こんにちは。
やさい薬膳料理教室「ベジ楽」の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日もやさい薬膳料理を作っています。
朝起きて顔がむくんでいると、テンションが下がりませんか?
わたしはさがります。友人のひとりは、「あー、やる気でない」とまで思うそうです。
女性にとって「むくみ」はテンションの上下に影響します。そこで、今日は豆苗とむくみについて書きます。
Contents
■むくみって何?
むくみ。漢字にすると、浮腫み。
これは、身体の中に水が滞っている状態を指します。水分がきれいに排出されないと、身体のなかがタプタプの状態になってしまいます。
これが、むくみ。
むくみは発熱したり、激しい痛みがあるわけではありません。そのため、「あー、今日はむくんでいるな」と思っても、とくに何もしないという方がほとんどです。
ただ、水が身体にたまったままでいると、内臓が冷えてしまったり、血行が悪くなったり、新陳代謝が落ちてしまったりといった弊害を生みます。
とくに慢性的なむくみは、疾病の原因となることも。放置しないでくださいね。
(ひどい場合は、当然ですが病院にご相談されることをおすすめします)
■むくみには「腎」が大切
◇腎に効く野菜
腎は、体内の水の流れを担っています。
腎が正常に機能することは、そのまま水がスムーズに摂り入れられ、そして余剰分は排出されることを意味します。
腎にはたらきかける野菜として、トウモロコシや緑豆、冬瓜などが有名です。
今日、取り上げる「豆苗」もまた、腎にはたらきかけることができる野菜のひとつです。
◇豆苗ってなに?
そもそも豆苗ってなんでしょう?
スーパーなどの野菜売り場で、ほぼ1年中定位置を確保している野菜です。価格も安定しているので、食卓に並べやすい野菜です。
味にクセがないので、比較的子供でも食べやすいと思います。しいて言うなら、独自のシャキシャキした歯ごたえは、まだ噛む力がじゅうぶんに育っていない乳幼児には苦手かもしれませんね。
豆苗をよく見ると、豆のようなものから伸びた芽であることがわかります。
いってみれば、豆苗は「スプラウト」の一種です。
そもそも、豆苗は何の野菜の芽だと思いますか?
豆苗は、「エンドウ豆の芽」です。
エンドウ豆…グリーンピースの呼び名のほうが、なじみがあるかもしれませんね。
グリーンピースはエンドウ豆の実のこと。いわゆる「実エンドウ」。
もっと若いエンドウで、さやごと食べるものを「さやえんどう」や「絹さや」と呼びます。平たい形状の豆ですね。
エンドウ豆が完熟すると、乾燥させて豆として食べます。皆さんもご存知の「みつまめ」の豆がこれにあたります。
豆苗は、そのエンドウ豆を発芽させたスプラウトです。
■豆苗は脾と胃に効く!
豆苗は薬膳で、「平・甘」に分類します。
五味の「甘」は、脾や胃を助けます。
脾は水分の吸収と排出を促し、食べ物の消化吸収を助けます。胃は、消化器官としてとても大切なことは皆さんもご存知でしょう。
脾のもう一つの役割として、「気」を補う役割があります。
気はいわゆる「活力」のこと。この気が不足すると、疲労感や倦怠感を覚えるようになります。
気力という言葉がありますが、気力はやはりとても大切です。
ちょっとむくんでいるな、ちょっと元気が欲しいな。
誰でも、そのようなことを考える日があるでしょう。そう感じること自体は決して悪いわけではありません(と、わたしは思っています)。
ただ、そのまま放置すると辛いかなぁ、とは感じます。
そのようなときには、ぜひ豆苗を食べてみてください。
むくみから少し解放されて、少し気持ちも前向きになれたらいいですね。
なにより、豆苗の色鮮やかなグリーンは元気をもらえる色です。
見た目の美しさは、食欲にも元気にも繋がると思います。
■おすすめは豆苗の塩炒め
豆苗をどう食べたらよいのか、についても触れますね。
豆苗はお浸しでも炒めても美味しくいただける野菜です。しかもすぐに火が通るので短時間で調理できます。
おすすめは、ごま油の香りを効かせた塩炒めです。シンプルに味つけは塩のみ。
これがいいのです。
作り方は…
- 切る
- 炒める
- 味つけする
簡単!
ですが、炒め物のコツを知っておくと格段に料理の仕上がりが変わります。
■炒め物のコツ
大きく2つのコツがあります。ここでご紹介する2つのコツは、豆苗に限らず炒め物全般に当てはまります。
◇煽らない
ひとつめは、「煽らない」。
フライパンを片手に前後に大きく動かしたくなる気持ちはわかります。
中華料理のプロがやっている仕草に似ていますし、食材が大きく動くので火が均一に通るような錯覚を抱かせます。
しかし、この「煽る」という行為は、火がきちんと回らない現象を生むだけです。
一般にプロが使うコンロの火力と、家庭用のコンロの火力には違いがあります。家庭用のコンロの場合、なるべくフライパンを動かさずに、火の当たり具合を固定したほうが熱が均一に伝わります。
煽ることで、火から離れてしまうと、その分火力は弱まります。
IHの場合は、最初から煽れないの問題はありませんが、フライパンはなるべく動かさない、と思ってください。
◇味つけは最後に!
ふたつめは、「味つけは最後に!」です。
先に食材(この場合は豆苗)を加熱しておいて、最後に調味料(この場合は塩)をふります。
その理由は、浸透圧にあります。
塩やしょうゆといった調味料を加えることで、食材に含まれる水分がジャンジャン放出されます。
水っぽくなります。べちゃべちゃなります。
ベチャベチャの炒め物…魅力的ではありませんよね。
調味料を入れることで、食材と周囲に塩分濃度の差が生まれます。塩分濃度を均一にしようと食べ物が水分を放出してしまうのですね。
これが、ベチャベチャの正体です。
そのため、味付けは火を止める直前で構いません。むしろ、直前がいいのです!
料理は化学です。
ひとつひとつの工程には理由があります。理由を聞けば、多くの方が「なるほど」と納得できるものばかりです。
なにしろ、理由と変化は化学変化によるものだからです。
そして、その「化学式」がもたらすものを知っていると、いろいろなシーンで応用することもできます。
ベジ楽では、そういった化学式についてもお伝えしています。レッスンによる皆さんの「なるほど!」があれば、こんなに嬉しいことはありません。
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