日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「鰻(うなぎ)」です。

Contents
■土用の丑の日は鰻?
先週の土曜日は「土用の丑の日」でしたね。
皆さんは、召し上がりましたか?
わたしは割と季節ものを逃したくないタイプなので、世間が騒いでいると「食べようかなぁ」と感じるタイプです。でも、その欲求がものすごーく強いわけでもなく。だから、予約などはしませんし、わざわざ食べに行くこともしません。
鰻は好きですよ、食べます。
今年はどうしたか、というと…食べませんでした。
仕事が立て込んでいて、すっかり忘れた、というのが本当のところです。忘れると、これが急激に食べたくなるのですから、天邪鬼は困ったものです。
時期を逃した後で、「食べたい欲求」が高まっているので、鰻について熱く語ろうと思います。
■平賀源内に踊らされてみる?
「土用の丑の日」に鰻を食べるのは、実は江戸時代に始まったものです。
平賀源内が、真夏になかなか売れない鰻屋のために書いたキャッチコピーが始まりだとも言われています。
いってみれば、言葉に踊らされるようにして、皆さん鰻を食べているというわけです。
ただ、鰻にも旬があります。9月頃から12月にかけて、もっというと秋から冬に向かう時期が脂がのって美味しいとされます。ただ、後程栄養については説明しますが、スタミナ食として考えた場合、暑い季節に鰻を食べるのは理にかなっています。
平賀源内がどのくらい旬を意識していたのか、今となっては知る由もないのですが、「スタミナ食」という観点から考えると、夏の頃に「鰻を食べよう」と考えるのは正解です。
■ゆるベジらく膳的 鰻の栄養①
鰻は薬膳で分類すると「平・甘」になります。
「平」は、中庸を意味します。つまり、身体を温めるわけでも冷やすわけでもなく、比較的いろいろな体質の方にあう、ということです。
万人受けする、とも言えますね。
また、「肝」「脾」「腎」が健全な状態を保てるようにはたらきかける性質があります。
薬膳でいう肝は、血を貯蔵して精神の安定に関係あるとされています。よくいう「肝臓」とは必ずしもイコールではありません。血液をしっかり生み出して、必要量を貯めておけるのは、肝が健全にはたらくからです。それを鰻はサポートします。
脾は、消化吸収にかかわりがあります。また、水分の吸収や排泄に関係が深く、健全にはたらくことで潤いを保ち、浮腫みを予防することができます。
腎は、生殖活動にかかわります。子供の場合は成長を、大人の場合は若さのキープに深く関係しています。腎が元気なら、老化もゆっくり。そして、泌尿器系にも深くかかわっているので、水のめぐりにも関係しています。
このようなことからも、鰻はすごいなぁ、と感じます。
■ゆるベジらく膳料理的 鰻の栄養②
現代栄養学の観点からいっても、鰻は優れた食材です。
鰻は「スタミナ食」という言葉で表現されることが多々あります。実は、これは単なるイメージではなく、栄養学からいっても矛盾していません。
なぜなら、鰻には疲労回復成分であるアスパラギン酸が含まれているからです。
ほかにもEPAやDHAが含まれています。EPAはエイコサペンタエン酸のこと、DHAはドコサヘキサエン酸のことです。
どちらも「不飽和脂肪酸」で、一般に血液をサラサラにしたり、皮膚や粘膜のうるおいを保ったりするのに役に立つと言われています。
ほかには、大量ではありませんが、カルシウムも含まれています。
■鰻は肝(きも)も美味しい⁉
鰻と肝吸いはペアで出されることが多いので、皆さんもよくご存知だと思います。
おまけのように思われがちな「肝(きも)」ですが、実は栄養価のとても高い食品でもあります。
肝はおもにビタミンAが含まれています。
ビタミンAは、皮膚や粘膜を丈夫にし、免疫力をあげてくれます。
■美味しい鰻の見分け方
美味しい鰻は、身体全体に青味が買っています。青っぽい色の太い鰻が美味しいですよ。
と、これは生の鰻の場合です。皆さんは鰻を買ってさばくところからされるでしょうか?
