日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「ミョウガ」です。
Contents
■ミョウガは日本だけの野菜です!?
ミョウガは日本中で見られます。南は沖縄県から本州全域に自生している香味植物です。
野菜として栽培されてもいます。ただし、ミョウガを野菜として栽培しているのは、日本だけです。
初めて、「日本以外では栽培しない。食べない」と聞いた時には、「なんてもったいない!」とビックリしました。わたしはミョウガの爽やかな味と香りが大好きなので、食べないという選択肢があるのね、とひっくり返るほど驚き、そして食べない国の方を本気で気の毒に思いました。もっとも、食べない方たちにとっては、わたしのビックリさえ伝わらないのだろうでしょうけれども。
ところで、ミョウガは英語でいうと「Japanese ginger」です。そう、名前に日本(Japan)と入っているところからも、日本特有のものであることがわかります。
■ミョウガは物忘れを招く⁉
ミョウガを食べると物忘れをする、という話をご存知でしょうか?
実際のところはどうなのでしょう? そもそも、この話が生まれた理由はあるのでしょうか?
これはお釈迦様の弟子の話がそもそもの始まりだと言われています。
このお弟子さん、物忘れがとても酷く、いろいろなことを「ついうっかり」忘れてしまうことが多かったと言われています。その忘れっぽさは見事といってもよいくらい(わたしは親近感を覚えます)。
ときには自分の名前さえ忘れてしまうほどだったとか。
そんな忘れん坊のお弟子さんが亡くなった後、彼の墓地(墓石?)の回りにはミョウガがいっぱい生えていました。
そう、このミョウガが生えていたというエピソードから、「ミョウガを食べると物忘れをする」という逸話となったようです。
実際のところ、ミョウガは物忘れを誘発するのでしょうか?
ミョウガの香りに、その答えが隠されています。
ミョウガの香り成分は「アルファピネン」と呼ばれるものです。このアルファピネンを嗅ぐと、わたしたち人間の大脳皮質が刺激されます。それによって、頭がシャキッとして集中力がアップする、と言われています。
逸話とは真逆!
ただ、逸話にも正しい点があります。
ミョウガは日陰が好きな野菜です。適度に湿った土が好きで、一日中日が当たる乾燥した場所はむいていません。
墓地を思い出してください。今のきれいに整備された公園のような墓地ではありません。昔話です。とくに墓石の周囲は、どちらかというとジメジメした環境です。
その点から考えると、お弟子さんのお墓の回りにミョウガいっぱい生えていた、というのも納得です。
余談ですが、置き場所さえ配慮すればミョウガはプランターで栽培することができます。どうしても日差しが強く、乾燥した場所にしか置けない場合は、土を稲わらで覆うなど一工夫してみてください。稲わらが手に入らない場合は(このケースのほうが多いですよね)、園芸用の遮光ネットを使うといいですよ。
■ミョウガは脇役だけでは勿体ない!
ミョウガの旬は2回あります。
ひとつは「夏ミョウガ」と呼ばれるもので、こちらは7~8月。
もうひとつは「秋ミョウガ」と呼ばれるもので、こちらが9~10月。
夏ミョウガはやや小さいものです。
秋ミョウガは、少し大きめで色が赤っぽいです。
どちらも香りや味はとても近いのですが、秋ミョウガのほうが大きい分、食べ応えはあります。
わたしはどちらも好きですが、おすすめは断然、秋ミョウガです!
ミョウガの赤い色は酢に反応してより一層鮮やかになります。ミョウガに触れることで、酢がきれいなピンク色になる、といったほうが正しいのですが。
これが見た目にも美しく、味も素晴らしいのです。
ベジ楽では8月のレッスンでミョウガを甘酢に漬け、さらにそれでお寿司を作ります。
ほんのりピンクで、シャキシャキとした歯ごたえもあって、自分でいうのもなんですが、文字どおり絶品です!!
