日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「レタス」です。
Contents
■レタスは地味な野菜?
レタスと聞いて、どんなことを思い出しますか?
これまでレッスンにご参加くださった方々に質問してみたところ
「サラダ」
「栄養があまりない」
「ひと玉食べきれない」
「脇役って感じです」
という答えが返ってきました。
なるほど、なるほど。
どうやらかなり地味なようです。
たしかに添え物的イメージが強い野菜だとは思うのですが、それだけで終わってしまってはもったいないです。
そこで、レタスの魅力をもう少し皆さんに感じていただけるように書いてみます。ご覧ください。
■レタスはどこからやってきた?
レタスは地中海沿岸から西アジアが原産です。
その後、品種改良を繰り返して今のように品種が増えました。
ところで、わたしのブログでは「野菜の原産地」について書くことが多いです。
なぜなら、原産地を知ることで、その野菜がもっとも好む環境がわかるからです。もともと自生していた土地の環境をととのえることは、栽培上スムーズであることはもちろんですが、保存する際のヒントがいっぱい隠されているのです。
好む環境をととのえてあげることで、野菜は元気よくいられます。
野菜の元気=鮮度
そのため、ベジ楽のレッスンでは野菜の原産地についてもお話をすることが多いです。せっかく購入した野菜はなるべく美味しくいただきましょう。
では、レタスの保存についてもう少し詳しくご紹介します。
◇レタスの美味しい保存法
レタスは先ほど書いたように、地中海沿岸や西アジアなので乾燥が好き!
そのため、レタスの葉についてしずく等は傷みの原因になります。水気をとりのぞいてビニール袋(できれば野菜用の保存袋)に入れましょう。
ただし、他の葉物同様に株元から水分を吸い上げられないとしなびてしまいます。そこで、根のところ(葉の付け根の部分)をくりぬいて、湿らせたキッチンペーパーを詰めておくといいですよ。
とはいえ、あまり日持ちがする野菜というわけではないので、購入したら(収穫したら?)早めに召し上がってください。
◇レタスの歴史も少しだけ
野菜マニアのブログなので、レタスの歴史についても触れておきます。
レタスはサラダに使う野菜というイメージが強いこともあり、比較的最近の野菜と思われがちですが、日本にはすでに10世紀には伝来していたと言われています。10世紀といえば、日本は平安時代。
菅原道真が太宰府へ左遷されたのが901年(10世紀のはじまり)。その後、藤原氏が力を誇っていた時代と重なります。
このように考えるとレタスがいかに古いかおわかりいただけると思います。
古くは、「チシャ」と呼ばれていましたので、レタスという名称では広まってはいませんでした。レタスとして広く認知されるようになったのは、今のように日本人がサラダを食べるようになってからです。1960年代になってから、だと考えられます。
ところで、レタスを「チシャ」と呼んでいたことについては、先ほど触れたとおりです。
チシャは「乳草」がなまったもの、と考えられます。
また、レタスの語源そのものがラテン語の「乳」からきています。
言葉は違えども、どちらも「乳」がキーワードになっているのには理由があります。それは、レタスの葉を切った際に滲む白い液体に由来しています。
白い液体は、サポニン様物質です。このサポニン様物質には、食欲を増進して肝臓や腎臓が健全にはたらくことをサポートする力があります。そして同時にラクツカリウムが含まれているのですが、この成分には鎮静や睡眠を促します。
さらに、レタスの持つ栄養について考えていきましょう。
■レタスは栄養がない⁉
レッスンにご参加くださる方とお話をしていて気付いたのですが、皆さんあまりレタスの栄養については期待していないのです。
たとえば同じ葉物の場合、ホウレンソウなら栄養を期待するのに、レタスは「まあ、あれば食べますけれど、とくに栄養はね」という感じです。そんなことはおっしゃらないで下さい!
