日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは、「バッハと学校。一生懸命」です。なんの脈略もないような3つの単語ですが、これがテーマです。
Contents
■バッハのインベンションに苦しむ
バッハとは、ヨハン・セバスティアン・バッハのことです。
音楽室に彼の気難しそうな肖像画があるので、顔を見たら「あ、あの人」と誰もがうなずく人です。「音楽の父」といわれることもあります。
今、我が家はかの偉大な音楽家バッハにもう数か月にわたって(1年以上かも⁉)苦しめられています。苦しめられる…ちょっと語弊があるかもしれません。バッハに悩まされている、というのが正しいかも。
わたしには小学生のムスメがいます。
彼女は想像と妄想と衝動で生きているようなところがあります。そこに最近は屁理屈なるものがブレンドされていて…まあ、年齢的にメンドーな感じです。
そのムスメは、5歳ごろから本格的にピアノのレッスンを始めました(音楽自体はもう少し前でした)。始めたきっかけは、もともとわたしも子供頃に習っていて、音楽が好きだったので、ムスメも興味を持ち…というよくあるパターン。おまけに我が家の場合、夫も音楽好きで、自宅にピアノもあったのでわたしが時々弾いていたというのもあります(あ、わたしは下手くそです)。
また、始めた頃に同じ先生についていたお姉さん(友人のお嬢さん。大人のわたしが見ても素敵ガールです)に憧れていたことも、彼女に大きく影響しています。
きっかけはよくあるパターンで始めたのですが、本人がガッツリはまったこともあり、今も続けています。習えば習うほど、「できない自分」に気づいたり、焦ったりして涙を流すのも、これまたよくあるパターンです。そして、その王道をムスメがガッツリ突き進んでいます。
習い始めてから引越しをしたのですが、ムスメの強い意志により、同じ先生に教えて頂いています。県を超えて、毎週往復100キロ以上の道のりを親子でせっせと通うようになり、かれこれ3年以上がたちました。
先生自身、とても魅力的な方で、教育者としても本当に尊敬できる方です。ムスメにとって「先生に褒められる」というのも、大きな原動力なのでしょう。もっとも簡単に褒められるわけでなく、ほとんどがダメ出しですけれどね。
さて、クラシックを習っている方の多くが通るのが、ヨハン・セバスティアン・バッハです。1年ほど前から、彼女もバッハに突入。『インヴェンションとシンフォニア』にとりかかっています。
そして、これがなかなか難しい。
先生の「つまらない演奏はしないで」「曲の構造をもっと理解して」といったアドバイスに半べそをかきながら(時には号泣しつつ)やっています。が、やはり難しい。
悩ましいほど、難しい。できなくて、できない自分が悔しくて泣く。まあ、延々とダメなループに入り込んでいるような感じです。
悩むのも、悔しいのも、情けないのも、ぐちゃぐちゃした気持ちもよくわかるのですが、同時に代わってあげられないこともわかっています。だから、黙ってみているだけです。
でも、黙っているのもこれまた悩ましいものですね。
ただ、ムスメを5歳からみてくださっているピアノの先生も現状をよくご存じでいらして、ムスメの話を聞いてくれ、レッスン方法も少しずつアレンジしながら接してくださっています。とてもありがたいのです。
先生のご指導のおかげもあって、ピアノはやめたくない、ピアノは自分の自信になるから、といえるのも救いです。
■学校に行きたくない⁉
バッハに悩むムスメですが、新年度が始まって今度は学校の壁にぶつかりました。
先ほど書いたように、ムスメは想像と妄想と衝動で生きているような人で、おまけに屁理屈までブレンドされているわけです。
そういった側面のある人にはよくあるのかもしれないのですが、ムスメは集団があまり得意ではありません。というより、学校という組織があまり得意ではないのだと思います。
これも、よくわかるのです。わたしも「学校という組織」があまり得意なタイプではなかったので。とくに義務教育期間が微妙につらかった記憶があります。
それでも、昨年は担任の先生の配慮もあって、楽しんでいました。楽しめる時間もありました、というのが正しいのかも。
ところが、先生がかわってクラスメイトもかわって、なんだか楽しい時間が減ってしまった。これが、壁の理由ではないかと分析しています。
