日本で唯一の「ゆるベジらく膳やさい料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「魚焼きグリル活用法について」です。
Contents
■魚焼きグリルは、魚を焼くだけ?
さて、このブログを呼んでくださっている方のキッチンには「魚焼きグリル」はありますか?
ガスでもIHでも、どちらでもいいのですが、鍋をおいて加熱するスペースの下にある(多くの場合)引き出し式のグリルのことです。
わたしの家は、ごくフツウのガスコンロですが、それでも魚焼きグリルはついています。
引越しが多いので、住む場所によってコンロの形も様式も変わります。
もちろん、自分の「マイガスコンロ」も持っています。家によっては備えつけられていますが、そうでなく持ち込まなくてはいけないケースもあるからです。
現在は、備え付けのガスコンロを使っています。
ごくふつうの3つ口のコンロに、魚焼きグリルが付属しているタイプです。
わたしは、自分や家族の食事はもちろんですが、レッスンでも比較的よく魚焼きグリルを使用します。魚を焼く、という用途以外にも使っています。
先月のレッスンでも使ったのですが、その際に「先生は魚焼きグリルをよく使いますよね。わたしは魚を焼くぐらいしか使いません」という方がいらっしゃいました。
それを聞いて「えー、わたしは魚をむしろ焼かない!」という方もいらしたので、「じゃあ、魚はどうしているの?」という質問やら、「魚を焼かずに何に使うの?」という質問が飛び交いました。
わたしも、興味津々でその方に「使い方を教えてください」と、飛びついてしまいました。
その方は、魚はフライパンで焼き、パンをグリルで焼いている、ということでした。
ちょっとしたきっかけてで盛り上がった話題でしたが、それぞれのご家庭の様子が伺えてとても楽しいひと時でした。
■魚焼きグリルの特性を知ろう
そもそも「グリル」とはなんでしょう?
グリル=網焼きにすること。網焼き料理のこと。(医歯薬出版株式会社 調理辞典より)
確かに、魚焼きグリルは網がありますね。その上に魚をのせて焼きます。
グリルという言葉に注目すると、網焼きにするのは魚でなくてもよい、ということになるとわたしは考えています。
つまり結論から言えば、魚焼きグリルは「魚を焼くだけではもったいない」です。
この話をしたときに、「臭いが気になる」というお声もありました。確かに魚を焼いたままだと気になりますが、洗って乾かしてしまうと気になりません(少なくともわたし自身は)。
皆さん、ニンニクを調理したフライパンを洗って別の料理にも使いますよね? それと同じ感覚です。
それでも、どうしても気になる方は精神的な心地良さを優先してもいいかもしれません。そこは自由です! そして、その自由度の高さが「ゆるベジらく膳やさい料理」です(笑)。
魚焼きグリルは、コンロに設置しているタイプもありますが、独立した家電としても存在しています。実際、知り合いのご家庭では魚焼きロースターと呼ばれる独立型の道具を愛用しています。これ、結構便利そうです。わたし自身は使ったことがないのですが。
魚焼きグリルの最大の特徴は、そのサイズにあります。
もともと魚用に作られているので、基本的にコンパクトです。オーブンに比べると温度が簡単に上昇します。それもかなり高温まで一気にあがります。
商品にもよりますが、某ガス会社さんの商品はスイッチを入れてから約1分で300度くらいまで上昇する、というデータもあります。
さらにいうと、この高い温度をしっかり維持できます。これは、急いで調理したい方にとってはとても嬉しいポイントです。
さらに、網にも注目です!
