日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「お米の計り方」です。
以前、こちらのブログで水(液体)に関する計り方についてご紹介しました。そのブログをご覧になったレッスン参加者さんから、「お米って単位が違いますよね?」というご質問をいただきました。 そこで、今回は「お米の計量」についてフォーカスしてお届けします。
Contents
■お米の単位は「合」
多くの食品が「g」で軽量しますが、お米に関してはちょっと違います。単位が「合」と呼ばれるもので軽量します。
カップ(1カップ=200ml)と混同されてしまうことも少なくないのですが、別物です。多くのレシピ本には、巻頭か巻末で「1合=180ml、1カップ=200ml、大さじ1=15g、小さじ1=5g」といった本で使っている単位について書かれているので、本の場合はそちらを参照してみてください。

クック●●ドさんの場合は…そうですねぇ、これは数が膨大にあるので全部を検証してはいません。だから、何とも言えません。ごめんなさい。個人的にクック●ッ●さんを見ない、というのもありますが。これも以前、「クック●●ドにはこんなふうに出ていました」と言われたので、一応書き添えておきます。
ただ、一般に「合」という単位を使うのはお米に限定されることが多いです。この合をmlで換算すると…
1合=180ml
1カップとの違いは20mlです。
20mlの違いを「大差なし」と考えるかどうかは、個人的感覚だとは思うのですが、たった20mlであって仕上がりに大きく影響します。とくにお米を炊く場合は、炊きあがりに大きな差が生まれます。
炊飯器を購入すると、多くの炊飯器で計量カップがついています。この計量カップの単位も「合」です。ほとんどが(全部を調べたわけではないので念のため)摺り切りの状態で1合(180ml)です。
なお、10合を1升といいます。
すでにお気づきの方もいると思いますが、「合」や「升」はかなり古くから使われている単位です。今では米か酒(1升ビンという呼び方が残っていますね)くらいにしか使わない単位ですが、ちゃんと残っています。現役です!
これは、わたしの個人的な意見ですが、米が日本人のソウルフードだからではないかと。米という食材がわたしたち日本人にとって、いかにスペシャルな存在かを示していると思うのです。
■お米1合って何グラムですか?
1合のお米は150gです。
これまたレシピ本の話になってしまうのですが、ごくまれにすべてを「g」単位で記載しているレシピもあります。単位をそろえるという意図がはたらいているのだと推測できますが、実際に調理する際には気をつけてくださいね。
この「単位の勘違い」は料理の仕上がりを残念なものにする原因になります。
■米を炊くときの水の量は?
白米に限定していうと、
水の量は白米のおよそ1.2倍です。

ただし、新米か古米かによってふさわしい水分量は変わります。というのも、米も収穫直後は水分をたくさん含んでいて、逆にだんだん水分は時間が経つほど抜けていくからです。
目安としては、新米は水分量を大さじ1減らし、古米は水分量を大さじ1増やす、くらいです。保存状態によっても多少左右されるので、日々炊きながら「これだ!」という量を探ってみてください。
この米の炊きあがり具合も、柔らかめか硬めか、かなり好みがわかれるところです。ちなみにわたしはやや硬めが好み。歯ごたえが好きなのです。歯ごたえといってもガチガチ状態ではないですよ、念のため。
さて、新米古米の区別の仕方も気になるところです。
新米の場合はわかりやすいと思います。店頭で「新米」と表記されていますから。
問題は古米。
一般には収穫した年を超えてしまうと、古米と呼んでいます。
ただし、酢飯(寿司米)に関しては、ちょっと水加減が変わります。
酢(液体)を炊きあがった後に加えるので、通常よりも1割水を少なく炊きます。
また、すし酢(寿司用に酢と砂糖、塩を合わせたもの)は米が炊き上がったらすぐに合わせてくださいね。

これもツヤツヤの美味しい酢飯(寿司米)を作るコツです。
■米の研ぎ方にコツはある?
あります!
「研ぐ」という言葉も米独特のものですね。これも米がソウルフードであることと無関係ではないと考えています。
昔は糠(ぬか)が精米後の米に残っていたこともあり、「洗う」では事足りないと「研ぐ」という表現を使っていました。磨くように米と米を擦るようにキュッキュッとリズムよく…という言葉を聞いたことのある方も多いかもしれませんね。
ただ、現代では(といってももう10年以上前から)、精米技術が格段に進歩したためにこれまでのように研ぐ必要がなくなりました。逆に研いでしまうと、味を損ないます。
今のお米は「洗う」感覚が近いです。レシピ本でも「洗う」という言葉を使っているものが多いです。当初は賛否両論あったようですが、最近は「洗う」が浸透していて疑問を感じる方も少ないようです。
◇米を「研ぐ」と「洗う」の目的
これは、先ほど少しだけ触れましたが、糠を取り除くことが目的です。
米には縦に溝が入っています。この溝に糠が残っていることが多いので、水で落とすのが本来の目的です。
◇米の洗い方のコツ
米は乾物です。だから、水に触れるとその瞬間からグングン水を吸収していきます。
とくに水に触れてから最初の1分!
この1分が重要です。
1分の間に水を吸ってしまうので、手早くグルグルと優しく手を円を描くように動かし、水を捨てます。これを2~3回。
ここで手早さが足りずに、糠が残った状態で水に長く浸してしまうと、糠の臭いまで吸収してしまい残念な仕上がりになります。
この後、さっと手で米同士がやさしく触れるように洗います。再び水を捨て、同様に洗います。これをまた2~3回。

