日本で唯一の「ゆるベジらく膳やさい料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「野菜の分類方法と、レシピに登場する野菜に関する言葉」です。
Contents
■野菜の分け方
野菜の話です。
といっても、そんなに身構える話でもありません。
わたしは、すでに皆さんがご存知のように「野菜料理」を専門的に扱っている、野菜ラバーです。「野菜ラバー」っていうと、何やらかっこよく響きませんか? うふ。
実際のところは、単なる野菜オタクです。
野菜オタクの特性として(わたしの特性として)、野菜を分類して系統立てて説明したい、という面倒くさい部分があります。コレクターにありがちな性質かもしれません。
実際に野菜に関して書かれたいろいろな書物を見ていると、野菜にはグループがあり、そのグループごとに説明されていることがわかります。
そこで、まずは野菜がどんなふうに分けられるのか、という「分類するための視点」で考えていきましょう。
■色で分ける
いちばんシンプルで、わかりやすい方法が色で分類する方法です。
色で分けるとなると、野菜は大きく2のグループに分けることができます。順に詳しく見ていきましょう。
◇緑黄色野菜
濃い色の野菜です。あああ、ざーっくりと言えば、ですよ。
正確には、緑黄色野菜を名乗れる野菜には明確なルールがあります。
それは、可食部100gあたりにベータカロテンが600㎍含まれている、というもの。
緑黄色野菜を食べるあたって、この数値を必ずしも覚えている必要はありません。が、しかしルールに基づいて分類されているのだ、ということは覚えておいていいかもしれませんね。
要するに業者さんやわたしたち個人個人が、勝手に「これは緑黄色野菜なんだ」と、決定してはいけない、ということです。
カロテンはもちろんですが、緑黄色野菜はやはり栄養価の高いものが多い、といえます。ビタミン類も豊富です。
◇淡色野菜
淡色野菜は、緑黄色野菜以外のものです。
漢字から想像できるように、色が薄い野菜です。淡色野菜の特徴のひとつが、えぐみが少ないうえに柔らかいこと。そのため、生食に向いているものが多いです。
この「生食」というのが、ひとつのポイントだとわたしは思っています。というのも、多くの野菜が持っている栄養素であるビタミンCは、熱に弱いという特徴があります。
生食できればビタミンCを損なうことなく摂取できます。これは、とても嬉しいことです。
■食べる部分によって分ける
野菜は、「どこを食べるか」という視点からも分類することができます。
ここでは、「どこ」に注目して野菜をカテゴライズしていきましょう。
◇葉菜
葉菜と書いて、「ようさい」と読みます。「はさい」という方もいます。
葉物(はもの)と呼ぶ方もいます。
これは、葉の部分を食べる野菜の総称です。
例としてあげてみますと…キャベツやホウレンソウ、白菜、レタスです。ひと目で「葉っぱ」だとわかるので、葉菜は比較的わかりやすいですね。
◇根菜
これも、耳にしたことがある方が多いかもしれません。
根菜(こんさい)という文字から想像できるように、根っこを食べる野菜を指します。
例としてあげてみますと…ゴボウ、大根、ニンジンです。カブも根菜に分類することが多いのですが、実はカブの白い部分は根っこではなく茎なので便宜上「土の中」にできるもの、と考えてもよいでしょう。
◇果菜
果菜(かさい)は、ちょっとわかりにくいかもしれません。
受粉した後、結実した実の部分を食べる野菜のことです。
例としてあげてみますと…トマト、ナス、ピーマン、オクラが該当します。
どちらかというと、夏野菜に多いですね。
◇茎菜
茎菜と書いて「けいさい」と読みます。
文字どおり、茎の部分を食べる野菜です。
例としてあげてみますと…ネギ、たけのこ、アスパラガスなどがこれに該当します。
ちょっと変わり種系の野菜たちです。
◇花菜
こちらは花芽を食べる野菜のことで、花菜(かさい)と呼びます。
果菜と花菜…発音は同じですが、まったく違うことに気づいていただけると思います。
花菜は、花そのものというより、むしろ「蕾(つぼみ)」の状態を食べる野菜です。
例としてあげてみますと…ブロッコリー、菜の花、カリフラワーです。
菜の花はともかく、ブロッコリーとカリフラワーについては疑問を感じるかもしれませんね。実は、ブロッコリーもカリフラワーも、あのアフロヘアのようなモコモコした部分は、蕾なのです。そのままにしておくと(収穫しないで畑に放置すると)、モコモコアフロが黄色っぽくなっていき、菜の花のような花を咲かせます。
ブロッコリーもカリフラワーもアブラナ科の野菜なので、菜の花が咲きます。
余談ですが、ブロッコリーを購入後、なかなか食べきれなくて野菜室で放置してしまった経験がある方はいますか? もしかしたら、いざ食べようと取り出したときに、アフロが黄色っぽく変色していることに気づいたことがあるかもしれません。
これは、ブロッコリーが花を咲かせる準備を進めているということ。こうなっては野菜としては味が落ちています。
黄色く変色する前に召し上がってくださいね。
「〇〇科」という名称が同じ場合、野菜の花は基本的にとても似通っています。
ナス科の花はどれも同じような形をしていますし、アブラナ科は言わずと知れた菜の花のようなかわいらしい花を咲かせます。
ただ、なかには例外もありますが、それは一部のヒネクレモノ。本来は、とても似た花を咲かせます。
■レシピに登場する野菜の数え方
野菜を数えるとき、あるいは量を把握するときに、いくつかの単位があります。
これを覚えておくととても便利です。
◇「個」で数える
一般的によく耳にする単位です。例えば、ジャガイモやリンゴなどがこれに当たります。
ジャガイモを例に考えると、同じジャガイモでも品種や固体によって大きさがかなり変わります。
大まかな言い方ですが、「ジャガイモ1個=約130g」と考えます。
レシピに「ジャガイモ(小)」とある場合は、直径3~4cm程度のコロコロとした小いもを指すことが多いです。
また、品種にこだわってほしい、というレシピ製作者の想いがある場合には、「ジャガイモ(男爵)1個」といった表記がされていることが多いです。ジャガイモは品種によって味はもちろんですが、火のとおり具合も異なるので、料理の仕上がりに差が出ることがあります。気をつけてレシピをチェックしてみましょう。
◇「本」で数える
長いものを数えるときに使う単位です。
例えば、大根やゴボウ、人参、ネギ、キュウリが該当します。
大根は1本あたり、約800gと記載することが多いです。
ただ、大根は先端部分(とがったところ)と葉に近いところとでは、太さも味も異なります。レシピに「大根 1/2本」と書かれているようなときには、どうしたらよいでしょう?
