こんにちは。
やさい薬膳料理教室「ベジ楽」の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日もやさい薬膳料理を作っています。
さて、今日は野菜以上に料理に影響するものについて書こうと思います。
■「切る」は大切
料理において、「切る」という行為はとても大切です。
ここが料理の仕上がりのスタート、とわたしは考えています。
仕上がり=ゴール
スタート=始まり
そのふたつを組み合わせて「仕上がりのスタート」というと、矛盾しているようですが、そうではありません。
料理のゴールを食べる瞬間だとすると、そのときの印象を決めるのが「切る」という行為だと考えているからです。
今日はそのようなわけで、わたしが大切だと考えている「切る」という行為について書きます。
■包丁の選び方
包丁を選ぶ際のポイントはいつくかあります。ここでは、わたし個人の感覚で「これがポイント!」と思うところをあげています。あくまでも私感なので、個々にこだわりのポイントがある方はぜひそれに従ってください。
切る行為は、基本的に料理のたびに発生するので、些細な引っかかりが意外とストレスになります。ご自身の感覚が最終的には大切だと感じます。
◇種類で選ぶ
包丁にはいくつか種類があります。
一般的なのは「三徳包丁」と呼ばれるものが人気です。最初の1本を選ぶ方には、多くの専門店で勧められる包丁でもあります。
なにしろ万能なので。
肉も魚も野菜も、基本的にはなんでも切れます。
同じように使えるものとして「牛刀」と呼ばれるタイプもあります。こちらは三徳包丁より先が少し尖っているのが特徴ですが、ほぼ同じように使えます。
2本目以降に選ぶなら、「出刃包丁」がおすすめ。
出刃包丁は基本的に魚をさばくときに使います。三徳包丁に比べて刃に厚みがあり、重量感があるのが特徴です。
包丁そのものの重さを生かして調理するのにぴったりです。
魚をさばかない、という方なら「ペティナイフ」もいいですよ。
こちらは小型のタイプです。お弁当を作っていて、細工をしたいという方には扱いやすいですね。
別名「果物ナイフ」とも呼ばれているのですが、名前のとおりフルーツのカッティング等に力を発揮します。
そのほか、「パン切り包丁」や「菜切り包丁」といってものもありますが、それらは必要に応じて買い足せば問題ないでしょう。
◇握りやすさと素材
手になじむ感覚、と言い換えてもよいかもしれません。
包丁の柄は、素材もデザインもいろいろな種類があります。細かく言うと、和と洋の包丁とでは構造が少々異なるので、柄の部分も違うのですが、ご家庭で使う場合はそこについては考えなくてもよいと思います。
むしろ、使ったときに違和感が少ない方がよいので、手にしたときにしっくり馴染むものがベストです。
ただ、多少の重量感は欲しいところですね。
というのも、包丁の重さを利用して切ることって意外と多いので(たとえばカボチャ!)、軽すぎると扱いにくいです。
そして、包丁の素材も大切なポイントです。
包丁の刃は大きく2つの素材に大別できます。
ひとつは、はがね。もうひとつはステンレスです。
日々のお手入れが楽なのがステンレスです。
ただ、どちらもメンテナンスは適宜必要です。はがねは錆やすいので、はがねの包丁をしばらく使わないというときは、薄く油を塗っておくと錆を防げますよ。
◇値段
「値段で選べ」と書くと、とても俗っぽいのですが、まあそういうことです。
包丁売り場をご覧になるとおかわりになると思いますが、値段に関してはピンからキリまであります。
ただ、あまりお安いのは残念なことになる確率が高いです。
わたしが料理を習った先生の言葉ですが、「高ければよいとは言えないけれど、包丁に関しては価格はひとつの目安になる」というのは本当だと思います。
少なくとも5,000円以上。できれば10,000円前後で選択すると間違いありません。
予算が許すなら、20,000円くらいのものがおすすめ。
包丁は1度買うと。20年単位で使えます。お手入れさえすれば、ですけれども。
そう考えると、ここであげた数字がさほど高く感じないかもしれません。
■包丁のお手入れ
買った後のお手入れも、包丁の使いやすさを大きく左右します。
包丁のお手入れの基本は、使い終わったらすぐに洗う、水気を放置しない、の2つです。
これは毎日のお手入れについてですが、この2つを実践するかしないかで切れ味の持続性が大きく変わってきます。
そう、切れ味は変化します。使っているうちにどうしても切れ味が落ちてしまうので、定期的に「研ぐ」お手入れもプラスしてください。
砥石で研ぐ。
できれば家庭にひとつ砥石があると便利です。
しかし、家庭で研ぐのにも限界があります。
そこで、おすすめしたいのがプロにお願いすること。やはりプロの技術は違います。
1年に1度を目安にぜひお願いしてみてください。研ぎ屋さんに持ち込んでもいいですし、スーパー等の催事をチェックしておいてお願いするのもよいでしょう。
スパスパ切れる包丁はストレスフリーで、とにかく快適です!
■切り方で味は変わる?
結論から先に言えば、変わります!
それも、大きく変わります。
◇野菜編
薄く切るときや果汁が多い野菜や果物を切る場合に、違いがハッキリわかります。
なにしろ切れ味の悪い包丁の場合、美味しい果汁が無駄に落ちてしまうのです。とくにトマトは種の回りの柔らかい部分がほぼ落ちます。
これって、とても残念ですよね。ぜひお手入れの行き届いた包丁で気持ちよくスパッと切ってくださいね。
◇肉・魚編
もっとも味の変化を感じるのが、お刺身です。
切れ味のよい包丁を使うと、魚の角がカチッと立った状態で切れます。すると見栄えがよいのはもちろんですが、きっちりと切れているお刺身は口当たりがとても滑らかです。
逆に切れ味が落ちている包丁で切ると、刺身の断面がボロボロになってしまい口のなかでもボロボロ。
とても残念です。
やはり、包丁は切れ味がとても大切です。
ぜひプロにお願いすることをおすすめします。
ちなみに。
ベジ楽の包丁は複数ありますが、いずれもまとめてプロにお願いしたばかりなので、気持ちよく切れますよ。
スパッと切れる気持ちよさを実感したい方はぜひこちらまでご一報くださいませ。