レタスにもちゃんと栄養が含まれていますよ。
◇ゆるベジらく膳料理的 レタスの栄養①
薬膳でいうと、レタスは「涼・苦」に分類されます。
涼は身体を冷ますはたらきがあります。身体の余分な熱を取り除くので、ほてりを感じているときなどにおすすめです。
また、炎症を抑えて喉をうるおしてくれます。しかも、ただうるおすだけではありません。うるおしつつ、余分な水分を尿として排出するのをサポートします。浮腫みが気になる方にも嬉しい力を持っています。
さらに、苦の性質にも注目してみましょう。
苦の性質を持つ食べ物には、水分代謝をスムーズにする力があります。余分な水分だけではありません。血行もよくするなど、いわゆる「めぐり」をプラスする力があります。
さらに精神を安定させるのに力を発揮します。
レタスはこれらのふたつの性質から考えても、水のめぐり、血液のめぐりにプラスであることがわかります。
◇ゆるベジらく膳料理的 レタスの栄養②
現代栄養学の観点からいうと、レタスの多くを占めているのが水分です。
全体の実に95%が水分です。
さらに、水分以外の栄養で言うと、ビタミンCやビタミンE、カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛などが含まれています。
ビタミンCは美肌に繋がる栄養分です。また、美白にも通じます。
ビタミンEは、脂溶性ビタミンのひとつ。油に溶ける性質があるので、油と一緒に調理するといいのです。
たとえばレタスを食べる際にドレッシングを使うことを想像してください。ほとんどのドレッシングには油が使われていますよね。それはレタスの栄養面からいっても優れた組み合わせです。
また、このビタミンEは「抗酸化作用成分」でもあります。女性にとっては「アンチエイジング効果」と呼んだほうがピピピッとくるかもしれません。そう、レタスにはそういった力もあるのです。嬉しいですね。
というより、むしろ「食べない理由がない」ようにも感じます。如何ですか?
■レタスの品種は多彩です
実は、ひと口にレタスといっても、その品種は多種多様。地域差もあります。
一般的なものは、「玉レタス」と呼ばれる結球しているタイプですね。
ほかにはサラダでよく見かけるのは「サニーレタス」。葉が縮れていて葉先が紫色をしているもの。
さらに「プリーツレタス」。名前のとおり葉がプリーツがよったように縮れていて、葉が全体に緑色のもの。
「コスレタス」と呼ばれるものは、半結球型。葉がまっすぐ上に向かって伸びた形をしています。
変わったところだと茎を食べる「ステムレタス」というものもあります。これは茎が長く伸びていて、その茎を食べるというもの。
■レタスはサラダだけ?
サラダだけではもったいない!
炒めても美味しくいただけます。というより、油でいためることでカサが減ってたくさん食べられるようなります。さら、先ほど書いたように油と一緒でればカロテンの吸収利があがるので、さらに嬉しいですね。
このように加熱して食べる場合、短時間でサッとがコツ。
長くじっくり加熱してしまうと、レタス特有のシャキシャキ感が失われやすいのです。火を止める直前に入れるか、もしくは火を止めてから入れてサッとひと混ぜして終わり、くらいでちょうどよいです。
さて、サラダにする場合で考えてみましょう。生で食べる場合、とも言い換えられます。
サラダの場合、レタスの葉を細かくしたいときもあるでしょう。そのようなときでも包丁は使わずに、手で細かくすることをお勧めします。
なぜなら、包丁に含まれる鉄分は、空気に触れると褐変します。レタスを包丁で細かくすると、少なからず鉄が切り口につくので、そこから褐変呼ばれる変色をおこしてしまうからです。もちろん、すぐに食べてしまえば問題はありません。
たとえば…サラダ用のレタスをカットした後、順番に帰宅するご家族のためにそれぞれのお皿に入れてラップをかけて冷蔵庫へ入れておくような場合。夕方調理して(切って)、食べるのが仕事を終えて帰宅した9時頃になってしまうなら、包丁は避けたほうが無難です。さあ、食べようと思った際にレタスの端が茶色になってしまっていたら…食べる方も、造った方も残念に感じてしまいます。それは避けたいですよね。
褐変を避けるには酢をかけておくと問題はありません。
脇役で終わってしまうには惜しい実力の野菜です。ぜひ舞台中央ならぬ、食卓の中央で大いに目立たせてください。
さて、ベジ楽ではレッスンのたびにこのような「野菜にまつわるマニアックトーク」を展開しています。
ベジオタクである林にぜひ会いに来てください。わたしにとっては、「野菜に興味がある」という方にお目にかかれることは喜びです。
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