繰り返します。
絶品です!
まだ、ベジ楽が提案する「ゆるベジらく膳料理」を見体験の方はこの機会にぜひご参加ください。
8月27日の回に空席がございます。
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■ゆるベジらく膳的 ミョウガの栄養①
薬膳で考えるとミョウガは「寒・苦」に分類されます。
「寒」は身体を冷やす性質があることを意味します。
暑い夏にぴったりです。ただし、これはいつも書いていることですが、冷えすぎは禁物です。とくに女性で冷えやすい体質の方は要注意です。
ミョウガばかりを食べるのではなく、身体を温める性質の野菜とも上手におつきあいしてくださいね。
「苦」は、身体の余分な水分を排泄する力があります。また、余分な熱も冷ましてくれます。クールダウンの効果を期待することも。
それから、水や熱だけでなくデトックス効果も期待できます。
また、古くから「血を活かし、月経を整える」とも言われています。
血をしっかりめぐらせ、月経リズムを整えてくれるので、女性には嬉しいですね。もちろん、誤解のないように書き添えますが、ミョウガだけ食べていればよい、というわけではありません。
■ゆるベジらく膳的 ミョウガの栄養②
現代栄養学の観点からいっても、ミョウガは優れています。
ミョウガの香りの主成分である「アルファピネン」には、血管を拡張して血行を促進することが、近年の研究結果でわかっています。
血行がよくなれば、肩こりや腰痛にも効果が期待できます。
ほかにカルシムやカリウムも含まれています。
ああ、こんなに素晴らしいミョウガです! これを日本独占状態(笑)。ぜひいろいろ食べてみてください。
■美味しいミョウガの見分け方
せっかく入手するなら、美味しいミョウガを選びましょう。
そもそもミョウガはいったいどの部分なのでしょう? 根? 茎? 葉?
わたしたちが食べているミョウガは、地下茎(地下部分にある茎のことです)から出る花穂(かすい)のことです。別名「花みょうが」といいます。
美味しいミョウガは、蕾が見えないものです。中には先のほうに小さい蕾が見えているものは、なかがスカスカになっている確率が高いです。蕾が見えたら、(申し訳ないけれど)避けて別のものを購入してください。
また、中身がギュッと詰まっているものを選びましょう。指先でつまんだときに、ふわっとした空気感がないものがおすすめです。
■ミョウガを食べる際のおすすめ方法
ミョウガはそのまま食べてもよいのですが、ひと手間をかけるととても美味しくなります。
とくに生で食べる場合、エグミが多少ある野菜なので、水にさらすが熱湯をさっとかけるとぐっと食べやすくなります。
実際に食べるとなると、調理ではついつい添え物扱いにしやすいミョウガですが、わたしは「添え物だけではもったいない!」と思っています。
わたしがよく作るのは、お寿司(先ほどすでに書いたとおりです)とお味噌汁!
お味噌汁の具にする場合、水にさらすことも熱湯をかけることもしません。縦半分にっ切って具としてたっぷりイン! とてもさわやかなお味噌汁です。
さらにアレンジで、お味噌汁のベースを利用して、もうひと品。
味つけをぐっと濃くして、ゴマやキュウリ(塩をもんで)をプラスします。これをうどんや素麺に合わせるのもおすすめです。
鯵の干物を焼いてほぐし、これに加えると宮崎県の郷土料理「冷や汁」になります。これもおすすめです。
ぜひひと手間、一工夫して日本だけをミョウガをたっぷり楽しんでくださいね。
さて、ベジ楽ではブログに書かれいるような野菜や食材に関するマニアな話を毎週火曜日に配信しています。2019年8月現在、お友達登録をしてくださった方全員に「ミニ体質診断チェックシート」をプレゼントしています。診断結果をトーク機能からお教えください。結果に基づいて、おすすめの野菜や食材についてさらに詳しい情報を動画にて無料でプレゼントしています。