日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「紫蘇」です。

Contents
■紫蘇はどんな野菜ですか?
紫蘇は葉っぱです。
と、書いてしまったらおしまいになっていますのですが、葉を食べる野菜です。
実も食べますが(穂紫蘇といいます)、一般的に家庭で食べられているのは葉でしょう。
枝に関して言えば、香りはありますが、ちょっと硬いので、食用には不向きだとわたしは思っています。
紫蘇の原産は、中国からチベット、ミャンマーにかけてのエリアだと言われています。書籍のなかには「中国原産」と記載されているものもあります。
その歴史はとても古く、中国の三国時代の言い伝えとして、すでに紫蘇にまつわる話が残されています。
『蟹を食べすぎ、一人の少年が腹痛(食中毒)をおこし苦しんでいた(亡くなった)。そこで、紫蘇の葉を煎じて飲ませたところ、復活した(生き返った)。』
※( )の中の言葉で残されている言い伝えもあります。
さらに、この物語が紫蘇の名前の由来だという説も。
人を「蘇生」させる「紫色」の葉。
これが、紫蘇の名前に繋がっている、というのです。なるほど。
この物語(言い伝え)からも、紫蘇がなにやらパワフルな野菜であることは伺えます。実際に、紫蘇はとてもパワーのある野菜です。そんな紫蘇の魅力をもう少し掘り下げていきます。
■赤紫蘇と青じそは同じ? 大葉やエゴマは?
「紫蘇(しそ)」という名称を耳にした際に、皆さんはどんな色の野菜を思い浮かべますか?
紫色? 緑色?
これらは同じ野菜でしょうか? 表が緑で裏が紫? それとも果物のように熟すと色が緑から紫に変わる??
◇紫色のもの
紫のものは「赤紫蘇」です。
梅干しづくりに使われることでも知られています。梅干しで使った赤紫蘇を乾燥させて、細かくしたものはごはんのお供にぴったりです。ふりかけとしてもいいのですが、おむすびに混ぜ込んでも美味しいですね。
わたしが、昨日こちらの記事でアップした「紫蘇ジュース」の原料としても知られています。なお、作り方は動画にまとめているので、よかったらご覧ください。再度、こちらにもあげておきます。
◇緑色のもの
緑色のものは「青じそ」または「大葉」です。青じそと大葉はイコールで、同じものを指します。
青じそは、刻んで薬味として食べたり、てんぷらの材料にしたりします。とても香りがよいので、ベジ楽のレッスンにご参加くださる方にも「好きです」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
爽やかな香りの正体は、ペリラアルデヒド(シソアルデヒド)と呼ばれる成分です。名称はともあれ(覚えなくてもいいでしょう)、うっとりするような香りはストレスやイライラを緩和する効果があるとされます。また、この香りは殺菌作用があることでも知られています。刺身等に添えられるも、この殺菌作用によるものです。魚特有の臭いを抑える香しさは、殺菌作用云々という理由もそうですが、単純に美味しく食べるためのエッセンスになりますね。
ただし、この香りは揮発しやすいのが特徴です。加熱すると香りが飛んでしまうので、生で食べたほうが香りを楽しめます。
ところで、「紫蘇」の漢字から想像できるように、もともと「紫蘇=紫色のもの」でした。だから皆さんのいうところの赤紫蘇を指していたといわれています。
それが、いつの間にか「赤紫蘇」と呼ばれるようになり、緑色のものが「青じそ」や「大葉」と呼ばれるようになりました。
◇エゴマ(荏胡麻)
エゴマ(荏胡麻)については、また別の野菜になります。紫蘇の変種です。
韓国料理店ではおなじみの食材です。焼肉などと一緒に食べるのですが、なかには「紫蘇じゃないの?」という方もいるくらい外見はとてもよく似ています。実は、エゴマと紫蘇はとても近い野菜です(親戚のようなもの)。だから、お互いに近くに植えられていると簡単に交雑してしまいます。
交雑とは、交配のことです。異なった生物同士が受精させることで生まれるもの。かけあわせ、とも呼びます。また、交雑(交配)によって生まれた生物を「交雑種(交配種)」といいます。
余談ですが、わたしはエゴマのキムチが大好物です。美味しいですよ。おすすめです!
■ゆるベジらく膳料理的 紫蘇の栄養①
薬膳では、赤紫蘇も青じそもすべて「紫蘇」として考えます。
紫蘇は「温・辛」に分類されます。
温は身体を温める働きがあります。とくに冷房等によって冷えに身体が傾いている「隠れ冷え性さん」の場合、温の性質をぜひ味方につけてください。温めることによって、胃腸は活発にはたらけるようになります(脾や胃は、温かい状態が大好きです)。胃腸がしっかりはたらくことで、消化吸収が促されます。そして、最終的に体力アップへと繋がります。
うーん、すばらしいプラススパイラス!!
辛は、気のめぐりをよくしてくれる力があります。気は「命のパワー」や「ポジティブな気持ち」のように考えてください。気がしっかりめぐっている方は、朝から元気よく動ける人、という印象を与えます。
そして同時に血行をよくするので、冷えの解消にも役立ちます。血がしっかりと身体の隅々まで流れることで手足までポカポカ過ごせます。
発汗を促すのも、辛の性質のひとつです。
また、中国では紫蘇の葉は「蘇葉(そよう)」という名の生薬です。実は「蘇子(そし)」と呼ばれ、これもまた生薬のひとつです。
■美味しい紫蘇の選び方
赤紫蘇であっても、青じそであっても、基本的に選び方は葉物の野菜と同じです。
葉先までピンとしていて、葉や葉柄に傷がないものを選びましょう。また、購入したら、葉柄の部分を湿らせたキッチンペーパーで多い、さらにビニール袋に入れておくといいですよ。
ただ、わたしが一番おすすめしたいのは、自分で栽培すること。
実は紫蘇はかなりたくましい植物です。畑がなくても、プランターや植木鉢で十分育ちます。しかも、特別な手入れをしなくても、病気等にかかることもほぼありません。
紫蘇は1年草なので、種ができて自然と枯れてしまいます。が、しかし。その種を使ってまた翌年に芽が出て葉を楽しむことができます。一度まけば数年楽しめるなんて、すごいことです。ぜひ、ご自身でも栽培してみてください。
■紫蘇が美味しい時季は?
赤紫蘇は、6月から7月にかけてが旬です。まさに今!
ぜひ、食べてくださいね。本当に赤紫蘇ジュースはおいしいので、おすすめです。
(しつこいようですが、自分の好きなものはついついプッシュしてしまいます!)
スーパー等へ行けばほぼ1年中出回っている青じそですが、旬はちゃんとあります。
青じその旬は、7~10月にかけて。これまた今が美味しい季節です。
ぜひたっぷり召し上がってくださいね。
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