日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「蕎麦(そば)」です。

Contents
■ツルツルが美味しい麵
夏になると、「冷やし中華はじめました」「冷やしうどん」といった、冷たい麵について書かれた看板やポスターを見かけるようになります。
実際、わたしは暑い日にはのど越しのよい麺類を食べたくなります
とくに暑さにへばっているときに、ツルっと口に運べる麺類は心地良い食事です。
とはいえ、麺だけ食べられればいいですよ、とはあまり言えず…。麺は美味しいのですが、バランスが崩れやすい食事でもあるからです。
■福岡で麺といえば…?
ひと口に麺といっても、実にさまざまなタイプがあります。
わたしが暮らす福岡を代表する麺といえば、ラーメン!
それも豚骨ラーメンのメッカだと思っています。ただ、同じ豚骨ラーメンではありますが、熊本県の豚骨ラーメンと福岡県のラーメンはちょっと違います。同じ福岡県内でも福岡市と久留米市とではやはり大きく異なります。地域性が高く、さらにいうと個人個人の好みがはっきり分かれている、ちょっと厄介な食べ物です。
福岡に遊びにくる友人たちに聞かれます。「どこのラーメン屋さんが美味しいの?」。
この質問がイチバン困る!
それぞれ好みがあるので、「…わからない」と言ってしまいます。そして、わたしはあまりラーメン屋さんに行かないので(嫌いだから、ではなく。あまりチャンスがないのです)、詳しくない、というのも理由ですが。
そして、もうひとつ、福岡を代表する麺があります。
それは、うどん。
福岡は「うどん発祥の地」と言われているだけあって、うどん文化です。
うどん屋さんがたくさん。
…ただ、わたしは福岡のうどんはちょっとだけ苦手。「うろん」と表現するくらい、麺が柔らかいのが理由です。麺はコシがほしい、と考えているので、まずいとは思いませんが、好みではない、という感じ。
そして、福岡のもうひとつの特徴が、蕎麦屋が東京ほど充実していない、ということ。
■関東出身のわたしは蕎麦も好き
お蕎麦もね、好きなんですよ。とっても。
ただ、新そばを食べたいなぁ、と思っても、福岡で訪れる機会があまりありません。近所に店舗がないこともありますね。ちょっと離れたところにはお蕎麦の美味しいエリアがあるのですが、車で約1時間かかるので思いついて「さ、食べよう」というわけにはなかなかいかないのが残念なところです。
◇蕎麦にも旬はありますよ「新そば」の季節を見逃さない⁉
先ほど「新そば」という言葉を使いました。
「新○○」という言葉は、農産物ではよく耳にしますが、「収穫仕立て」という意味合いで使われることが多いです。
たとえば、「新じゃが(いも)」などは、とてもポピュラーですね。
じゃがいもも、蕎麦も、基本的に周年で出回っています。ただ、収穫仕立てのものは、独自の香りや歯ごたえが楽しめることもあり、特別扱いされます。
蕎麦の場合、収穫期は年に2回。
- 6~8月の夏そば
- 9~11月の秋そば
このあたりが、スタンダードです。
一般に「新そば」と言われるのは、秋に収穫されるものです。店頭で「新そば入りました」などと書かれた看板を見かけるのは10月ごろが多いです。
■ゆるベジらく膳的 蕎麦の栄養①
蕎麦というと、あまり栄養について考えない方が多いようです。
正確には、栄養を期待せずに食べている、という感じのようです。実際には、小さい身体になかなかのパワーを兼ね備えた子ではあります。
ここでいう蕎麦は、ツルツルと食べる麺の蕎麦ではなく、蕎麦の実についてです。
麺の蕎麦は、蕎麦の実をひいて麺状に打ったものです。このときに、つなぎに小麦粉や山芋を使うこともあります。その繋ぎの割合によって十割そば(蕎麦粉100%)、二八そば(小麦粉2割使用)と呼びます。このあたりは…うーん、好みではないかな、と思います。
そば打ちに挑戦したことがあるのですが、難しさは十割そばのほうに軍配を上げたいですね。もう、本当に難しかった! それを農家のおばあちゃんはいとも簡単にこなしてしまうのです。尊敬です。
話がちょっと横道にそれましたが、蕎麦は「涼・甘」に分類できます。
「涼」は身体を冷やします。
暑いときにヒンヤリしたお蕎麦はそれだけで、清涼感がありますね。ただ、身体を冷やすことからいうと、食べすぎはNGです。
薬味にネギを使うのは、「涼」という蕎麦の性質からはふさわしいのです。なぜなら、ネギは身体を温める力がある「温」だから。つまり、涼と温と相反するふたつの食べ物を組み合わせることで、バランスをとっているのですね。
「甘」の性質は、胃腸をいたわり、消化吸収を促す力があります。
夏に「食べたくない」「食欲が落ちている」というときに、胃が元気よくはたらくのをサポートするというわけです。
■ゆるベジらく膳的 蕎麦の栄養②
現代栄養学の視点から見てみると、そばの栄養で注目度が高いのがルチンです。
ルチンは、毛細血管を丈夫にする成分です。さらに、血圧を下げる効果を期待できます。
生活習慣病の予防にも役立ちます。
ほかにも、食物繊維が含まれているので、お腹すっきり効果も期待できます。
ただ、蕎麦はそれだけで食事が完結してしまいます。タンパク質など、蕎麦では期待できなり栄養素もあり、それについては別にとらないといけません。
タンパク質は、筋力維持のためにも必要です。
蕎麦が悪いのではなく、タンパク質など別に摂ったほうがよい栄養素もある、ということを理解していただけたらいいのかな、と思います。
■蕎麦はツウ好み?
