日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「まな板」です。
Contents
■いつでも縁の下の力持ち まな板
まな板を使っている方はいますか? 使っていないという方はいますか?
なんとなく「まな板=料理の必需品」という方程式が頭にあるかもしれません。
わたしはまな板を愛用してはいますが、実はまな板を使わなくても料理ができるので、絶対的に必要か、というとそうでもない、というのがわたしの感覚です。
実際、かつて北九州市で料理を教えていた際に「うち、まな板ないんです」というご家庭がありました。でも、料理をしないわけではないんですよ。
そして、わたしはそれを「ああ、そうだよね。なくても作れちゃうもんね」と納得してしまいました。
わたしには何人か外国人の友人がいますが、国によってはあまりまな板を使っていないんだなぁ、とも感じます。
たとえば…ジャガイモを切るとき。それもスライスするとき。
わたしはまな板の上にジャガイモを置いて切っていきます。外国人の友人のひとり(彼女はオーストラリア人)は左手でジャガイモを持ったまま切っていきます。それならまな板はわたしほど必要ではないですよね。
しかし、一般的にはまな板って使うご家庭が多い、という印象です。
食品の下に置かれるだけあって、やはり「縁の下の力持ち」的存在です。
そもそも、まな板ってなんでしょう?
■まな板の由来
昔は「魚菜」を「な」と呼びました。「魚菜」とは、文字どおり魚や野菜です。
魚と野菜を「な」とまとめて呼んでいたのです。
なかでも魚はちょっと特別。特別な存在なので、呼び方も「真魚(まな)」といって差別化されていました。
つまり、まな板は「真魚(まな)を調理する板」だったのです。
そうそう、魚用なの!
真魚(まな)と区別して、野菜類は蔬菜(そな)とも呼びました。それを調理するものという意味で「蔬菜板(そないた)」とも呼んでいたのです。
それがいつしか、全部まとめて「まな板」になりました。
まな板になったタイミングは、正直なところわかりません。明記された資料を探してもみましたが、やはりわからないまま。ご存知の方がいたらご教授ください。
■まな板は素材に注目!
まな板とひと口に言っても、大きさも形もさまざまです。
しかし、選ぶ際には素材に注目して欲しいと思います。
素材に関しては、大きく3つのタイプをあげられます。
- 木
- プラスチック
- ゴム
それぞれ特徴があり、良いところもあれば、悪いところもあります。
◇木のまな板
木のまな板は、木の種類も以外と大切。
柔らかすぎても包丁が当たって負けてしまいますし、固すぎる木は包丁の扱いを難しくします。
適度に柔らかく、刃のあたりのよいものがおすすめです。
一般的に使われているのは、ヒノキ・ホオノキ・カシワ・イチョウです。わたしのおすすめはヒノキ。水にも強く、匂い移りもほかのものより気にならない(ような気がします。個人的に)。
木の長所は…
- 見た目がよい
- 刃のあたりが良い
- 使っていて気分がいい!
