日本で唯一の「ゆるベジらく膳やさい料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「カリフラワーとブロッコリーの違い」です。
形状は似ているけれど、色が違うふたつの野菜「カリフラワー」と「ブロッコリー」。
これらの違いについて今日は書いてみようと思います。
Contents
■カリフラワーとブロッコリーはどっちが人気もの?
カリフラワーとブロッコリーは、形状がとても似ています。どちらもアフロヘアのようなモコモコとした形をしています。
「なんでこんな形になったの!?」と、訪ねたくなるような形状で野菜売り場でもひと目で見つけられます。
形は似ているのですが、徹底的に異なるのが色。
カリフラワーは白(いろいろな色がありますが、スタンダードな色は白です)で、ブロッコリーは緑(こちらもいろいろな色がありますけれど、やはりスタンダードなところは緑です)。まったく色合いが異なります。もちろん、味も。
皆さんはどちらがお好きですか? また、どちらのほうが人気があると思われますか?
レッスンに参加された方にお話を伺ったところ、圧倒的にブロッコリーの人気が高い、という結果が出ました。なかには、「食べ方がわからなくて買いません」というコメントをくださる方もいらっしゃいました。ただ、「食べ方がわかれば買いたい」という声もあったので、ブロッコリーに比べるとなじみがない、というのが本当のところのようです。
実際に福岡市内のスーパー等をぐるぐる見て回ったのですが、売り場面積はブロッコリーのほうが広く、カリフラワーは狭い中にちょこちょこと置かれているだけでした。
わたしの周囲の意見や様子から判断すると、人気者ランキングはブロッコリーに軍配が上がります。
わたしの好みをいうなら、料理方法にもよるのですが、カリフラワーが好きです。
判官びいき、といっても構いません。こんなに美味しいのに、こんなに不人気なんて、という不憫な気持ちになってしまうのです。
まあ、わたしのように野菜を「かわいそう!」と強く思う人間はおそらく少数派でしょうから(まあオタクくらいですよね)、一般的な意見としては先ほど書いたようにブロッコリー派が多数を占めるといってもよいでしょう。
■カリフラワーとブロッコリーの共通点
共通しているのは、形です。
そして、菜の花に似た花を咲かせるアブラナ科の野菜であることも共通しています。
また、おもに食べる部分が花蕾(からい)という、蕾(つぼみ)であることも同じです。そう、あのアフロは「花のもと=蕾」なのです。
薬膳的考え方だと、どちらも「平・甘」に分類されます。
「寒・涼・平・温・熱」の5つに分類すると、「平」はちょうど真ん中。中庸であることを意味します。
さらに甘は、胃腸を健全に保つという意味合いがあります。
さらに、旬が11月から3月にかけて、というのもどちらの野菜にもいえることです。どちらも寒い時季に美味しい野菜です。ちょうど今は食べ時です!
食べましょう!
■カリフラワーってどんな野菜
カリフラワーは今から2000年ほど前のイタリア(古代ローマ時代)ですでに誕生していたという記録が残されています。ただ、その頃はカリフラワーという名称だったわけではありません。「シマ」という名称で多くのローマ市民に親しまれてきました。
名称の違いからも推測できるように、今とまったく同じ品種が出回っていたわけではないようです。現在のカリフラワーが品種改良されて今の状態になったのは、19世紀になってからのこと。今もこの品種改良は続いており、カリフラワー売り場は白一色からだいぶカラフルなものへと変わっています。
白だけだったカリフラワーですが、オレンジや黄色、紫色のものを選べるようになりました。
さらにいうと、日本に入ってきたのは明治時代。今から約150年ほど前のことです。当時の日本ではさほど人気が高くはなく、実際に広まったのは戦後のことです。食の西洋化と共に白い色がおしゃれだという認識も生まれ、一般家庭でも広く食べられるようになりました。
形状も品種改良によって変化が生まれました。モコモコのアフロだけでなく、スティックカリフラワーとも呼ばれる、茎が長い「カリフローレ」という品種も購入できます。これはごく最近のことです。カリフローレがどの程度広まるのかは、今後の人気次第といったところでしょう。
柔らかく、滑らか。(加熱の加減によっては)歯ごたえも楽しめる。
優しい味。
カリフラワー全体の味を表す言葉です。煮ても、焼いても、揚げても(よい意味で)クセのない味わいを楽しめます。
◇カリフラワーの栄養
ビタミンCがとても豊富な野菜です。茎にもたっぷりのビタミンCが含まれているので、捨てずに食べてくださいね。
ビタミンCは疲労回復と美肌にも欠かせない栄養素です。
ビタミンCは熱に弱いのが特徴とされていますが、カリフラワーのビタミンCは比較的熱に強いのが特徴です。
