日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「ゴーヤ」です。

Contents
■ゴーヤ? 苦瓜? 本当はなに?
恐竜のようなゴツゴツしたボディが特徴的なゴーヤ。皆さんは、なんと呼んでいるでしょうか?
ゴーヤー?
ツルレイシ?
苦瓜?
どれも、正解です!
ゴーヤとも、ゴーヤーとも、ツルレイシとも、苦瓜とも呼びます。
すべて同じ「恐竜ボディ野菜」を指します。おもしろいですね。地域によっても違うようです。「ようです」と書いたのは、必ずしもそうではないからです。
ここでは「ゴーヤ」と呼びます。
ゴーヤはもともと熱帯アジアを原産とした野菜です。だから、暑い場所が大好き。
日本では沖縄野菜として知られています。
沖縄以外では、宮崎県や鹿児島県でも栽培が盛んです。群馬県もゴーヤの産地です。と、いうと多くの方が「群馬⁉」と驚かれます。
温かいところが好きで、ツル性です。ツルを伸ばしてグングン伸びます。
この性質を生かして、窓辺にネットを張り、ツルを絡ませて成長させることもあります。これを「緑のカーテン」と呼んでいます。ゴーヤを収穫できて楽しい、ということもありますが、室内の温度の上昇を防ぐという意味でも学校や官公庁の建物でも採用されています。
福岡市でも市役所で取り組んでいます。皆さんのお住まいの地域ではいかがでしょうか?
どんな呼び方をしていても、ゴーヤのゴツゴツとした感じと苦味に違いはなく、苦みを美味しく楽しんでいただけたらな、と思っています。
余談ですが、この緑のカーテン。わたしも挑戦したことがあります。そして、皆さんの想像どおり、見事に失敗しました。やはりわたしは育てるではなく、食べる専門でいこう、と思った次第。
しかし、実際に緑のカーテンに成功したお宅を訪問したことがあるのですが、室内から窓を見ても涼しげで、実際の体感温度も涼しく、「いいなぁ」と感じました(いいな、と思ったから挑戦したのですけれども)。今年の夏は間に合いませんが、来年ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか? ちなみに、種をまくのは地域にもよりますが、5月頃がおすすめです。
なぜなら、ゴーヤの発芽には25~30℃が最適だからです。この発芽の条件は野菜によってまったく異なるのですが、野菜の植物としての好みがわかっておもしろいですよ。25~30℃と比較的高い温度で発芽するゴーヤは、それだけで「暑さに強い野菜なのだな」ということがわかります。
■苦いから美味しい⁉ 苦味を抑えるコツはある?
ゴーヤを苦手とする方に「なぜ苦手なのですか?」と質問すると、90%以上の確率で「苦いから」とこたえられます。
「苦い」はゴーヤの魅力でもあるのですが、苦手の理由にでもある、ということですね。
苦味は魅力ではありますが、苦手な方の場合はその苦味を抑えるといいですよ。
その方法ですが、水にさらす!
ゴーヤは果皮と呼ばれる緑色の部分に苦み成分が含まれているので、切った後にゴーヤを水にさらしてみてください(わたもスプーンでかきだしてくださいね)。
さらにマイルドにしたい方は、塩もみがおすすめ。もっともっとマイルドにしたい方は熱湯をかけたり、さっとゆでたりするといいですよ。さらに油や砂糖と組み合わせて調理すると苦味をマイルドに感じるようになります。
せっかくだから、ご自身の食べやすいところで楽しんでいただけたらな、と思います。
なぜなら、ゴーヤは身体に嬉しいことがたくさん詰まった野菜だから、です。というわけで、続いてはゴーヤの栄養についてもご紹介します。
■ゆるベジらく膳料理的 ゴーヤの栄養①
なお、中国語でもゴーヤは「苦瓜」と書きます。別の呼び方では「涼瓜」とも書きます。
この文字からもわかるように、中国ではゴーヤは身体を冷やすと考えます。
中国から入ってきた考え方をベースにしている薬膳でも同じようとらえ、ゴーヤを「寒・苦」に分類します。
寒は、そのまま「身体を冷やす性質」があることを意味します。ちょうどゴーヤが出回るのが夏真っ盛り。余分な熱が身体にこもりやすい頃でもあるので、クールダウン効果の高いゴーヤは嬉しいですね。
もっとも身体を冷やす過ぎるのはNGです。
苦は、デトックスの力があることを意味します。と、同時に身体のなかの余分な水を排出する力もあるので、浮腫みやすい人には嬉しい役割をはたします。さらに、余分な熱も取り除くので、夏の暑さに対応できますね。
さらにゴーヤは夏に弱りやすいとされる「心」を助けてくれます。
心はおもに全身に血がめぐらせて、滋養するのに役立ちます。また、思考力をキープするのに、心は健全でないといけません。とても大切!
■ゆるベジらく膳料理的 ゴーヤの栄養②
現代栄養学の視点から見てみましょう。
とくに注目したいのは、苦味とビタミンC!
