日本で唯一の「ゆるベジらく膳やさい料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「マスク事情と花粉症、そして野菜」です。
■マスクがない⁉
先日、マスクを買いに近所の店舗に出かけました。
いつもマスクが並んでいるあたりをウロウロしてもまったく見当たりません。
ニュースでたびたび耳にするマスク不足。
もしや、ここでも?
ちょうど近くをお店の方が歩いていたので、「すみません」と声をかけて「マスクってありますか?」と尋ねました。
するとお店の方が「申し訳ございません。入荷待ちです。ただ、入荷の時期については今のところはっきりしたことを申し上げられません」と、本当にすまなそうにおっしゃいました。
やっぱり。というか、少しだけ予想はしてはいたのですが、ここまで売り場がすっからかんだとは思ってもいなくて(東京じゃないし、福岡だし、少しくらいはあるよね、と高を括っていました)、びっくりしました。
まあ、あれだけ騒いでいたら、不安になって買いたくなる気持ちもわからなくはないのですが。
しかしながら、わたしにはマスクを購入したい別の理由があったのです。
花粉症
我が家はわたしもですが、パートナーも花粉症。
わたしは杉よりもセイタカアワダチソウ(もう書くだけで嫌です。思い出すだけでムズムズしちゃいます)の花粉が苦手なので、重度の花粉症の方にくらべたらずっと軽いのですが、それでもマスクが欲しかったのです。
やはりマスクをしていると、これからの季節は身体がラクなので。
でも、ないとなったら仕方ありません。なんとかやり過ごすしかないでしょう。
■花粉症ってなに?
花粉症とは、アレルギーの一種です。
アレルギーは免疫機能の暴走によっておこる、と考えるとスムーズに理解できます。
では、免疫ってなんでしょう?
免疫とは、わたしたちのなかに入り込んだ有害物質(花粉症の場合は、花粉が該当します)から、身体を守るはたらきのこと。さらに、免疫力はその身体を守る力について指します。
免疫力が落ちるとは、すなわち、身体に侵入した有害物質に抵抗する力が弱くなる、ということ。
花粉だけでなく、これが風邪のウィルスの場合は風邪をひきやすくなります。インフルエンザも同様です。食中毒なども、同じように考えることができます。
同じ環境にいるのに、風邪にかかる人とかからない人がいるのは、この免疫力によるところが大きいともいえます。
ただ、もともと持って生まれた体質や性質、食生活など、いろいろな要素が複雑に絡み合っていることなので、簡単に免疫力のあるなしについては語れないのが実情だと思います。
本来、わたしたちの身体を守るための免疫が、害のないはずのものも「追い出せーっ!」と激しく反応してしまうものがアレルギーです。
花粉症の場合、花粉が体内に入ってくることで、「悪いのがきたぞ。追い出せーっ!」と身体が反応してしまう、ということになります。その反応がくしゃみや鼻水として現れるのです。
余談ですが、食物アレルギーも同じです。
わたしのムスメは食物アレルギーをもって生まれました。
赤ちゃんのころ、肌がただれたムスメを見た方に「かわいそうに、お母さんがちゃんと食事をしていなかったからいけないのね」「かわいそう、おかあさんがちゃんとしていないから」というようなことを言われたことが複数回あります。
「ちゃんとってなに?」とは思ったものの(思うくらいは許されるでしょう)、正直めんどうで(だって絶対にめんどうな言葉が返ってきそうでしょう?)苦笑いしながらスルーしていました。
そのようなことがあった頃、肌荒れの原因がわからずに病院をいくつもはしごして歩いていました。何か所もうろうろしたあげく、あるアレルギー専門の小児科の先生のもとを訪れ、ようやく卵と乳にアレルギーがあるとわかったのですが、先生が診察後「お母さん、この子はそういう体質で生まれただけです。絶対にお母さんのせいではありません。これから元気よく育ててあげてください。大らかにね」と言われたのです。
診察を終え、ちょうどドアをあけて出るところでした。
思わず振り返って先生をじーっと見ちゃいました。「ありがとうございます」という言葉が出ると同時に救われたような気持ちになったことを、今もはっきり覚えています。
自分の体験も踏まえ、アレルギーについて軽々しく「食生活が悪いのよ」「なにか悪いことをしたんじゃないの」(←実際にわたしが言われた言葉です)というようなことを書くつもりは毛頭ありません。
そんなこと言われたって困るよね。苦しいよね。とは思うのですけれども、責めるようなことは言えません。
もし、もしも、かつてのわたしのようにビックリするような言葉を投げかけられることがあったら、華麗にスルーされてくださいね。それが精神衛生上いちばんよいのではないかと思います。
話がそれました。
戻しましょう。
花粉症は花粉が体内に入り込むと、身体の免疫が過剰に反応してしまうアレルギー疾患です。
■花粉症にきく野菜ってありますか?
あります、あります!
