けて考えます。
太陽は陽、月は陰。昼は陽、夜は陰。男性が陽、女性が陰。背中が陽、お腹は陰。
そして、健やかな状態とは、この陽と陰のバランスがきれいに保たれる状態を指します。
ところが、夏は外気がとても暑くなっているので、そのバランスが崩れてしまいます。崩れている状態を「夏バテ」と呼びます。
夏バテは「どうってことない」「涼しくなれば自然と治る」というように、意外と軽く考えられがちです。確かに、実際に病気として入院治療をするようなケースは少ないでしょう。
しかし、この夏バテが病気の原因になることは大いにあり得ます。そもそも、夏バテで食欲が落ちてしまうと、必要な栄養が摂れないのですから、身体によい状態でないことは明らかですよね。
まずは食欲を戻すこと、身体のバランスをととのえることが大切です。
◇夏バテの際、身体で起きているのはどんなこと?
夏バテは薬膳でいうところの陰陽のバランスが崩れた状態だと書きました。
暑さによってまず弱るのが「脾」です。脾とは食べ物の消化吸収、水分代謝を担っています。脾が弱ると、消化吸収がスムーズにいかず、水分代謝が落ちて体内に余分な水分が滞ってしまいます。
この大量の水分がクセモノです。
水分で身体がタポタポ状態なのは、よい状態でないのは想像しやすいと思いますが、この水は外気で熱せられると身体を温める原因にもなります。
ここまでを簡単にまとめると
外気温が上がる→脾が弱って身体の水分代謝が落ちる、消化吸収もうまくいかない→身体に水が滞る→体内の水が熱を保つ→身体が熱を持つ→食欲が落ちる
と、なります。
ザ・悪循環。
■夏バテの悪循環を断ち切るには?
そこで、この負のループをストップさせることが肝心です。
注目すべきは、「脾」です。
脾は先ほど書いたように、スムーズな消化吸収や水分代謝を担っています。薬膳では、脾が健全に機能することが、夏バテの悪循環から脱する鍵だと考えます。
そのためには、
- 体の余分な熱を冷ます
- 水分代謝をよくする
ことが大切。
そのために、「苦」や「辛」といった特性のある食べ物が有効です。
苦…ゴーヤー、レタス、ビワ(葉のみ。お茶がおすすめ)

辛…トウガラシ、ニンニク、ターメリック、ショウガ

ただし、辛の性質のある食べ物は、身体を温める働きがあるので、ほどほどに食べてください。辛の食材に限らず、食べすぎは禁物です。それこそ、バランスが整わなくなるので、注意しましょう。
■季節先取りトークもベジ楽で

ベジ楽のレッスンでは、季節の野菜をたくさん取り入れています。だから、季節トークもたくさん。
今回の夏バテはちょっと先取りですが、最近は連休の前後にはかなり暑い日もありますから、さほど縁遠い話ではないと思います。
この気温の変化…どうも最近は激しいですね。この冬が暖冬だったこともそうですね。野菜も影響を受けています。もちろん、自然界で暮らす私たち人間も多かれ少なかれ影響を受けているのだろうと感じています。
しなやかに季節の変化に対応できる人は、わたしの憧れであり目指すところ。ぜひ皆さんもご一緒に野菜の力でそんなしなやかさを身に着けましょう。
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