日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「ふきん」です。
Contents
■ふきんは何を使いますか?
ベジ楽のレッスンでは、ふきんを使います。
と、書くと「普通のふきんではない?」と思われるかもしれません。そのくらい、あらゆるキッチンにある、ふきん。あふれる、ふきん。
ふきん。
いってみれば、単なる布。でも、「ふきん」と呼ぶと、ちょっと特別な感じです。
そもそも「ふきん」の定義ってなんでしょう?
辞書によると…
食器などをふく小さい布。
と、書いてあります。確かに。
しかし、用途で考えるとふきんは全部で3つに分類できるとわたしは考えています。
■ふきんは大きく3種類
- 食器用ふきん
- テーブル用ふきん
- 調理用ふきん
この3種類です。
◇食器用ふきん
ひとつめの食器用ふきんは、文字どおり食器を拭くもの。
洗い上げた食器類を拭いて片づける際に使います。大判のものが使いやすいと思います。わたしは45×65cmを愛用中。
◇テーブル用ふきん
別名・台ふきん。食事の前後にテーブルをきれいに整える際に使います。ある程度の厚みがあってバリバリ使い込めるものがおすすめです。わたしは蚊帳折りの8枚重ね30×35cmを愛用中。
蚊帳折りとは、蚊帳素材を使っているという意味。皆さんは蚊帳をご存知でしょうか?
部屋の中につるすテントのようなものです。わたし自身は蚊帳の中で眠ったことはないのですが、聞けばかなり心地良いようで機会があればぜひ使ってみたいと思っています。
もともと蚊帳は蚊など虫をとおさず、風をとおすことで、涼しく快適に寝られるようにしたものです。そのため、通気性や乾燥性にすぐれたものが生まれました。もともとは高級品だったとされます。
蚊帳の製造過程で生まれた端切れを再利用しようとしたことが、蚊帳折りふきんのはじまりです。端切れを数枚重ねることで、丈夫で吸水性の高いふきんが生まれました。
蚊帳の生産地としては、奈良県がとても有名です。わたし自身が使っているふきんも奈良のもの。かなりおすすめです。
あ、わたしは蚊帳折りふきんの回し者ではありませんよ。
◇調理用ふきん
別名・蒸し布。蒸し器に敷いて使うもので、目が粗いのが特徴です。大きさは蒸し器のサイズに合わせて選びます。小さいものだと45cm四方。大きなものだと1m四方です。わたしは間の66cm四方のものを持っています。最近は、愛用しています、と書けるほど使っていません。
というわけで、今回は「食器用ふきん」と「テーブル用ふきん」の2つにフォーカスしてお話を進めていきます。
■ふきんを選ぶ際に気をつけていること
わたしがふきんを選ぶ際に気をつけているのは、素材です。
ふきんに使われている素材は、おもに次の3つ。
- 綿
- 麻(リネンとも)
- レーヨン
それぞれに特徴があります。
◇綿のふきん
綿はいわゆる木綿です。丈夫で、吸収力がある優れもの。
昔からふきんとして使われているだけあって、その実力はエース級です。
衣類でも使われることの多い素材なので、多くの方は「ああ、綿ね」と反応されます。
◇麻(リネン)
そもそも麻とリネンの違いについて、というところから始めましょう。
麻には、リネン以外にもジュードやヘンプやラミーと呼ばれる種類があります。植物としては大きくまとめて全部「麻」です。リネンはなかでも繊維が細く、しなやかなに仕上がることから、麻のなかでも上質とされています。要するに麻のなかのエリートです。
だから、リネン100%という表記が生まれるのです。「麻だけれど、エリート集団ですよ」という意味ですね。
一方、麻はラミーやヘンプなど、いろいろな麻を使っていることが多いです。麻100%と記載されているもののなかには、いろいろな種類の麻が混じっていますよ、ということをアナウンスしているのです。
もともと麻は、とても丈夫。そして、吸収力が高いです。また、通気性も高いので乾燥しやすい。
ふきんの「欲しい」が詰まっています。
余談ですが「麻子」や「麻美」のように女性の名前に使われることの多い「麻」という字ですが、これは健康に元気に、という意味を込めて…と聞いたことがあります。わたしの友人の「麻子」も「麻美」も「麻由子」もまあ、元気です(笑)。笑顔がはじける、という言葉がありますが、その表現がぴったりの女性たちです。わたしにとって「麻」はふきんとしてもですが、人としても魅力ある響きがあります。
さらに余談ですが、わたしはエプロンも麻のタイプを使うことが多いです。その次に綿。
その昔(かなり昔)調理学校へ行っていたころに「万一、火がコックコート(エプロンと同意義で受け取ってください)に触れた時に、綿だと安心。すぐに燃え広がることがないからね」と言われました。
だから、ずっと綿を愛用していたのですが、最近は麻のタイプが多くなっています。理由はわたしのクセ。エプロンでちょこちょこ手を拭いてしまうのです。乾くスピードについては麻に軍配が上がり、すぐに乾くもので先生がかつて仰っていた天然素材がいい、と考えて麻素材を選んでいます。
もっとも最近はいろいろな素材で耐火性を高めたものが出回っているので、一概には言えません。あくまでも、余談はご参考までに、ということで。
◇レーヨン
これは天然素材というより、人工的なものです。
ただし、もともとは木材パルプを主な原料としており(この木材パルプは木材から抽出した食物繊維のこと)、いわゆるケミカルなものとはちょっと異なります。
天然の良さを凝縮した、といってもよいでしょう。
丈夫さと乾きやすさが特徴です。
◇そのほか
「そのほか」とひとくくりにしましたが、これは綿や麻、レーヨンの混合です。わたしは、この混合タイプを愛用しています。いってみれば、3つのイイトコドリ。
わたしが台ふきんとして使っているのは、綿50%、レーヨン35%、麻15%と、3種類がすべて混合されているタイプです。
使うほどにやわらかくなり、くったり変化して、手に馴染みます。これが最大の魅力かも。
何度でも使いたいふきんです。
■ふきんを選ぶポイントは?
