日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「夏バテ」です。わたし自身、夏バテから体調不良のマイナスループに陥った経験があります。本当に元気になるまで、数年を要しました。今日は、そんな黒歴史(?)もオープンです。
Contents
■夏に起きること
梅雨が明けた地域もありますが、梅雨真っ最中のところもまだまだあります。
豪雨のニュースには胸を痛めています。皆さんのお住まいの地域はいかがでしょうか。
ご無事でありますように。そして、被害が少しでも小さく済みますように。
昨今、自然災害のニュースを耳にするたびに、人間は無力だなぁと感じます。でも、そこから立ち直る人々の強さや美しさを知ると、人間はすごいなぁとも感じます。
さて、梅雨が明けると本格的な夏が始まります。今年も去年ほどではないとは言われていますが、きっと暑いでしょう。
目まぐるしく変化する気温や湿度に対応している人間の身体もやはりすごいなぁ、と感じています。
そして、そんなわたしたちの身体を支える食べ物もまた、すごいのだと実感しています。
◇薬膳で考える「夏の変化」
薬膳では、夏になると(暑くなると)「心」に負担がかかる、と考えます。ここでいう「心」とは、「こころ」ではなく「しん」と読みます。
心(しん)は、西洋医学でいうところの心臓とイコールではありません。
心は、循環器や精神活動を司るもの、というように大きくとらえます。とくに血液の循環を司っており、血液をつうじで身体全体を滋養するもの、と考えます。血液循環に深いかかわりがある、という発想そのものは心臓に対するものと似ていますね。
精神活動に関していうと、心は思考力や睡眠を司っています。心が健全にはたらくことで、わたしたちは考える力を保ち、ぐっすり眠れるというわけですね。
さらに、「脾(ひ)」にも負担がかかるのが夏です。
脾は、消化吸収を司ると考えられています。一般に多くの人は「ひ」という音を聞くと「脾臓」を思い浮かべるようですが、それとは少し異なります。薬膳でいう脾は消化吸収全般に関するもの、と考えてください。
さらに脾は水分の吸収や排泄とも深いかかわりがある、と考えます。
脾に負担がかかると、消化吸収能力が落ちます。さらに、水分代謝もスムーズでなくなることから、浮腫みや渇きを感じるようになります。
薬膳でいうと、夏場はとくに「心」と「脾」を意識してケアする必要があるのです。
■わたしたちの身体はがんばっています
現代栄養学の観点から、夏に起きることを考えてみましょう。
夏は暑いので、わたしたちの身体は汗をかくことで体温調整をしようとします。しかし、汗をかくことで、血液中の水分やミネラルも身体の外へ流出してしまいます。すると、わたしたちの血液は濃度が高くなり、いわゆるサラサラからドロドロの状態へと変わります。
汗をかくことで体感的に涼しさを得られますが、一方でドロドロと流れにくくなった血液を心がせっせと送り出さなくてはならなくなります。しかも、心は動いている時だけでなく、眠っている間も常に動き続けています。人間は眠っている間も汗をかくので、心はますますがんばらざるを得ない状況になっていきます。
■夏に増えるのは…?
薬膳の考え方からいっても、現代栄養学の視点から考えても、夏のキーワードは「汗」「血液循環」「胃腸」だと感じて頂けると思います。
夏には、動悸、息切れ、不眠、食欲不振が増えることも納得です。しかも、すべてが関係しあっているので、一度マイナスループにはまるとなかなか抜け出せない方も少なくありません。
■夏バテってなんですか?
そもそも夏バテとはなにか、ということになります。
実は、夏バテという名前の病気はありません。医学用語でもありません。
暑さが原因で陥る「未病」の状態を夏バテ、というのだとわたし自身は理解しています。
では未病とはなにか? と思われますね。
未病は薬膳の用語であり、考え方です。病気ではないけれど、不調を感じる状態です。ざっくり言ってしまえば、「なんとなく調子悪い」感じです。
先ほどから書いている、夏に起きる不調の諸々をまとめて「夏バテ」。ただ、この夏バテもひどくなると本当の病気になってしまいます。
しかも、いろいろな要素がからみあって不調のスパイラルに陥るので、もっともよい方法がそもそも不調にならない、ということになります。
■ゆるベジらく膳料理的 夏バテ予防方法
わたしは、夏バテを予防するために大切なのが「食べる」だと考えています。
実は、10代のころ、ひどい夏バテに陥ったことがあります。最初は食べられない、から始まりました。冷房による冷えも不調を加速していたと今ではわかります。しかし、当時はわからなかったので、「暑いからだな」と冷たい飲み物をガブガブ(無知っておそろしい)。眠れないことをいいことに、せっせと受験勉強。寝不足も手伝っていつもフラフラ。
体重も見る間に減少しました。しかも、最初は「痩せてラッキー」なんてのんきに構えていました。
当然、心配した両親には「食べない」「寝なさい」と言われていましたが、10代のちょっとした反骨精神も手伝って「大丈夫」「病気じゃないもん」と我が道を進み続けました。
結果的に、身長156cmで体重は30キロ代(しかも限りなく30キロに近い)。生理もとまり、駅の階段をあがるだけで激しく息切れ。そして貧血。駅のベンチでぐったりしたことも。最終的には急性腎不全にまでなり、常にフラフラした身体で過ごしていました。
結局、本当の意味で健康を取り戻すのに、数年を費やしました。わたしが「健康」や「食べる」にこだわるのは、この経験があるからです。
わたしの不調は「食べられない」から始まりました。
逆にいえば「食べる」を怠らなければ、マイナスループはかなり防げます。食べ物を受け入れられる状態に自分をキープしましょう。
わたしは、あの17歳の夏を思い出すだけで、ぞっとします。
食べられない=不調の入り口
食べられない=病気の入り口
必ずしもそうではないのかもしれない、と少し(?)大人になったので考えなくもないのですが、食べられないことに対する恐怖がとても大きいのです。
ただ、夏になると暑さが原因で、「食べられい」から始めるマイナスループに陥りやすいのも事実です。だからこそ、食べられる状態をつくることの大切さをお伝えしたいのです。
■夏におすすめの野菜や食材
夏はやはり、暑い分、余分な熱が身体にこもりやすいです。
そのため、熱を取り除く野菜がおすすめです。
五味でいう「涼」や「寒」に分類されるものですね。
キュウリ、冬瓜、スイカ、ゴーヤ(苦瓜)、オクラ、トマト、ナス、モロヘイヤ、レタス、メロン…これらはすべて涼か寒に分類できます。
ただ、脾が弱っている季節(消化吸収力が落ちている季節)には脾(具体的には胃腸)を冷やし過ぎるのもマイナスです。そこで、おすすめなのが「辛」や「温」「熱」に分類される野菜です。これらを適宜ミックスしてバランスの良い食卓づくりをしてみてください。
具体的には、ショウガ、ニンニク、紫蘇、トウガラシ、ラッキョウなどがあげられます。どれもスタミナ料理と呼ばれるものに使われていますよね。
これらを上手に味方につけてください。
それから、食欲を落とさないためには「香り」も大切だと、わたしは考えています。
ちょっと直欲が落ちていても、香りのあるものは意外とスムーズに食べられますよね。紫蘇やバジルなど、鼻を刺激することで食欲も刺激されます。
香りもうまく味方につけてみてください。
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