日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「香りを食べる 香味野菜」です。
Contents
■香味野菜ってなんでしょう?
「香味野菜」という言葉を聞いたことがありますか?
似たような意味で使われる言葉に「薬味」があります。
香味野菜とは、特定の野菜を指す言葉ではありません。料理に使うことで、独特の香りや風味をプラスする野菜全般をまとめて呼んでいます。
香りや風味をプラスする=脇役
このような脇役の印象がとても強い香味野菜ですが、実は「影の主役」! と、わたしは強く感じています。
ほんとに、影の主役というか、料理を下から支える屋台骨のような存在です。
■なぜ香味野菜が「影の主役」なの?
香りと風味は、料理においてとても大切です。
食べる前のテンションをあげ、なおかつ後味を左右するからです。食事の入り口と出口を決める、といっても過言ではありません。
体調を左右する存在であることも、見逃せません。
このように書くと、多くの方が「?」と首を傾げると思います。
そもそも香味野菜のように「チョロッと入れるだけ」なのに体調を左右するとは、どういうこと?? というのが、本音でしょう。
わかります! わたしもずっとそう思っていました。
香味野菜を少し入れるだけで、料理がぐっと変わるので「あったら美味しい」とは思っていましたが、その理由や効果について深く考えたことがなかったのです。
しかし、別の考え方をしたら納得できると思うのです。
チョロッと入れるだけで料理の仕上がりを左右する=少量でもパワーがある
なるほど、と思われませんか? わたしは大いに納得したのです。
実際に香味野菜がわたしたちの身体にどうはたらきかけるか、について説明する前に具体的にどんな野菜を香味野菜と呼ぶのか、というところから書きましょう。
■香味野菜の正体
香りや風味をつける野菜です。
具体的にあげると、
- ショウガ
- ミョウガ
- 青じそ
- ニンニク
- セロリ
- 三つ葉
たしかに、香りも独特のものが多く、料理の主役ではないまでも主役級に存在感のあるものが多いですね。
◇薬味と香味野菜はどう違うの?
ここまで説明してくると、多くの方の頭に浮かぶ疑問が、「薬味と香味野菜ってどう違うの?」ということでしょう。
実は、香味野菜と薬味に厳密な区別や定義はないのです。
指導される方や本によって微妙に区分が違います。それらを総合してざっくりと分けると、
- 香味野菜…料理に添えて香りと風味、彩りをプラスするもの。野菜を指す。
- 薬味…料理の仕上げに添えて香りや風味、彩りをプラスするもの。野菜だけでなく、柚子などの柑橘類、トウガラシなどの香辛料、ハーブ類を指す。
といった感じです。つまり、
香味野菜は文字どおり「野菜」。
薬味は、添える行為をメインに考えて「野菜」「果物」「ハーブ」まで幅広くふくむ。
とはいえ、トウガラシは香辛料でもありますが、果菜類のひとつでもあるので、野菜にも区分できます。ショウガやニンニクも香辛料と区分している本もありますし、日本のハーブと記載されていることもあります。
あいまいで、ゆる~い区別しかありません。
わたし自身は、「香りの野菜は香味野菜」「料理の仕上げにつかうものは薬味」というかなり大ざっぱな括りで分けています。そんなにテキトーなの⁉ と言われそうですが、テキトーです。ルールが少ないのもゆるベジらく膳ですから。
■香味野菜はどうすごいの?
先ほど挙げた香味野菜を薬膳で分類すると、下の表のようになります。
これらの多くが、基本的に身体を温める力があることに気づかれるでしょうか。それも、食べることによって内側から温めます。
ショウガ |
温/辛 |
ミョウガ |
寒/苦甘 |
青じそ |
温/辛 |
ニンニク |
熱/辛 |
セロリ |
涼/苦甘 |
パセリ |
温/辛 |
夏は冷たい飲み物や食べ物、冷房によって身体の内側が冷えている人が少なからずいらっしゃいます。そのようなときに、内側からじわじわと身体を温める力がある野菜は、とてもうれしい存在です。
反対にセロリやミョウガは、身体をクールダウンしてくれる野菜です。
屋外で過ごした日に限らず、熱がじわじわと体内にこもっているとき。女性の場合、更年期のほてりなども該当しますが、熱がこもって辛いときには寒や涼の性質がやさしく身体にはたらきかけます。
身体が冷えに傾いたときであっても、熱をうまく輩出できないときであっても、共通しているのは食欲が落ちやすいということ。
そのようなときに清涼感のある爽やかな香りは、胃腸を刺激し「食べたい」という気持ちにさせてくれます。
そう、この「食欲を刺激する」ということ自体が、香味野菜が持つ最大の魅力です。
以前、こちらのブログでも書いたことがあるのですが、体調をくずすきっかけに「食欲が落ちる」というのがあります。
わたし自身の苦い経験から感じることですが、食べられるうちは結構人間元気です。なんとかなる。
しかし、食べられないとなると事情がちょっと変わってきます。
香りが「食べるスイッチ」を入れてくれるなら、大いに利用して欲しいと思います。実際にわたしは「なんかちょっと食べたくない」というようなときにも利用しています。かなり効果的ですよ。
■まだまだある香味野菜の力
香りによって食欲を刺激するだけでなく、香味野菜には殺菌作用があるものがたくさんあります。
折しも、梅雨から夏にかけては食中毒のリスクがあがります。そのようなときに、香味野菜がもつ殺菌作用は有効です。
先ほどあげた香味野菜は、肉や魚と組み合わせることが多いことに気づかれる方もいるかもしれません。動物性タンパク質に対する殺菌作用を利用しているとともに、独特の臭いを抑える力もあります。
■香味野菜を食べたいときのおすすめメニュー
香味野菜だけを食べるためのメニューです。
わたしの夏の定番ランチメニューでもあります。香味野菜以外にも使いますが、あくまでも主役は香味野菜です。
ショウガ、ミョウガ、青じそ、パクチー、パセリ、オクラ、モロヘイヤ、ツルムラサキ、納豆、たくあん漬け、塩昆布、削り節、ゴマ、ちりめんじゃこ
これらを適宜刻んでボウルでワチャチャチャ~ッと混ぜます。
味をみて塩気が足りないときにはしょうゆをプラスして、混ぜます。
これを冷やしうどんやごはんにたっぷりのせていただきます。もうちょっと食べられそうなときは、さらにこれに豆腐や枝豆をプラスします。そして、やっぱりワチャチャチャ~ッと混ぜて食べます。
これを食べたときに、わたしは個人的にいつも思うのです。
「これだけ食べられたから、大丈夫! 元気元気」と。文字にするととても単純でばかばかしく見えるかもしれませんが、なんとかなる、と思えるわたしの夏のメニューです。
さて、ベジ楽ではブログに書かれいるような野菜や食材に関するマニアな話を毎週火曜日に配信しています。2019年7月現在、お友達登録をしてくださった方全員に「ミニ体質診断チェックシート」をプレゼントしています。診断結果をトーク機能からお教えください。結果に基づいて、おすすめの野菜や食材についてさらに詳しい情報を動画にて無料でプレゼントしています。