この質問は、以前もレッスンでいただいたことがあるのですが、大根の場合は調理方法によって区別するとよいでしょう。
- 煮る場合…中央部分か下の部分
- 生の場合…中央部分か上の部分
◇「束」で数えるもの
ひとつずつだとバラバラになってしまったり、少量過ぎてしまったりするものは、束ねられて販売されることが多いです。店頭に並ぶ形状によっては「束」という単位を使います。
例えば…ホウレンソウ、菜の花、ミツバがこれに該当します。
これらの野菜は、実際にテープ等で束ねられている姿を見ることが多いのでイメージしやすいかもしれませんね。
◇「株」で数えるもの
株と書いて「かぶ」と読みます。
野菜のなかには、地面から出ている1本(これが、1株)に複数の実がなったり、たくさんの葉を収穫できたりするものがあります。その一方で、地面から出ている株をごっそり抜き取って、それをひとつの単位として流通させるものもあります。
例えば…チンゲン菜やブロッコリー(ときどき半分にカットして売っていますが、それは例外)、白菜です。
これらは、そのまま株単位でカウントします。
◇「節」で数えるもの
節は、「ふし」と読みます。
文字どおり、節ごとに数えます。節は…そうですね、竹を思い浮かべてください。
縦にすっと伸びた竹には、横に区切れ目が入っていますよね。この区切りを「節」と呼びます。
だから、節を単位にする野菜は、竹と同じように区切れ目がある野菜、ということになります。
具体的に例をあげると…レンコンが該当します。
レシピでは、「レンコン1節」と書かれます。レンコンは節と節の間の長さや太さにばらつきがありますが、一般的には「レンコン1節=250g」と考えることが多いです。
■野菜に関する言葉を知る
数え方や単位とは別に、野菜に関する言葉はまだほかにもあります。
ここでは、とくにレシピに使われる野菜の言葉について考えてみましょう。
◇わたってなに?
ゴーヤーやピーマンを使ったレシピにたびたび登場する言葉です。
「縦半分に切って、種とわたを取り除き…」といったように。
種の回りにあるホヤホヤした白っぽいものです。そう、まさに綿のイメージ!
料理をする際には邪魔になることが多いので、「わたを取り除き」と書かれることが多いのです。
◇板ずりってなに?
キュウリやオクラで使うことの多い言葉です。おもにキュウリの下ごしらえ(下準備)で登場します(とくに昔のレシピに多いかも)。
軽く塩をして、まな板の上でゴロゴロと転がします。このとき、少しだけ斜め下に向けて力を入れるのがコツです。
そもそも板ずりはなんのためにするか、ということなのですが、キュウリもオクラの共通点から考えてみてください。どちらも表面がザラザラした野菜です。キュウリはイボイボがありますし、オクラも産毛が生えています。
それらを取り除くことで、味が馴染みやすくなるとされています。つまり板ずりは、美味しい一皿のためのひと工夫なわけです(素晴らしい!)。
◇石づきってなに?
キノコ類全般に使う言葉です。
「しいたけは、石づきを取って縦半分に切る」といったように。
石づきとは、キノコの根元部分の硬いところを指します。そこが残って調理しても、口当たりが悪くなるので、そこは思い切って取り除いてください。
なお、キノコ類は基本的に洗わずに使ってくださいね。
◇湯むきってなに?
湯むきはトマトに使う言葉です。
「トマトは湯むきして…」と、記載されることが多いです。
要するに、トマトの薄皮を取り除く、という意味です。
トマトの薄皮は、加熱してもピロンと残っていることが多いので、加熱調理する際にはあらかじめ取り除くよう指示しているレシピも少なくありません。
湯むきにはいくつか方法があります。
ひとつめは、熱湯にさっとくぐらせて、素早く冷水に入れます。すると、おもしろいように皮がスルスルとむけていきます。レッスンをしていると、丁寧な方ほど湯に浸す時間が長くなりやすい傾向があると感じます。あまり長く浸してしまうと、「茹でトマト」になってしまうので、あくまでも「サッと」がポイントです。
もうひとつが直火に当てること。とくに大きなトマトの場合、フォークをブスリとトマトに刺してしまって、フォークを手に持って直火に当てるのも簡単です。ただし、ミニトマトの場合は注意が必要です。フォークを刺すのも面倒なら、数が多いとさらに面倒です(経験者です)。この方法は、いわゆるミディサイズ以上のものでチャレンジしてください(わたしはミディでも面倒だった)。
いかがでしたか?
店頭で野菜を手に取る際に、そしてレシピを見る際にお役立ていただけたら嬉しく思います。
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