日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「アヒージョ&オリーブオイル」です。
Contents
■アヒージョってどんな料理?
アヒージョはスペイン料理です。
「刻んだニンニク」という意味なのですが、現地では「バル」と呼ばれる居酒屋と食堂をミックスしたような大衆的なお店で食べられる料理です。

たくさん…ではないのですが、アチコチ旅行しているわたし。スペインはかなりおすすめです。何を食べても美味しいのです!
わたしは基本的にツアー旅行が苦手です。好きな場所は滞在中に何度も訪れたいうえに、美術館などは何時間でも過ごしたいのです。だから、宿も決めずにフラフラ…ということもしばしば。
さすがにムスメも一緒に旅をすることになってから、宿は決めて旅するようになりましたが。
さて、スペイン料理のアヒージョ。
居酒屋で楽しめるだけあって、アルコールに合います。
ところが、我が家の9歳女児。どういうわけか、アヒージョが大好物ときています。
というわけで、アヒージョを作りました。…そして、写真を撮り忘れました。
食材とオリーブオイル、ハーブ、ニンニク、塩を入れて弱火でじっくり加熱します。
これだけ。かなり簡単です。
なお、オリーブオイルは食材がかぶるくらいを目安に注ぎ入れてくださいね。
ハーブは、わたしはタイムや米リーブス、キャラウェイなどがミックスされたドライタイプを使うことが多いのですが、オレガノもいいですよ。
食材によって選ぶといいのですが(ジャガイモにはオレガノ、エビにはタイムがおすすめ)、実際にハーブの香りをかいでみて、「心地よく感じるかどうか」を基準に選んでみてください。これが、意外と自分との相性を判断するのに大切です。
自分自身が「心地よい」と感じるものは、ご自身だったり、その日の体調だったりにぴったりのものなのだと思います。
同じ食材や香りでも、体調の良し悪しで感じ方が異なるという経験は誰しもあると思いますが、それを逆方向から考える、というゆるベジらく膳的発想です。
加熱時間については、食材に合わせて、です。
たとえば、今回作った砂肝は20分ほどじっくり加熱しました。ただ、砂肝だけでは寂しいので最後の最後にブロッコリーなどを投入しました。
とくにブロッコリーは加熱時間がとても短い野菜なので、火を止めるちょっと前でじゅうぶんです。
ジャガイモは大きくカットしてあればじっくり加熱したいところですが、エビなどは加熱しすぎると硬くなってしまうので、これも短時間でOKです。
■アヒージョの具はなんでもOK⁉ オリーブオイルとの相性で決めてみて!
先ほど、砂肝を使った旨を書きましたが、実際のところ、食材についてはなんでも構いません。
キノコやエビ、ジャガイモなど、オリーブオイルと相性がよければ大丈夫です。
むしろ、オリーブオイルがベースとなる料理なので、オリーブオイルを選ぶことのほうが大切だと実感しています。
では、実際にオリーブオイルをどのように選べばよいのか、どんなふうに考えたらよいのかについて書いてみます。皆さんのオリーブオイル選びのヒントになれば嬉しいです。
■オリーブオイルはどんなオイル?
さて、オリーブオイルです。そもそもどんなオイルだと思われますか?