ゴーヤの特徴である苦味は、モモルデシンと呼ばれる成分です。
このモモルデシンは、胃液の分泌を促して消化を促進します。さらに、血中コレステロール値や血糖値を下げることができる、と研究の結果わかっています。このはたらきは、いってもればインスリンと同じ。まさに、食べる薬ともいえるのがゴーヤです。
ビタミンCは一般的に熱や水に弱いとされている栄養素です。しかし、ゴーヤのビタミンCは熱に強いのが特徴で、炒めたり揚げたりしても損なわれる心配がありません。加熱がOKなら、調理の幅がさらに広がります。
ほかにもカリウムやカルシウムなども期待できます。
■美味しいゴーヤの見分け方
◇色でチェックして選ぶ
恐竜のような凸凹に傷がないものがおすすめです。凸凹部分が黒ずんでいたり、傷があるものは避けましょう。
もともとゴーヤは未熟な状態で食べる野菜です。緑色のものは、未熟。これが完熟近づくと黄色っぽく変わっていきます。植物としては自然ななりゆきなのですが、野菜として食べるには黄色のものは不向きです。
ただし、種の周辺については例外です。完熟していくにつれて、種はしっかりしてくるのですが、わたの部分が真っ赤なゼリー状に変化していきます。このゼリー部分、色がハッキリしているので味方によってはグロテスクなのですが、とても甘くて美味しいのです。甘いものが貴重だったころには、デザートとして楽しまれていたことも。機会があればぜひ召し上がってみてください。
ゴーヤ本来の美味しさで考えるなら、緑の鮮やかなものがおすすめです。ただ、緑が濃いものは苦みも強くなる傾向があると、わたしは感じています。
苦味が少ないものを食べたい、と考えるならグリーンの薄いものを選びましょう。
新鮮なゴーヤは、ある程度重みがあります。これは他の野菜とも共通しているせんどの目安ですが。
◇苦くないゴーヤもある?
最近は、白いゴーヤも出回っています。
「白ゴーヤ」や「サラダゴーヤ」とも呼ばれています。
これは生食を前提として品種改良されたものなので、比較的味はマイルドです。グリーンのゴーヤに比べて、ずんぐりむっくりしています。
表面の凸凹がほぼないツルっとした表面のゴーヤもあります。これは、「なめらかゴーヤ」と呼ばれる品種で、苦みも抑えられています。初めてゴーヤにチャレンジする方は、このあたりからスタートすると馴染みやすいかもしれまんせんね。
■食べかけのゴーヤはどう保存する?
本当はすべて食べきってしまうのがよいのですが、そうもいかない場合についてです。
切り口から傷みやすいので、ラップ等でしっかり覆って野菜室で保存しましょう。その後は2日ほどで食べきることをおすすめします。
鮮度がよいと、シャキシャキとした歯ごたえもクセのないしびれるような苦味も楽しめます。ぜひ、美味しいゴーヤを見つけたら、チャンレジしてみてくださいね。
■ゴーヤチャンプルーを作ってみよう
沖縄県の伝統料理のひとつ「ゴーヤチャンプルー」。
チャンプルーとは、沖縄の言葉で「ごちゃまぜにしたもの」という意味。
ゴーヤ、豚肉、木綿豆腐、卵が定番の食材です。わたしはそこに人参を加えます。
作り方をざーっくり説明すると…
①豚肉を最初にフライパンで片面だけカリッと焼き、豆腐を塊のままイン。
②豆腐の表面に焦げ目がついたら、上下を返します。豚肉も上下を返して、カリッと仕上げます。一度周囲をしっかり焼くことで、豆腐が崩れにくくなります。
③豆腐をへらなどで食べやすい大きさに切り、溶き卵(薄く塩をする)をここでイン。
④卵が固まる前に素早くゴーヤと人参をイン。
⑤炒め合わせて、最後に塩で調味。
⑥盛りつけ後に削り節をたっぷりオン!
カツオの風味とゴーヤは相性がよいのと、香りがふわっと漂うので苦味をあまり感じません。卵もマイルド効果があります。ゴーヤを投入する直前にいれることで、ゴーヤに絡んでマイルド効果がアップします。ただ、「苦いのがいいのに」と感じる方は順序をかえて、ゴーヤに卵が絡まないようにしてください。
ぜひ、お試しくださいね。
と、書きつつもムスメにはアレルギーがあるので滅多に卵は使わない我が家。卵以外はそのままで調理をすることもあります。それもまたそれで、美味しいのでおすすめです。
さて、ベジ楽ではブログに書かれいるような野菜や食材に関するマニアな話を毎週火曜日に配信しています。2019年7月現在、お友達登録をしてくださった方全員に「ミニ体質診断チェックシート」をプレゼントしています。診断結果をトーク機能からお教えください。結果に基づいて、おすすめの野菜や食材についてさらに詳しい情報を動画にて無料でプレゼントしています。