網があることで、余分な脂が落ちスッキリとした焼き上がりを楽しめます。
最近は、網のない魚焼きグリルもあるようです。
また、高さや奥行きの広いタイプも登場しています。これなら鍋やグリルパンを直接入れることもできて、ますます便利です。
わたしもそうですが、どうも「名前の印象」に引きずられてしまって「魚じゃないとダメ」といった無意識の呪縛に囚われている方が多いように感じました。少しだけ柔軟に、「網焼き料理道具」と考えたら、いろいろな活用方法がありそうです。
■メーカーによる違いも
注意したいのは、メーカーによって商品に違いがあることです。
たとえば…我が家の魚焼きグリルは、片面焼きです。上から熱が放出されるので、食材の上下を返さないといけません。上下を返さないと、上側が焼けていても、下が生焼け状態だった、ということになりかねません。
逆にわたしの実家の魚焼きグリルは、両面焼きです(悔しいけれど、母が使っているもののほうが最新式です)。途中で上下を返すことも、タイマーがあるのでスイッチを切る必要もありません。とても便利です。温度も時間も設定さえすれば(オート機能も充実していています)、ほぼ放置状態で料理できます。
火力の違いもあります。我が家のものと、実家のものを比べると、どうも最新式の魚焼きグリルのほうがパワーがあるように感じます。説明書を読み比べてはいないのですが、焼き上がりまでの時間などを比較すると、やはり最新式にはかなわないな、と感じます。
皆さんのご家庭で使っている魚焼きグリルをもう一度確認して、上手につきあってみてください。
■失敗を避けるための魚焼きグリルのトリセツ
これまで古いタイプから、比較的新しいタイプまで、いろいろな魚焼きグリルを使ってきました(このあたりは、転勤族の強みですね)。
そこで気づいたコツがあります。どのメーカーさんの魚焼きグリルであっても、このコツだけは変わりません。
それは、予熱が大切、ということ。
食材を網の上に並べてから、スイッチを入れるのでは遅いのです。
先にスイッチを入れて、2~3分放置しておきます。すると、グリル内もそうですが、網もほどよく熱せられます。
温まった網の上に食材を並べると、網に食材がつくことなく綺麗に焼き上げることができます。
このブログを呼んでくださっている方のなかに、魚を上下返そうとしたら皮が網についてしまってボロボロになってしまった、という経験がおありの方はいらっしゃいませんか? わたしはかつて失敗したことがあります。せっかくのアジも皮がボロボロになってしまい、ちっとも美味しそうに見えなくてガッカリしました。
2~3分でいいのです。
先に加熱をしてグリルと網をじゅうぶん温めてから調理してみてくださいね。
■ベジ楽おすすめの魚焼きグリル活用術
魚焼きグリルの魅力を感じていただけたところで、ベジ楽流のおすすめの使い方をご紹介します。
◇焼き野菜!
これは外せません。本当に野菜が美味しくなります。
野菜オタクのわたしがいうのですから、間違いありません。
とくにおすすめなのは、ソラマメとパプリカ。それとズッキーニ、ナス、たけのこ!
たけのこは、もう少ししたら鹿児島産のものが出回り始めますね。今からワクワクします。
グリルでじっくり焼いて(中火程度がおすすめです)、柚子胡椒と共にいただくと最高です。
ソラマメも、もう少ししたら旬を迎えます。これは鞘ごと真っ黒になるまで焼いてください。
ソラマメは鞘があることで、なかの豆が蒸し焼き状態になります。滋味深い味に仕上がります。わたしは下戸ですが、お酒が好きな方にお出しして喜ばれなかったことのないメニューです。
パプリカもソラマメ同様に、真っ黒に焦げるくらいまで焼いてください。それを冷水にとって焦げた薄皮を丁寧にむいていきます。するとまるでフルーツのような甘みのあるパプリカが姿を現します。甘酢漬けにしたり、好みのドレッシングと和えたりして召し上がってみてください。とても上品な前菜になります。
ズッキーニとナスは輪切りにして、表面に焼き色をつけるようにして焼いてください。これはシンプルに塩をふっていただくのがおすすめです! 余分な水分がぬけて、本来なら淡泊な味わいのズッキーニやナスがびっくりするほど自己主張をして、旨味たっぷりに変化します。