わたし自身も時折感じることですが、蕎麦をお好きな方には「ツウ」と呼ばれる方が多いように感じます。
そば打ちを趣味にしている方…不思議と初老の男性が多い気がする…のこだわりや、熱心さがすごく、ときどき「申し訳ありません。たんなる食いしん坊で」と謝りたくなってしまうのです。
その方たちに「蕎麦は三たてがよい」と教わりました。
挽きたて、打ちたて、茹でたて の3つです。
そして、蕎麦打ちのコツも教えて頂いたのですが、どうにもこうにもわたしは劣等生だったようです。
以来、「お蕎麦は食べにいきます!」と宣言しています。
ツウかどうかはともかく。
美味しいものを食べるのって、本当に幸せなことだと思うのです。心がまるくなるような気持ちになれます。
◇どうでもよいけれど、蕎麦屋でびっくりした話
半年ほど前のことです。
その日、わたしは仕事で長距離移動をしていました。午前中の仕事が終わり、帰宅途中に「蕎麦の有名店」の近くを通ることを思い出したのです。
お昼を少し回るけれど、せっかくだから寄っていこう。
そう思い、寄り道をすることにしました。
いつもは店舗の外まで行列ができているのですが、平日だったことと、13時をすぎていたこともあり、少し待つだけで店内に入れました。
メニューを渡され、「どうしよう」と悩んでいたところ、隣のテーブルに座っていた50~60代くらいの女性のグループが「迷っているの?」と声をかけてくださったのです。
「あ、はい」とこたえると、「天ぷらそばがおいしいわよ」とアドバイスくれたのです。
引っ越したばかりの頃は、このお客さん同士の初対面にもかかわらず親切に声をかけるというシチュエーションにひっくり返るほどビックリしたのですが、最近はだいぶ慣れました。これは、福岡や佐賀ではごく自然なことです。
「へえ、天ぷら」と、考えてふと回りを見るとお店の人が運んでいる天ぷらが結構なボリュームであることに気づきました。
食べきれないのは困るなぁ、と思い、声をかけてくださった女性に「ボリュームがありますね。食べきれないかもしれないので、今回はやめておこうと思います。すみません」と話し、ふたたびメニューに目と落としたところ、
「大丈夫よ。手伝ってあげるから」
という声が。
え? それって、わたしがオーダーした分を皆さんが食べるってこと?? それって、ありなの? ありなの??
口があんぐり空いたまま塞がらず。
「えっと…えっと…すみません」とだけ言い、別のものをオーダーしました。
わたしのオーダーを聞いて、「あらあ、残念!」と口々に叫ぶ女性たちに、どれだけびっくりしたか。
お蕎麦屋さんそのものは、評判どおり美味しかったのですが、ビックリが大きすぎて再訪はしていません。まあ、いろいろな方がいらっしゃいますし、いろいろな考え方がある、ということですね。
…わたしにはそれをやる勇気がありません。
さて、ベジ楽ではブログに書かれいるような野菜や食材に関するマニアな話を毎週火曜日に配信しています。2019年7月現在、お友達登録をしてくださった方全員に「ミニ体質診断チェックシート」をプレゼントしています。診断結果をトーク機能からお教えください。結果に基づいて、おすすめの野菜や食材についてさらに詳しい情報を動画にて無料でプレゼントしています。