また、近年注目されているのが「イソチオシアネート」と呼ばれる成分。これは免疫機能を高める力を期待できます。さらに、ガンの発生を抑える力があると主張する声もあります。
いずれにしても、元気な毎日をサポートしてくれる野菜であることは確かです。
■ブロッコリーってどんな野菜
ここからはブロッコリーについて書いていきます。
ブロッコリーもカリフラワーと同じくらいの歴史があります。イタリアで誕生した野菜で、古代ローマ時代には一般に広まったとされています。
キャベツの野生種から改良されており、日本に入ってきたのは、やはり明治のころ。ただ、その広まり具合に関していえば、カリフラワーに対してブロッコリーはほとんど浸透しませんでした。
実際に消費量に関する農林水産省のデータによると、1970年代に入ってからブロッコリーの消費量が増えたことがわかります。
このころ、アメリカからのブロッコリーの輸入量が増えたこと、緑黄色野菜が身体によいという知識が一般的になったことが影響していると推測できます。
生産量でいっても、カリフラワーは16,600トンの出荷量に対して、ブロッコリーは138,900トン(ともに2018年のデータ。農林水産省による統計データを引用)と圧倒的にブロッコリーが多いのです。
食べ方も茹でてマヨネーズでOKという手軽さも人気の秘密かなぁ、と個人的には考えています(大手マヨネーズメーカーさんのコマーシャル等でマヨネーズ&ブロッコリーの組み合わせをよく見ますよね)。
お弁当にも手軽に入れられるうえに、ビジュアルも文句なし。
今やブロッコリーの勢いも止まることがない、という感じです。実際にブロッコリーも品種がとても増えていて、スーパー等で選びながら購入できるようになりました。いろいろと食べ比べてみるのもおすすめです。
◇ブロッコリーの栄養
緑黄色野菜であることから推測できるように、カロテンがとても豊富です。カロテンは抗酸化作用があることでも知られています。アンチエイジング効果を期待できます。
ただし、抗酸化作用物質は「複数摂ったほうが効果的」なのです。
目安は野菜の色。
野菜の色は、抗酸化作用物質によるものであることが多いです。だから、食卓が色とりどりだとそれだけ多くの抗酸化作用物質を摂れるということ。ベータカロテンやリコピンなどの単語を知らなくてもいいのです(あー、言っちゃった!)。見た目にカラフルな状態を目指すと意外とバランスがとれています。目安として頭の片隅に置いておいてくださいね。
さて、話が少しそれましたが、ほかにカリウムやカルシウムも期待できます。
カリウムは利尿作用があるので、排尿のリズムをととのえてくれます。むくみが気になる方はぜひ召し上がってください。
カルシウムは骨や歯の形成に欠かせません。とくに女性の場合は、カルシウムが不足すると骨粗しょう症の心配も。一般に女性の場合、閉経後に骨粗しょう症を発症する方が多いと言われていますが、発症してから対策をするのでは遅いともいわれます。
日頃から(若いうちから)意識して召し上がってください。ブロッコリーはおすすめです。
■カリブロってなに?
最近はカリフラワーの一種である「カリブロ」と呼ばれるイタリア野菜も人気です。本国イタリアでは古くから食べられてきており、いわゆる伝統野菜に分類されます。
ほかには「ロマネスコ」「うずまき」「さんごしょう」とも呼ばれています。
カリブロという名称からもわかるように、カリフラワーとブロッコリーのイイトコドリの野菜です。両者の祖先にあたる、という説もあります。
もうゴツゴツとしたフォルムが圧倒的な存在感で、見ているだけで「自然ってすごーい」と思うのです。
こんなものつくっちゃうなんて、自然界ってすごすぎ!
と、究めて稚拙な感想ではあるのですが、でもやっぱり思います。
形状も色も美しいのですが、味も素晴らしいのです。ほどよい歯ごたえと旨味、爽やかさ…もういろいろそろっていて、イタリアンはもちろんですが、和食にも中華にも合います。本当に美味しいのです。
ちなみにカリブロの旬は11月から3月にかけて。まさに今が美味しい時季です。ぜひぜひ召し上がってください。
■結局、どれが美味しいの?
どれも美味しいです!
冒頭で書いたように、わたしの回りではブロッコリー人気が高いのですが、美味しさでいうならどれも変わりません。
色も味もそれぞれ本当に個性があるので、ぜひいろいろと食べ比べてみて欲しいなぁ、と思います。
味比べにおすすめなのが、共通の料理法。
それぞれ得意とするジャンルが異なるのですが、わたしが自信を持っておすすめできる「カリフラワーもブロッコリーもカリブロも美味しく食べる方法」は、グラタンです。
ホワイトソースとチーズ、そして茹でた3つの野菜。本当に美味しいですよ。
ぜひぜひ試してくださいね。
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