花粉症に効くと考えられる野菜はあります。
ただ、気をつけたいことも。
「ばっかりはダメ」ということです。レッスンでもたびたび申し上げているのですが、「〇〇だけ食べる」「××さえ食べればよい」という健康法をわたしはあまりおすすめしません。
理由はいくつかあるのですが、もっとも強く思うのは
こんなに美味しいものがあふれているのに、「だけ」なんてモッタイナイ!
です。…すみません、食いしん坊です。
でも、惜しくはないですか?
これだけ美味しいものがあふれる世の中で、「〇〇だけ」と決めてしまうなんて。
それと、もうひとつ。
やはり食事にはバランスが大切だと思うからです。
これはちょっと真面目な話ですが、わたしたちの身体はいろいろな細胞が機能することで健康を維持しています。いろいろな細胞を支えるのが、食べ物です。
いろいろあるのですから、支えるものもいろいろあってよい、というのが私の持論です。
もうひとつ、挙げるとするなら…色!
これも先ほどのバランスともつうじる話なのですが、食卓にいろいろな色があったほうが気分がよいと考えるからです。
気分のよさは、ご機嫌な状態につながります。
人間はご機嫌でいられれば、そんなに不健康な状態ではない(はず)!
これも、40年以上生きてきて、わたしが到達したところです。まだまだ未到達のところが多い人間ですが、ご機嫌論については到達したかな、というところ。
後ほど書くつもりではいますが、ご機嫌でストレスが少ない方が人間は健康的だと考えています。
さて、野菜の話に戻しましょう。
花粉症に効果を期待できる、とされる野菜は次のとおりです。
- 大根
- ショウガ
- ネギ
- フキノトウ
- 納豆
薬膳では、花粉症を考える際に「肺」を意識します。
「肺は皮毛を司り、鼻に開竅(かいきょう)する」という言葉で表現されることがあるくらい、肺と皮膚、肺と鼻は深いつながりがあります。
肺が健全な状態をキープしていると、皮膚も鼻も健全です。
皮膚の乾燥は、肺の乾燥から。鼻水は肺に湿邪(しつじゃ)と呼ばれる湿った病原菌が入り込むことによっておきます。アレルギーとは別ですが、鼻づまりは熱邪と呼ばれる乾燥した病原菌が入り込むことによって起きる、と考えます。
湿邪や熱邪といった言葉はともかく(覚えなくても構いません)、肺を健全な状態でキープできる野菜がよい、ということになります。
その点、上記にあげた野菜…納豆は野菜としてあげるにはちょっと無理がありますが大豆製品として考えてください…はおすすめです。
大根やショウガ、ネギは薬膳では「辛」という味の性質がある、と考えます。
辛は、血行をよくして発汗を促す作用があります。そして同時に、気をめぐらせます。なにより体表を開いて身体に侵入した邪気(病気の原因とも呼ぶべきマイナス要素)を発散してくれるという力も。
とくに最後の「身体に侵入した邪気を発散」というところが、アレルギー疾患に向いているといわれる所以です。
邪気という言葉を聞くと、「なにやら怪しくない?」という反応がかえってきそうです。確かに、わたしも初めて耳にしたときには「邪気ぃぃ!?」とひっくり返りそうになった覚えがあります。
薬膳の世界(というより、中医学といったほうがよいかもしれません)では、ウィルスなど体調不良の原因となるものをすべてまとめて「悪いもの=よこしまなもの(“邪ま”と書きます)」と考えます。冬の冷たい風も、体にとってはマイナスなので、これもよこしまなもの、と捉えます。ざーっくりマイナスのもの、とまとめるわけです。
これをさらに細かく考えると、寒さを伴うよこしまなものを「寒邪」湿っぽくジメジメしたよこしまなものを「湿邪」などに分類できます。
邪まなもの=邪気を身体から発散させて、体調不良の原因を取り除く、という意味で「辛」の性質を持つ野菜は有効なのです。
また、フキノトウの場合は「苦」に分類される性質に注目です。
「苦」は、デトックス効果を期待できる性質です。身体の不要なものを体外に排出する力があると考えます。その点、フキノトウはぴったり。
実は、冬眠から目覚めたクマがいちばん最初に口にする食べ物がフキノトウだと言われています。冬の間に体内に蓄積された老廃物を排出するために、フキノトウが有効だということですね。
クマはデトックスという言葉を知らないでしょうし、誰かに目覚めたらフキノトウを食べなさいと教わったわけでもないと思うのです。それでも、きちんとフキノトウを選んで食べることに「すごい」と感心せずにはいられません。
■ご機嫌でいることも花粉症対策かも⁉
これは完全に持論なので、医療従事者にはため息をつかれてしまうのでしょうけれども、わたしはご機嫌な状態でいることも、花粉症対策になるのではないかと考えています。
病は気から
という言葉は、ある種の真理をついていると思うのです。
気持ちが原因で病気にかかってしまうことがあるように、気持ちに引きずられるように元気になることだってあるはず、だと。
だから、わたしはご機嫌で過ごすことを心掛けてします。
皆さんはいかがでしょうか。ぜひともご機嫌で春を迎えてくださいね。
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