日本で唯一の「ゆるベジらく膳やさい料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「野菜の切り方の基本をマスターしよう これが料理上手への第一歩」です。
Contents
■野菜の基本の切り方 まずはこの10方法
野菜の切り方にはいろいろあります。
ここでは、レシピによく登場する切り方で、これさえおさえておけば困らない、という12の方法についてご紹介します。
レシピには(わたしのレシピにかかわらず、どんなレシピでも)さまざまな言葉が登場します。それでも、作り方でいうと最初のほうに登場します。
「人参を●●切りにする」やら「大根は厚さ3センチの△△切りにしておく」という文言を見た記憶のある方は多いでしょう。
つまり、「野菜を切る」という行為は料理のファーストステップ。このステップを踏まないと、加熱や調味といった次のステップには進めません。それだけではありません。どう切るかによって、仕上がりが変わってきます。
料理上手への第一歩としてぜひ参考にしてくださいね。
◇輪切り
筒状の野菜を切り口が円形になるように切る方法です。レシピには、「3センチ厚さの輪切りにする」というように厚みについても触れていることが多いです。
厚みは、そのまま火のとおり具合に関わるので、レシピに記載されているような場合は無視しないほうがよいでしょう。
輪切りにすることの多い野菜は、大根や人参、サツマイモ、サトイモ、ナス、タマネギ、キュウリです。
◇半月切り
輪切りをさらに半分に切って、半円の形状にする切り方です。
輪切りにする野菜は、そのまま半月切りにもできます。上記したように、大根や人参、サツマイモ、サトイモ、ナスは定番野菜です。
ほかにカブやレンコンといった輪切りだけでは大きくて食べにくい野菜も、半月切りにすることが多いです。
◇いちょう切り
輪切りにした野菜を、さらに十字に刃を入れて4等分するのが、いちょう切りです。「いちょう」という名称の由来は、植物の銀杏(いちょう)。銀杏の葉の形に似ていることから、いちょう切りと呼ばれるようになったとされます。
煮物や味噌汁など、いろいろな調理で使われる切り方です。
◇くし形切り
タマネギやトマトといった球形の野菜を切るときの方法です。大きさの目安となるように、レシピでは「6等分のくし形切りにする」といった表現をすることが多いです。
この「くし形」という名称の由来ですが、昔の飾り櫛に形状が似ていることに由来しています。
◇小口切り
ネギやゴボウといった細長い形状の野菜を輪切りにする方法です。わたしは、幅は料理に合わせて、と習ったのですが、料理の本によっては5ミリから1センチに切ることを小口切りという、と記載されたものもあります。
◇斜め切り
長細いものを斜めに切る方法です。おもにキュウリやネギ、ゴボウなどで使います。包丁の刃の角度によって、斜めの長さが変わってきます。「〇センチ長さの斜め切りにする」と書かれた場合、斜めの切り口の長さを指しています。
◇細切り
ニンジンや大根、ピーマンなどで使う切り方。薄切り(場合によっては、斜め薄切り)にしたものを重ねるようにして、端から細い棒状に切っていきます。このとき、「〇センチ長さの細切りにする」と長さを指定しているレシピも多いです。
◇千切り
「せん切り」とも書きます。細切りと形状は極めてよく似ていますが、太さが大きく異なります。千切りと表記する場合、一般的には1~2ミリ角であることが多いです。
サラダに入れて生のまま食べたい人参や、刺身添える大根など、用途が比較的多いように感じます。余談ですが、わたしは千切りにしたジャガイモをカレー味で炒めたものが、子供の頃から好きです。
◇拍子木切り
柱のような形で切る方法です。一般的には拍子木切りというと、1センチ角前後のことが多いです。長さは、レシピによって指定されていることもありますが、書かれていないケースもあります。そのときには、5センチ前後を目安にすると失敗しません。
なお、拍子木とは、舞台で使う2本の木の棒のこと。カチカチと鳴らすアレです。その形に似ていることから、名づけられました。
◇角切り
立方体に切る方法です。レシピによっては「1センチの角切りする」というように、大きさに指定があります。同じような立方体であっても、小さいものは「さいの目切り」と表記されていることもありますが、切り方自体は同じです。また、さらに小さいものは「あられ切り」ともいいます。目安ですが、さいの目切りは1センチ未満、あられ切りは5ミリ程度です。なかには、1センチを少し超えていても、さいの目切りと記載されているレシピもあります。
◇短冊切り
薄い長方形に切る方法です。七夕飾りの短冊、といえばイメージしやすいのではないでしょうか。まさに短冊状で、ニンジンでも大根でも使う方法です。一般的なのは幅1センチ前後、厚みは2ミリ前後、長さは5センチ前後というサイズ感です。
◇みじん切り
タマネギが代表的でしょうか。とにかく細かい(笑)。一般には2~3ミリ角だとされます。
ただ、動画についてはわかりやすくしようとちょっとだけ大きめに切っています。ご了承ください。
みじん切りも大きめの場合は、「大きめのみじん切り」や「粗みじん切り」といった表記も見られます。
◇ささがき
ゴボウや人参などを、鉛筆を削るように包丁の刃を当てて切る方法。「鉛筆を削る」という表現に昭和を感じるかもしれませんが、そこは軽くスルー希望です(笑)。
