こんにちは。
やさい薬膳料理教室「ベジ楽」の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日もやさい薬膳料理を作っています。
今日のテーマは昨日に引き続き、夏風邪です。
Contents
■夏風邪予防にカボチャが効く
◇夏風邪はひかないのがイチバンです!
昨日は、夏風邪の初期症状に「ニンニク」が効く話を書きました。
風邪をひいてしまったら、その対処が大切ですが(とくに初期の対処)、それ以前に予防できたらもっと素晴らしいのではないか、というのが今日のテーマ。
風邪をいかに予防するか、です。
風邪はもともと季節の変わり目や、とくに冬場にかかる人が多いです。
しかし、夏の風邪も油断できません。冷房がガンガン効いているオフィス、家庭でも一晩中寝室のエアコンは稼働している状態だと思います。
ちょっとでも屋外に出れば、汗だく状態。
汗をかいて冷やす、また汗をかく…この負のループを繰り返しているのですから、風邪をひきやすい状態だといえます。
そこで、活躍するのが「カボチャ」です!
では、なぜカボチャが夏風邪予防に効くのでしょうか?
◇カボチャを薬膳で考える
カボチャは薬膳で言うところの「温・甘」に分類されます。
温の性質をもつ野菜は、一般に身体を温める力があります。血行をよくするので、それによって身体がポカポカします。
血行がよくなると、多くの場合、顔色が明るくなります。
血色のよい皮膚は、その人を健康的に美しく見せてくれます。きれいの源になりますよ。
血がよくめぐることで、生まれるのが「気」の充実。
これも繰り返しになりますが、気は活力とも言い換えられます。活力がわいてくると、当然ですが色々なことに前向きになれたり、積極的になれたりします。
気が充実すると、もうひとつプラスの効果が生まれます。
それが、体力や免疫力のアップです。これが、風邪の予防に繋がります。
気力体力共に充実している状態は、とても健康的。
性別や年齢に関係なく、ポジティブで素敵な印象を与えますよね。
それができるのがカボチャです。
ちなみに。
現代栄養学から見ても、カボチャはビタミンEやβカロテンが豊富な野菜です。
とくにβカロテンは、粘膜を保護する力があります。そのため、風邪などの感染を防いでくれるのです。
ジャンルに関係なく、カボチャがもっている風邪予防効果は広く知られていることなのです。
■カボチャと言えば、ハロウィン?
ここまでカボチャの説明をしていて、カボチャの旬は秋ではないかと思った方もいるかもしれません。
確かにハロウィンを象徴する野菜はカボチャですよね。最近では9月頃から店頭にハロウィングッズが並び、オレンジと黒のハロウィンカラーがあふれるようになっています。
日本の場合、たぶんに「仮装パーティー」の要素が強いのですが、本来は日本で言うお盆です。
宗教や歴史が異なるのに、ご先祖様の霊が…という発想がとても近いのに驚かされます。
自分たちのルーツを考え、祖先を敬い、感謝するという考え方は万国共通なのかもしれませね。
ただ、カボチャの旬は夏です。もっと具体的に言うと、7月から9月頃がカボチャの旬だと言われています。
秋や冬までカボチャが出回っているのは、皮が厚く日持ちがする野菜だからです。
収穫仕立てのカボチャは水分が多いのですが、秋に向けて水分が少しずつ抜けていきます。
包丁を入れた際の音や感覚で、水気の多い少ないがわかりますよ。
当然ですが、夏のカボチャと秋や冬のカボチャは味がちょっと違うのでぜひ食べ比べてみてください。
ただし、カボチャが日持ちするのは、カットする前のこと。一度切ってしまったカボチャは早めに食べてくださいね。
■かぼちゃと冬至の関係
日持ちがするカボチャを冬場まで保管しておき、その栄養をいただこう、というのが冬至のカボチャです。
そもそも冬至は二十四節気のひとつ。(北半球の場合)もっとも昼の時間が短い日です。
年によって少しずつずれますが、2018年の場合12月22日だと言われています。
昔の人は、太陽の力がもっとも弱くなるときに、太陽を象徴するようなカボチャの栄養を食べて元気を頂こうと考えたのですね。なるほど!
今は農業技術や保存技術が進化しているので、1年中出回っているカボチャですが、旬は夏。そして、冬至には栄養を分けてもらう、といった感じで食べてみたらよいかもしれませんね。
■おすすめカボチャの食べ方
カボチャに含まれるβカロテンやビタミンEは、油と一緒に摂ると吸収率があがると言われています。
油と一緒に調理することをおすすめします。
たとえば…
揚げ浸し、サラダ(ドレッシングのオイルも一緒に)、コロッケ、スープなど。
これも食べすぎはよくありませんが、ほどほど(美味しいと感じる程度)で楽しみましょう。
我が家では揚げ浸しがもっとも人気があります。
■美味しいかぼちゃの見分け方
せっかく食べるのなら、美味しいかぼちゃを食べたいですよね。
そこで、美味しいカボチャの見分け方についてご紹介します。
まず、カットしてあるカボチャの場合、種とわたがぎっちり詰まっているものが美味しいです。
そして、軸がしっかり太いもの。形が激しくいびつでないもの。
色が鮮やかなもの。
手にしたときにずっしりとした重量感があるもの。
このあたりを基準に選ぶと失敗がありません。ぜひ、スーパー等の店頭で怪しまれない程度にチェックしてみてくださいね。
風邪の予防になるから、という理由はありますが、カボチャのビビッドな色合いは見ているだけで元気をもらえます。
見ているだけで人にパワーを感じさせる…それだけでカボチャって何やらすごいのではないか、とわたしは思います。ぜひ、今が旬のカボチャをたっぷり食べて風邪知らずでいきましょう!