そういう方はほぼいらっしゃらないかもしれませんね。
鮮魚店によっては、生きている鰻が桶のなかでウニョウニョ動いていて、ドラフトのように指名してさばいてもらうこともできます。
ただ、一般的にはすでに焼いたものを購入するケースが多いと思います。そのときには、身に厚みがあってふっくらした形のものを選ぶとよいでしょう。美味しいものを選べる確率が上がります。
あとは、温め方に注意が必要です。
わたしの場合、電子レンジで加熱すると失敗して固くなってしまうことが多いです。そのため、蒸し直すことが多いです。
◇これなら美味しい、鰻料理!
わたしが鰻を購入するとよくやるのが、炊き込みごはんにすること。
鰻を購入すると同封されている「たれ」を一緒に炊き込みます。鰻も食べやすい大きさに切ってごはんの上にのせて炊きます。
これだとふっくら美味しい鰻ごはんを楽しめます。
そして、余談ではありますが、2合のごはんで1尾あればじゅうぶんっていうこともポイントかも。うな重のように食べたいとなると、それなりの量を購入しないといけませんが、炊き込みごはんなら大丈夫。ケチくさいことを書いてしまうと、そういうことです。
■鰻を食べすぎたらどうなる?
わたしが以前、勤めていた会社では、新人研修がありました。研修がある、ということ自体はとくに珍しくもなんともないのですが、研修にはやはりそれぞれの組織のカラーが出ます。
わたしが所属していた会社は、「農業を身体で学んでこい」「農家を知ってこい」ということで、全国の協力農家さんにファームステイさせていただく研修がありました。今もあるのかどうか、そのあたりは不明ですが、今となっては本当に貴重な経験をさせていただいたと思っています。
わたしがステイしたのは、静岡県浜松市にある農家さん。そこで考えたことや、感じたことが今もわたしの根っこの部分になっているのですから、縁とはわからないものです。
農家には、それぞれ一人ずつ分かれてステイするので、その間は同じように研修に出た同期とは会いません。ただ、ファームステイ後に別の研修を浜松で受けたのですが、そのときにお互いに「久しぶりー」「どうだった?」と再会するわけです。ちなみに、研修は男女でステイする土地が違っており、男性は富山だったかな?? わたしと、もう2人の同期は同じ浜松に派遣されました。
当時は5月の連休も缶詰状態だったので(一応休日ではありましたが、家に帰れるほどゆっくりもできなかったので)、「せっかくだから鰻を食べに行こう!」と盛り上がったのです。
20代前半。健康。わたしを含め、全員が食いしん坊。
となれば、有名な浜松の鰻を食べるなら「ボリュームのあるものにしよう!」となります。
わたしたち、大奮発して鰻が2段になったものを食べたのです。地元で有名だというお店を聞いて、わざわざ並んだような記憶がかすかにあります。
いただきまーすっ!
と、3人で食べ始めたのはいいのですが、半分くらい食べたところで、だんだん口数が減っていきます。
なんとか3分の2まで食べたところで、同期の1人が言い出します。
「…減らない」
そこで、気づくんですね。鰻はそうたくさん食べられるものではない、ということを。
美味しいけれど、それなりに脂ものっているのでほどほどがいいのだと。
わたしたち3人はどちらかというと、大食漢です。全員が健啖家。ガッツリ食べるタイプで、「もう食べられなーい」とかわいくいうタイプではありません(ごめんね、HちゃんO ちゃん)。
なんとか完食したものの(このあたりが貧乏性)、お店を出た瞬間に誰ともなしに「鰻はしばらくいいかな」となりました。
以来、美味しいからといって欲張らないようにしています。
さて、ベジ楽ではブログに書かれいるような野菜や食材に関するマニアな話を毎週火曜日に配信しています。2019年7月現在、お友達登録をしてくださった方全員に「ミニ体質診断チェックシート」をプレゼントしています。診断結果をトーク機能からお教えください。結果に基づいて、おすすめの野菜や食材についてさらに詳しい情報を動画にて無料でプレゼントしています。