太さのあるものを小さくささがきにしたいときには、縦方向に切れ目を入れておき包丁を当てるといいですよ。
ピーラーを使ってささがきにする方法もあります。わたしは、古い人間のせいか、包丁を使ってしまいますが、どちらが正しいとか間違っているといったことはないので、やりやすいものを使ってください。
■知っておくと便利な切り方 追加で3つ
ここから先に登場する切り方は、特別なテクニックがいるものではありません。ただ、比較的レシピで登場することが多いので、知っておいたほうが絶対に便利です。また、言葉から形状を推測しやすいのも、個人的には気に入っています。
◇ざく切り
端からザクザクザクと切る方法。ホウレンソウや白菜などで使われることの多い切り方。3~5センチ程度が目安。
◇ひと口大
文字どおり「ひと口で食べきれるサイズ」。人によって違うよ、とツッコミたくなるかもしれませんが、3~4センチを目安にするとわかりやすいと思います。レシピでは「食べやすい大きさに切る」と書かれていることも多いです。
◇小房に分ける
ブロックリーやカリフラワー、しめじなどで使われる表現です。房が集まって一株単位で販売されている野菜やきのこ類を、小さい房で分けることをいいます。
ちょっと切れ目を入れて、手で割いてしまうのもおすすめです。とくにブロッコリーは花芽の部分に包丁を入れると、バラバラと細かく切れてしまって残念な結果を生みます。
■切り方を決めるポイント
ここまでいろいろな切り方の名称と方法について説明してきました。ほかにもないわけではないのですが、ひとまずここでご紹介した方法を抑えておけば困ることはないでしょう。
ところで、いつもレシピを見ながら料理をする方はごく少数派ではないでしょうか。
作り慣れているものほど、レシピを見ないで「自分流」につくっていらっしゃる方が多いと思います。もちろん、それがいけないと糾弾するわけではないですよ。そこは誤解をしないでくださいね。
とくに自分で切り方を決める場合、ここに注意すると「こう食べたい」という自身のイメージにぐっと近づけることができます。
その注目ポイントは、繊維です。
野菜はたいてい縦方向に繊維が走っています。その繊維を細かく分断するか、繊維にそって切ることで長く繊維を残すか、乱切りのように繊維の断面をたくさん出すようにするか…この繊維の扱いによって味の染み具合も仕上がりの固さも大きく変わってきます。
一般的には繊維に沿って切ると、シャキシャキとした歯ごたえを残しやすいです。また、煮崩れしにくくなります。
また、繊維に対して直角に刃を入れると煮崩れしやすくなります。また、野菜の水分が出やすいのも特徴です。
とくに変化が激しいと思う野菜は、タマネギとレンコン。
タマネギは生で食べるような場合、辛さの度合いに影響します。繊維に沿って切るとマイルドで、繊維を断つと辛味を強く感じます。
レンコンは、繊維を細かく分断するようにすりおろすとモチモチとした食感が生まれやすく、縦方向に切るとシャキッと仕上げやすくなります。
ちょっとした違いではありますが、食事の際の満足度は大きく変えてくれます。
■料理ごとに切り方が決まっている?
では、調理ごとに切り方が決まっていると思われますか?
「こうしたほうがいい」というおすすめ程度のことはありますが、「この切り方ではないと失敗する」といったことはありません。
先日、レッスンで「きんぴらごぼうのゴボウと人参はどう切るか」という話で盛り上がりました。
ささがき派と千切り派に分かれましたが、皆さんはいかがでしょう?
わたしは…千切り派。それも繊維にそって切って歯ごたえを残す派です。
ささがきで柔らかく煮るのが好き、という方もいらっしゃいました。そして、しみじみと「なんだかんだと、実家の母の切り方に自分も落ち着いてしまいます」とおっしゃったのですが、その一言は居合わせた全員が「そうかも」と深く納得してしまいました。
実は、わたしの実家でも母はきんぴらは千切り&シャキッとで作っていました。偶然ですが、パートナーの実家も同じだったようで、ささがきで作ると「まずい」とは言われませんが、ビミョーに違うといった空気を漂わされます。
おふくろの味というほど大げさなものではないのでしょうけれど、慣れ親しんだ食感というのも食事を楽しむ際に大切な要素だとわたしは思っています。ご自身の感覚で楽しく調理していただけたら嬉しいです。
■「野菜の切り方の基本をマスターしよう これが料理上手への第一歩」のまとめ
基本となる野菜の切り方をまとめると、以下の13方法。
- 輪切り
- 半月切り
- いちょう切り
- くし形切り
- 小口切り
- 斜め切り
- 細切り
- 千切り
- 拍子木切り
- 角切り
- みじん切りささがき
おそらく「聞いたことがある」というものが多く、「見たことも、聞いたこともない」というものはないでしょう。
一度覚えてしまえば、どのようなレシピ本を見ても、「これだな」とわかります。すると、料理のスピードがぐっとあがります。
また、基本を押さえてしまえば、あとは「こういう歯ごたえを残したいから、繊維に沿って切ってみよう」というようなアレンジもできるはず。
いろいろな料理で必要とされるファーストステップ「切る」をもっと身近に楽しく感じていただければ、と思っています。
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