ここまで素材について学んできました。そこで、実際にふきんを選ぶ際に気をつけたいことについて触れましょう。
わたしが考えているポイントは、次の2つ。
- 乾燥
- 消毒
やはり、食品や食卓に関係するものなので、清潔であることはとても大切です。
清潔に使うためにも、乾燥と消毒はとても大切です。
◇乾燥
ジメジメ状態が続くと、カビや臭いの原因にも。使用後は、できるだけ素早く乾燥させたいものです。
あくまでも、わたしの場合、ですが。
食器用ふきんは、使用後に風通しのよいところに干します。その都度。
とくに食器用ふきんの場合、キッチン入り口に(見た目はよろしくないのですが)つるして干します。ちょっとでも使ったら広げて干す。これを繰り返します。
そして、1日(使用頻度が高いときには食事毎に)経ったら、洗濯をします。ガンガン洗っても、麻素材は丈夫なのでほつれ等の心配がありません。
また、洗濯をした後にスッキリ渇くと気持ちがいいです。単純に。
わたしが暮らしている福岡は冬場はあまりスッキリ晴れません。引っ越してきた際にもっとも驚いたことのひとつですが、「九州=暖かい」というのは幻想で、福岡に関しては違います。冬は意外と寒いです。玄界灘を渡ってきた風がじんわり身体を冷やします。さらに、冬場は太平洋側のようにスッキリ晴れることがなく、基本的には曇天です。
だから、多少の曇天でも負けずにスッキリ渇くことが、わたしにとってはとても大切です。
ただ、地域によってはなかなかスッキリ渇かないということもあるでしょう。乾燥機を使えば問題ないのですが、すべての人が乾燥機を使えるとは限りませんしね。
そんなときはなおさら、素材そのものの速乾性が大切です。
台ふきんも同じです。
これもわたしの場合ですが、使用するたびに手洗いをして、台ふきん用のステンレス素材のフックにかけておきます。
わざと換気扇近くに置き、乾燥しやすい環境をつくります。
◇消毒
「食べる」に関わるものなので、清潔感はとても大切です。
使ったら綺麗にする。
これは当たり前ですが、必要に応じてガンガン洗ってください。わたしも洗っています。
それに加え、数日に一度の割合で消毒をしています。
やり方は簡単です。次の二つを使っています。
- 煮沸
- 漂白剤
煮沸は、大きめの鍋で1分グラグラと煮立てて完成。あとは乾燥させるだけです。
漂白剤は2種類あります。どちらも水と共につけおきするだけです。
- 塩素系
- 酸素系
強力なのは塩素系。臭いもしっかりあります。
ふきんの種類によっては色落ちします。さらに、布をいためます。そのくらい強烈。ただ、白いふきんを真っ白にしたいときなどは、短時間で効力を発揮します。
酸素系は、穏やかに効きます。とはいえ、漂白剤であることに変わりはありません。
ほぼ無臭で、布が傷まないのは嬉しいところ。ただ、店舗によっては販売されていないこともあります。わたしは生協でオーダーしたものを使っています。
わたしのおすすめは酸素系ですが、手早さを求めるときには塩素系もありかな、とは思います。
■おすすめのふきんは?
結局のところ、なにがおすすめかというと…
おすすめはありません!
なんと、無責任な。と、思われたかもしれません。
ふきんの役割やお手入れ、選ぶ際のポイントについては「こうするといいですよ」といえるのですが、皆さんにとってのベストがそれに当てはまるかは、正直なところわかりかねます。
ふきんに限らず、道具を選ぶ際に「ときめき」って大切だと思うのです。わたし個人の意見ですが。
使っていて楽しい、使うときにウキウキするって大切ではないかな、と。
色柄も気分を変える要素として見逃せません。赤が好きなら、赤のラインが入ったものやチェックが素敵ですし、キッチンにテーマカラーがあるなら、それをさりげなく取り入れるのもおしゃれです。おしゃれなものは、使うときの気分を楽しくしてくれますよ。
わたしは台ふきんに関しては「絶対に白!」と決めていますが(汚れがすぐにわかるうえに、お手入れがラクだから)、食器用ふきんはちょっと自由にしています。今はフォグというブランドが好きですが、そろそろ古くなってきたので買い替えを検討中です。でも、選ぶのはリネン素材。色柄については…まだ決めていませんが、悩むのも楽しいですね。
自分が使っていて楽しいもの。機能面も安心して使えるもの。
これがきっと、個々人にとっての「ベストふきん」なのだと考えています。皆さんは、どんなものを選ばれますか?
よかったら教えてくださいね。
さて、ベジ楽ではブログに書かれいるような野菜や調理器具に関するマニアな話を毎週火曜日に配信しています。2019年8月現在、お友達登録をしてくださった方全員に「ミニ体質診断チェックシート」をプレゼントしています。診断結果をトーク機能からお教えください。結果に基づいて、おすすめの野菜や食材についてさらに詳しい情報を動画にて無料でプレゼントしています。