なんといっても見た目と刃のあたりの良さです。
使っていて気持ちがよいのが、木のまな板です。
とくに刃のあたりは、ほどよく柔らかいので包丁を使っていて手を傷めることがありません。刃のあたりがきついと、はね返しや振動が激しく、手首を傷めるケースもないわけではありません。
一方、欠点としてあげられるのが…
- 臭いがつきやすい
- 手入れに手間がかかる
この2つです。
臭いに関しては、やはり移りやすいです。とくに魚など、生ものを扱うとテキメンです。
ただし、匂い移りを防ぐ方法がないわけではありません。使う前に水でさっと濡らしておくといいですよ。水で覆うことで、ある種のコーティング効果が生まれます。
もうひとつの木の欠点はカビに弱いということ。これを防ぐには、やはり乾燥しかありません。
使い終わった後は、立てて乾燥させましょう。できれば、完全に乾燥するまで次に使うのを控えたいくらいです。
が、しかし。家庭で使っていると、なかなかそうも言っていられない、ということもあるでしょう。できるだけ乾燥させることを意識してください。
また、使っているうちによく刃のあたる部分(ほとんどの場合中央部分)が凹んできます。
まな板に凹みがあると、どうしても刃が真っすぐに当たらないので切りにくさを実感します。
それを防ぐためには、時折削るなどのお手入れが必要です。これはプロにお任せするのがいちばんです。
各地域にまな板の削り直しを頼める業者さんはいるので、思い切ってお願いすることをおすすめします。一
度プロに削ってもらうと、「同じまな板?」と言いたくなるくらい見た目も使い心地も変わります。もし、今お手元に古い木のまな板があるのなら、思い切って削ってもらってください。
◇プラスチック
素材として使われているのはポリプロピレンやポリエチレンが多いです。
木の種類とは異なり、プラスチックの素材そのものはあまり気にせずに選んで構いません。
プラスチック製のまな板の長所は…
- 手入れがラク
- 手ごろな価格
この2つにつきます。
手入れがラクなのは、熱湯消毒にも耐えられますし、漂白剤を使っての消毒もOKだからです。
ものによっては、食洗機対応なので洗うのもラクです。
まさにラク尽くめ!
もうひとつ挙げるなら、プラスチック製のものは色もデザインも多彩にそろっていること。
プラスチック製のまな板というと、一昔前までは白と決まっていましたが(と、わたしは思い込んでいますが、違うのかな?)、最近はとてもカラフル。
そして、形も長方形だけではありません。円形もりんご形いろいろです。厚みもいろいろです。
ふたつめの長所である価格面。
これも木やゴムに比べると比較的安価です。
そして一番購入しやすい! ある程度の大きさのあるキッチン用品売り場なら、プラスチック製のまな板がないことはありません。
ほぼ確実に、複数おいてあります。複数の商品から選べます。
さっと買いに行って、選んで買える、というのは魅力です。
わたしは東京での暮らしも長いのですが、福岡や佐賀といった地方でも暮らしています。
買い物の選択肢の違いについては、引越し当初びっくりして多少(?)凹んだ経験があります。
だから、「選択肢がある」というのは、特に地方在住の方にとって大きいのではないかと思います。
これ、とても大事!
とはいえ、最近は通販サイトでもいろいろ購入できますけれどね。
さて、そんな長所がいっぱいあるプラスチック製まな板にも欠点があります。それは…
- 傷つきやすい
- 硬くて刃のあたりが悪い
傷に弱いものが多いです。
包丁の細かな傷が使っているうちについてしまいます。
しっかり洗わないと、この傷に菌が繁殖してしまいます。結果的に食中毒の原因にも。
最近では、細かな傷を削って落とすプラスチック製のまな板専用のお手入れ道具があります。それを上手に利用するのも、ひとつの手です。
ふたつめの硬さについては、長く使っていると手や手首に負荷がかかります(わたしはそうです)。
みじん切りにしたときなどは、場合によっては切っていた食材が跳ね散ることもあります。
硬いものを力を入れて切ると、包丁が刃こぼれすることもあります。
わたし自身は刃こぼれの経験はないのですが、実際にプラスチック製のまな板で刃こぼれした瞬間を見たことがあります。
撮影中だったこともあり、かなり焦りました。怪我人を出したかと真っ青になった記憶があります。
結果的には怪我人もなく、包丁の刃先が少しダメになった程度だったのですが。
そこは欠点といえます。
◇ゴム
ゴム製のまな板は、わたしがレギュラーで使っているものです。いろいろ試して、レギュラーとしてガンガン使うにはこれがいいかな、と落ち着いています。
長所は…
- お手入れがしやすい
- 刃のあたりがよい
お手入れについては、もう言うことがないくらいおすすめです!