「まあ、いろいろあるよね」と、声をかけたところ「そうだよ、あるんだよ」というのだから、そうなのでしょう。あるよねぇ、子供だって。
それでも、本人は「学校がつまらない自分はオカシイのかも」と悩みますし、ひと時は「ああ、学校行きたくない」とも言って毎朝ため息をついていました。そうなると、今度は親もマイナスループです。
■ハハも悩む
わたしも一応、ハハオヤなので毎朝ため息とイライラとグズグズを抱えて「いやだ」とつぶやく娘を放置するわけにもいかず。かといって、先ほど書いたように代われるわけでもなく。もっというと、解決だってできません。
冷たく聞こえるかもしれませんが、わたしの人生ではないので、どうしようもない。本人が折り合いをつけなくてはどうしようもない。
ムスメと友達。
ムスメと先生。
ムスメと学校。
どの関係性においても、わたしは入っていません。だから、本当にどうしようもないのです。有効かと思われるアドバイスはしますし、一緒に考えることもしますが、出しゃばってアレコレすることはできませんよね。ひたすら聞くくらい。
ああ、これが傾聴というものだな、と実感する2か月でした。
振り回されまい、と考えるのですが、でも残念ながら振り回されてしまった2か月でもありました。それも、良い時間なのかもしれませんけれども。この先、どのくらい彼女とかかわれるかといったら、そうそう機会がなくなるだろうと思うのです。いつまでも子供じゃないでしょうし、手元に置いておきたいわけでもないので。むしろ、時が来たら離れてほしいです(これ、偽らざる本音です)。
■一生懸命は当たり前⁉
今回のムスメの問題に少なからず関係しているのが、先生や学校との関係です。
まだ、うまく関係を築けていないというのが、問題というか、なんというか。
ある晩、愚痴をこぼすムスメに話したのです。
「先生も一生懸命なんだと思うよ」と。
すると、ムスメがわたしをにらんで(文字どおりにらみました)一言。
「あのね、一生懸命なのは当たり前なの! 一生懸命なのは、ウリにならないから!」
一生懸命は当たり前。
ドキリ。
詳しく聞いてみると、「先生や大人は、わたしたち子どもにいつでも『一生懸命やりなさい』『がんばりなさい』というでしょ。だから、大人が一生懸命やるのは当たり前なの。先生は仕事なんだから、一生懸命やるのは当然なの。やって当たり前のことは、ウリにならないの」ということらしいです。
確かに、一生懸命やりなさい、と言いますよね、大人って。それも簡単に。
妙に納得してしまい、それ以上なにも言えなくなりました。
ちなみに、わたしたち夫婦は「学校へは行かなくてもいいだろう」と考えているので、ムスメには「行かなくもいいよ。自分で決めなさい」とだけ言っています。もし休むと決めた場合は、どんなふうに過ごすかを一緒に考えよう、とだけ話しています。
もっともいろいろな考え方があると思います。学校には行ったほうがいい、という考え方もあるでしょうし、安易に休んでいいのかと疑問を感じられる方もいるでしょう。それぞれです。あくまでも、我が家の場合(というより、ムスメの場合)です。
■休む理由がない?
そんな時間を過ごしていた日のこと。
朝、ムスメがわたしのもとにきて話してくれたのです。
「学校へ行くよ。あのね、休みたい理由はたくさんあるんだ。でも、休む理由は考えたけれどなかったの。理由がなくて休むのは、サボりだと思う。わたしはサボりたいわけじゃないから、だから学校に行くことにしたよ」
行きたくない理由はあるけれど、行かない理由はない。
以来、「行きたくない」と一言も言わずに、登校しています。もちろん、おもしろくない、という感覚は変わらないようですが。
今回、ムスメに教えてもらいました。
一生懸命は当たり前。
理由がなくてやらないのは、サボり。
ハハも停滞してはいられないなぁ、と思ったのでした。
■学校に疲れたときの「お決まりの一皿」
小学生のムスメでなくても、大人でも「気持ちが落ち込む」や「心がちょっと疲れてしまった」というようなときはあると思います。
そんなときにおすすめなのが、エビ。
エビはアレルギーを引き起こす食材でもあるので、人によってはおすすめできませんが、そうでなければ心や身体の調子をあげるのにぴったりの食材です。
今回もムスメにはそうとは言わず、エビをちょこちょこ料理していました。
彼女はエビやイカが大好きなので、嬉々として食べていました。わたしなりの食養生です。
◇なぜエビが気分上昇に効果があるのか?