まだ旬が先のものもご紹介しましたが、ぜひぜひお試しくださいね。
◇パン
パンもまた魚焼きグリルで焼くと美味しく仕上がります。ただ、トースターよりも温度が上がるので、焦げないように注意してみてください。
パリッと焼いた食パンは、外側がサクサクで内側がしっとりしていて、これまた最高です。わたしは5枚切りか4枚切りくらいの厚みのあるトーストを作り、それにバターをぬっていただくのが好きです。
◇グラタン
スキレットを使うと、グラタンがとても簡単に作れます。
スキレットとは、鋳物の小さいフライパンのことです。コンロに置けばフライパンとしても使用できますが(ガスでもIHでも使えるタイプが便利です)、そのまま魚焼きグリルに入れてもいいですし、オーブンにも入れられるものです。
小さいので、そのまま食卓に器として出しても何ら違和感がありません。
これでグラタンを作る場合、途中まではコンロで加熱しておきます。
その後、最後の仕上げをしたくなったら、チーズなどをのせて魚焼きグリルに入れます。先ほど書いたように、わたしが現在使っているグリルは上から加熱するタイプなのでチーズなどグラタン上部にきれいに焦げ目を入れたいときにとても便利です。
レッスンでもこのような使い方をすることが多いです。
ただ、魚焼きグリルはわたしにとっては鬼門でもあります。というのも、グリルできれいに焼き色をつけた後、皆さんに召し上がっていただくまでなるべく冷めないようにグリルに料理をわざと入れておくことがあります。
すると「さあ、食事にしましょう」と試食タイムが始まってから、「先生、グラタンは?」と聞かれてしまうのです。お恥ずかしいのですが、何品も料理を作るレッスンなので、うっかり忘れてしまうのです。
最後に皆さんとコンロの上を見たり、冷やしておいた料理を冷蔵庫から出したりするのは忘れないのですが、魚焼きグリルを開けてチェックするのを忘れてしまうことがあるのです。
最近では、「わたしが忘れていたら言ってくださいね」とお願いしてしまうほど。今年はこの失敗をやらないように気をつけたいと考えています。
■魚焼きグリルのお手入れ
使った後は洗浄する。
これは当たり前なのですが、ここでもわたしはスイッチを入れて乾燥までさせてお手入れを終えるようにします。加熱している時間は2~3分で、予熱の時間と同じです。
これで臭いがまったく気にならなくなることが大きな理由ですが、古くなってくると(我が家のものは古いです)網に水分が残っていると錆びやすいと感じるからです。
錆びがついた道具を使うのは、やはり抵抗があります。
洗浄のタイミングは、できるだけ温かいうちがよいのですが、小さいお子さんがいたり、忙しかったりする場合はそう言っていられないと思います。そのときは、焦げ落とし専用の硬めのスポンジやたわしを使えばいいので、心にゆとりのあるときに洗えばよいのでは、とお話するようにしています。
というのも、佐賀に住む友人のひとりが、つぶやいた言葉が心に残っているからです。
「よく料理や家事の本には、温かいうちに拭けば油汚れもすぐに落ちるって書いてあるけれど、赤ちゃんが泣いていたらそんなこと言っていられない。あの言葉を読むたびに、自分がダメだと言われているように感じて落ち込む」
心優しい友人ならではの言葉です。落ち込んだり、苦しくなったりするのなら、思い切って後回しにしてしまっても、とゆるベジらく膳やさい料理的には考えています。
さて、ベジ楽ではブログに書かれているような料理に関する話や、野菜や食材に関するマニアな話を毎週火曜日に配信しています。2020年1月現在、お友達登録をしてくださった方全員に「ミニ体質診断チェックシート」をプレゼントしています。診断結果をトーク機能からお教えください。結果に基づいて、おすすめの野菜や食材についてさらに詳しい情報を動画にて無料でプレゼントしています。
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