「オリーブからとった油でしょう?」
はい、正解!
そうです、オリーブオイルはオリーブの実からとった油です。
独特の香りがあり、パンにつけて食べても美味しいですね。日本では、サラダ油やごま油と並んでかなりメジャーな油として認知されていると実感しています。実際、レッスンにご参加くださる方に聞いても、オリーブオイルが自宅に常備されているという方がとても多いです。
使い方を聞いたところ、「パスタで使います」「洋食っていうイメージです」「ドレッシングの材料にします」という回答が多かったです(ご質問にご協力くださった皆様、ありがとうございます!)。使い方やイメージが「洋」や「イタリアン」なのでしょう。わたしもそれに近いイメージです。
◇エキストラバージンオリーブオイルとは?
お店などで実際にオリーブオイルを購入しようとすると、いくつも種類があることの気づかれると思います。手に取ろうとして、迷われた経験のある方もいらっしゃるかもしれませんね(わたしも迷いますよ)。
ラベルと見ると「エキストラバージンオリーブオイル」と記載されている商品が多数あることに気づかれると思います。この記載のあるなしで、価格も違います。
では、この「エキストラバージンオリーブオイル」ってどういう意味だと思いますか?
エキストラバージンオリーブオイルの前に、バージンオリーブオイルについて触れておきます。熟したオリーブの実から搾ったままのオイルを「バージンオリーブオイル」と呼びます。そのなかでも特に優れたものを「エキストラバージンオリーブオイル」と呼びます。
◇オリーブオイルは低カロリー?
これもレッスン中にときおり質問される内容です。
100gあたりのカロリーを記載すると…
- オリーブオイル=921kcal
- ごま油=921kcal
- 米ぬか油大豆油=921kcal
- 調合油(サラダ油)=921kcal
- 菜種油=921kcal
と、実は変わらないのです。オリーブオイルが他の油に比べて低カロリーということはありません。
さらに、油脂というジャンルで考えると…
- ラード=941 kcal
- 牛脂=940 kcal
- バター(有塩)=745 kcal
- マヨネーズ=703 kcal
バターやマヨネーズがやや低い印象ですが、騒ぎ立てるほど差があるということでもないです。
ただ、ここであげた油脂にかんしていえば、味と香りがまったく異なります。
カロリーで左右される必要はありませんが(意味ない、とも言えます)、味や香りによって使い分けるといいですね。
■ゆるベジらく膳的 オリーブオイルの栄養①
薬膳視点で言うと、オリーブオイルは「平・甘酸」に分類されます。
肺にうるおいを与え、のどの渇きや痛みを抑えます。肺は皮膚と関係が深いと、薬膳では考えます。そのため、肺がうるおうことは皮膚のうるおいにも通じます。

さらに、腸をうるおすことから、便秘対策にもマル、と考えます。さらに血行をよくするとも言われます。
■ゆるベジらく膳的 オリーブオイルの栄養②
オ
レイン酸を豊富に含んでいます。
ビタミンEやビタミンKも多く、美肌効果や便秘対策が期待できる油のひとつです。

なお、ビタミンEには抗酸化作用があるともされ、いわゆる「アンチエイジング効果」を期待できます。
書けば書くほど、食材として実力がとても高いことがおわかりいただけると思います。
■オリーブオイルの選び方
オリーブオイルに限りませんが、油において避けたいのが「酸化」です。
酸化を「油が疲れる」という言葉で表現する方もいますが、要するに「古くなる」ということです。
油は光をあびたり、熱を加えたりすると酸化します。酸化という言葉から想像できるように酸素に触れることでも古くなります。
古い油(酸化した油)は、身体に負担がかかるという説もあります。わたしは医師でも研究者でもないので、それについては判断できかねるのですが、単純に古い油の臭いがダメです。古い油特有のべったりした臭いです。
ごくまれに(まれに、ですよ)外食で揚げ物をいただいたときに「ん? 油が古い?」と感じることがあり、それがもうとにかく苦手です。身体に負荷うんぬん以前に、「美味しくない」。胃にべったり膜がはったような不快感が残ります。食事は美味しく、楽しくがモットーのわたし。モットーに反するということで酸化した古い油は個人的にNGです。
この話が「オリーブオイルの選び方」にどう繋がるか、ということで首をかしげる方もいるかもしれません。大丈夫です、ここから繋がりますから。
先ほど、オリーブオイルの酸化には「光」が関係すると書きました。つまり、光をあびることで酸化が進んでしまうのです。
そこで、わたしがおすすめしたいのは「遮光のビン」に入っているオリーブオイルを選びましょう、ということです。
保存も、直射日光の当たらない場所においてくださいね。そして、あまり長く放置せずに使いきってしまいましょう。
わたしはオリーブオイルを大容量のビンでは買いません。どちらかというと小さいタイプで購入します。美味しいうちにスッキリ使いきる。オリーブオイルに限らず、調味料全般で心掛けていることでもあります。
それから、産地にも注目してみてくださいね。
オリーブオイルとひと口にいっても、産地によって味も香りも大きく変わります。これについては、個人の嗜好の問題でもあるので、ここのオリーブオイルが一番美味しいといったことは言いにくいです。いろいろ食べてみて、お気に入りを探すのも楽しいですね。お気に入りの1本を見つけてください。