水が冷たいからといって、湯を使ってしまうと吸収率が上がります。
すると、糠臭さが残ってしまいます。
また、「あー、冷たい!」といって泡だて器でグルグルやってしまうと、米が割れる原因に。
この割れた米は「花咲き米」といって、口当たりの悪いごはんになってしまいます。
最初に米が水に触れてから、およそ5分で炊くまでもっていきましょう。
この時間が以外と大切。慣れてしまえばどうとういうこともないのですが、慣れるまでは「ああああ!」となることもあるかもしれません。
ツヤツヤピカピカのごはんは、おかずも要りません。
ああ、日本人でよかった! と、思える瞬間でもあります。
美味しいごはんのために、時間をかけない!
時間をかけるほど美味しいものが出来上がると思っている方もいるかもしれません。「時間をかける=丁寧」という方程式がわたしたちの頭にはすでにインプットされていることが多いからです。でも、違います。もちろん、時間をかけるとより美味しくなる料理はありますが、それだけではありません。
とくに米に関していえば、「短時間で」と考えてみてくださいね。
■米かごはんか。どう呼び分ける?
ごはん=米飯 です。
「べいはん」と呼びます。

米を炊飯して、食べられる状態にしたものを「米飯(ごはん)」と呼びます。
つまり、米は材料としてまだ調理する前の状態のことです。
米飯(ごはん)という言葉は、平安時代に誕生しました。それまでは、米を蒸して食べていました。この蒸した米を「強米(こわいい)」と呼んでいました。強米以外の食べ方として、粥もありました。
固めの粥として食べられるようになったのが、炊飯した「米飯(ごはん)」だったのです。
「ごはん」は、強米に対して柔らかいことから「姫米(ひめいい)」とも呼ばれていました。
この平安時代の呼び方が今も脈々と受け継がれて、米とごはんは区別されています。
多くのレシピ本でも同様に区別されています。ベジ楽のレシピも同じです。
何気なく使っている言葉ですが、ちょっと意識を変えて眺めてみると新鮮な気分になれますよ。
■ホームページ不具合について
おかげさまで無事に解決しました。
偶然ですが、わたしの「困った、困った」を耳にした伊藤幸さんが、「勝手にすみません」と言いながらチェックしてくださったのです。
勝手にすみません⁉
とんでもない! 勝手にありがとう!! ですよ、ほんと(笑)。
この伊藤幸さんという方、とてもとてもすごいです。
凄腕のプログラマーでありながら(プログラマーなんて、わたしから見たら宇宙人のごときすごい人です)、ティアラ作家さんでもあるという、マルチな方なのです。
チェックの仕方までメールで素早く伝授してくださいました。プロのアドバイスってすごーい! 遠隔操作で、わたしでも「ほうほう、ここでチェックできるのね…」とパソコンをいじることができたのですから。
しかも、見つけた方法も自分ではビビってしまって(失敗すると元に戻せないと聞いたので)、手を付けられなかったのですが、幸さんに「この方法」と紹介していただいたので、「プロのお墨付き!」と、挑戦することができました。
というわけで、無事に解決いたしました。
…たぶん、これからは大丈夫です。
もちろん、まだメンテナンスが必要な部分はありますが、皆様にご迷惑をおかけせずに地道に更新していくことができそうです。
今回のことで、勉強になったことは多くありました。
そして、発見も。
自分がとんでもなくアナログ人間だったこと。
プロの言葉は素晴らしいこと。
まあ、ひとつめはともかく。薄々気づいてはいましたが、改めてオベンキョしようと思いました。
ふたつめについては、わたしがチマチマやるよりも、プロのアドバイスを仰いだほうが時間が短縮され、とてもスムーズだとわかりました。当たり前ではありますが。
そして、あらためて考えました。
わたしは、皆さんにとって「ゆるベジらく膳料理」のプロになろうと。今までもそのつもりでいましたが、より一層感じました。皆さんの時間短縮に、大いにわたしを利用していただけるようになりたい、と。精進いたします。
というわけで、4月の「はじめてレッスン」についてのお問い合わせはこちらからどうぞ。
今、この文章を読んでいただいている貴女にお会いできることを今から楽しみにしております。