まず、乾燥しやすいので(水はじきがよいので)洗った後のお手入れはサッと拭いて立てかけておけばすぐに終わります。そのまま放置して30分もしないでカラカラです。
それから、漂白剤を使えます。色移りや匂い移りも気になりません。
ゴムなので、木よりは硬いのですが、それでも刃のあたりがよいです。食品が飛び散ることもほぼありません。包丁を握る手や手首が痛むこともありません(今のところ)。
傷にも強いという利点があります。ゴムなので、多少の修復機能があるのです。それも嬉しいですね。
ただ、すばらしいゴム製のまな板ですが、やはり欠点もあります。それは…
- 熱に弱い
- 重い
この2つです。
熱に弱いのは、お湯レベルなら問題ないのですが、コンロなどのそばに置くときには気をつけたほうがよいでしょう。
わたしの場合、こぶしを横に並べて2つ分以上ガスコンロから話して使っています。その程度なら変形する心配はありません。
重さについては、「これさえなければいいのに」と言えるくらいのレベルの重さです。重い!
なお、床に落としたことがありますが、角がガンッとあたったため、床(いわゆるフローリングです)が凹んでガッツリ傷がつきました(涙)。そのくらい破壊力があります。
大きさによっては、女性が扱いにくい重量になるので、購入する際は重さについても考慮して選ぶことをおすすめします。
■まな板の大きさはどう選ぶ?
使い勝手の良さを決めるのに、やはり大きさを無視できません。
これについては、キッチンのスペースによってベストなサイズが決まります。
一般的に「我が家は広いからどんなサイズのまな板もOKよ」という方は少ないのではないかと思われます。
我が家も同じです。とても「なんでもござれ」とは言えません。言ってみたいけれど。
許容されるスペースに応じたサイズがよいでしょう。
もし選ぶ際には、感覚ではなくしっかり測ってください。人間の目分量や感覚って、案外外れることが多いです(過去に失敗した経験が多々あります)。ぜひしっかり測ってから選んでください。
厚みに関しては、素材によってぴったりのものが異なります。
プラスチック製のまな板の場合、0.5~1cmの厚みが便利です。ただし、シートタイプのような薄いものは、2~3mmが扱いやすいです。
木やゴムのまな板については、1.5cm以上のものがおすすめです。ある程度厚みがあったほうが、刃が当たったときに安定感があって使いやすいです。
■こんなところもチェックして選びたい
滑りやすいまな板は、包丁の扱いを難しくします。
しっかり固定して、動きにくくしてから使いましょう。
プラスチック製のまな板のなかには、隅に滑り止めがついていることがあります。これは便利です!
滑りやすいかどうかは、各ご家庭の作業スペースの素材や表面の加工具合によっても異なります。大理石かステンレスか、ステンレスであっても表面に凹凸があるかなどで変わってきます。
購入後に、「あ、まな板が滑る!」と感じたら、ぬれ布巾を一枚まな板の下に敷きましょう。
あるいは、カーペット等が動かないようにするゴムのような「滑り止めシート」をカットして入れこむのもおすすめです。100円ショップで販売されているもので構いません。
■お手入れの基本は洗う&消毒
まな板のお手入れの基本は、使ったら洗う。これに尽きます。
ただ、どこを洗うかも大切です。
食品をおく面だけを洗って終わってはいませんか? 側面や角も菌が残ることがあります。この菌は食中毒の原因にもなりますから、側面も角も隅々までしっかり洗ってくださいね。
消毒は、熱湯消毒でも漂白剤消毒でも構いません。
それぞれのまな板の素材によって向き不向きがあるので、お手持ちのまな板をよくチェックして消毒してください。
毎日やる必要はありませんが、数日毎にやるとよいと思います。わたしの場合は、結構な頻度でやっていると思います。
このまな板でないといけない、ということはないのですが、次に買う一枚を選ぶ際のヒントにしていただけたら嬉しいです。
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