そもそも気持ちを前向きにするのに、わたしたちの身体の「腎」と呼ばれる部分が大きな役割を果たします。あくまでも薬膳の世界の考え方です。
腎は子供においては、成長と深くかかわります。また、大人の場合、腎が健全にはたらかないと、老化のスピードが速まります。生殖機能とも関係があるとされます。だから、食べすぎは精力がつきすぎてよろしくない、ということも言われます。
かつて、中国では「独身者が食べてはいけない食材」ともされていました。そのくらいパワーのある食材なのです。
また、子供や大人といった年齢にかかわらず、腎は尿の排泄とも深い関係があります。身体の外に余分な水分を排出する役割をはたす腎が機能していないと、浮腫みが生じます。
さらに、先ほど書いたように精神や肉体が充実していることや、その良い状態を維持するのに、腎が健全でないといけません。
腎にはたらきかける五味のひとつが「鹹」です。
これはエビをはじめ、海藻や貝、塩や味噌、ゴマなどが持つ性質です。
お手軽に腎を元気にしようと思うなら、ごはんにゴマ塩をささっと振りかけて食べるのもおすすめです。ゴマも塩も鹹味の食材ですから。
さらに腎が弱い人の特徴として、冷えやすいというものがあります。これは、腎がスムーズにはたらかないことによって、水が身体にとどまりやすいからだ、と考えられます。
だから、腎をサポートする鹹の性質ものと同時に、身体を温める香辛料などを一緒に食べるとより一層効果的です。
◇ゆるベジらく膳料理的 エビの栄養①
エビは先ほど書いたように「鹹」の性質を持つ食材です。また、温の性質も持っています。
温は身体を温める性質がある、とも言い換えることができます。さらにいうと、とくに足腰の冷えを解消するのに力を発揮するとされています。
血行を促進する力もあるので、顔色をよくする効果も期待できます。
なんとなく怠いというようなときにもおすすめです。
先ほど、腎の強化には冷え対策も同時に行うとよい、と書きました。
腎が元気がないときには冷えやすい人が多いので、香辛料を一緒にとると冷え対策に有効です。
その点、エビのレシピとして有名な「エビチリ」は腎を健全にしつつ、冷えを解消するメニューとしておすすめです。エビチリを召し上がってみてくださいね。
◇ゆるベジらく膳料理的 エビの栄養②
エビは現代栄養学の観点からいってもとてもすぐれています。
まず、タウリン!
栄養ドリンクにも「タウリン〇mg配合」と書かれていることが多いので、皆さんにも効いたことがあるかもしれません。いわゆる疲労回復成分です。
さらに血液を生み出し、血行を促進するという核酸もたっぷり含まれています。
赤い色の素は、「アスタキサンチン」と呼ばれる成分なのですが、これもすごい! これは抵抗力アップの成分でもあるので、身体が弱っているときに取り入れたい成分です。
■弱ること、疲れることは悪くない⁉
身体の弱りと心の弱り。無関係ではないと、わたしは考えています。
そして、弱ること自体は悪くないと思っています。そんなときに休めるようなら休んだらいいし、食養生で元気になれるならそれもヨシッ! と、考えています。
もっともこれはあくまでもわたし個人の考えです。お医者さまや専門家だと、また違う意見があるかもしれません。
ここ数日、ようやく浮上し始めたムスメですが、彼女にいろいろと教えられました。わたしもボーっとしていられません。
皆さんはいかがですか? 元気が出ないなぁというときに、今日書いたお話が皆さんのヒントになれば嬉しく思います。
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