日本で唯一の「ゆるベジらく膳やさい料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
7月までは福岡市姪の浜で、そして8月からは千葉県で「ゆるベジらく膳料理」をご提案させていただきます!
今日のテーマは「家庭菜園でおなじみのキュウリ」です。
Contents
■夏野菜の代表格キュウリの食べ方はサラダだけ? 漬物だけ? いつも同じ食べ方ではモッタイナイですよ。
夏野菜の代表格ともいうべき「キュウリ」。ポリポリとした歯ごたえと、みずみずしさが特徴の野菜です。
河童の好物としても知られていますね。
また、近年は農業技術の発達によって1年をとおして収穫される野菜としても人気で、とくにサラダ野菜として不動の地位を獲得しています。外食産業でも重宝されており、皆さんにとっても1年中食べられる野菜としてインプットされているかもしれませね。
ただ、個人的にはサラダとして食べたら終わり、という状態ではとてもモッタイナイと感じます。とても実力がある野菜なので、いろいろと食べて欲しいなぁ、というのが本音です。
というわけで、今回の記事は
1.キュウリを家庭菜園で栽培しているけれど、やや持て余し気味という方
2.キュウリはサラダや漬物以外では食べない、という方
3.キュウリってなんとなくつまらない野菜だと思っている方
4.野菜ヲタク的キュウリ論にちょっと興味を覚える方
におすすめの内容です。
■もろきゅうが一番好き、と公言する家族がいるので、我が家も生が多いです。だから、よくわかりますよ。
さて、皆さんはキュウリをどのように召し上がっていますか?
先程書いたように、サラダでしょうか? ほかには浅漬けやぬか漬けもありますね。…最近はぬか床のあるお宅のほうが少数派かもしれませんね。
わたしは以前、ぬか床を持っていたのですが出張が続いた夏にとっても残念なことになってしまい、手放しました。以来、マメではないという自分の性格を鑑みて手にすることを放棄しています。
我が家には「もろきゅう」をこのよなく愛する小学生がいるので、もろきゅうはほとんどメインのおかず状態になります。
余談ですが、ムスメがまだ4~5歳のころ、スーパーで「どうしても欲しいものがある」とわたしを引っ張っていったのが、野菜売り場。キュウリを指さして、「もろきゅうが食べたい」と全力で訴えたことがありました。周囲の失笑がとても恥ずかしかったのですが、当時からそのくらいもろきゅうが好きな人です。
話を戻しまして…サラダにしろ、浅漬けやぬか漬けにしろ、もろきゅうにしろ、キュウリの食べ方の王道は基本的に生ですね。
そう、キュウリは「生で」食べる機会の圧倒的に多い野菜です。実際にレッスンにいらっしゃる方にうかがっても、生食以外の方法はほぼ出てきません。
だから、キュウリ料理のレパートリーがあまり広がらず、「いつも同じです」とおっしゃる方の気持ちはよくわかるのです。アルアルだと思います。
と、同時に「それだけじゃモッタイナイよー」とも感じます。
■家庭菜園でキュウリを栽培している方なら、太くなり過ぎたキュウリを持て余していませんか? 太いキュウリは加熱すると美味ですよ。
キュウリは漢字で書くと「胡瓜」。
「胡」は中国を意味します。キュウリは、「中国からやってきた瓜」という意味の名称なのです。
実はほかにもキュウリの表記はあります。それが「黄瓜」。
これは昔のキュウリを熟して黄色にしてから食べていた、ということに由来しているといわれます。当時のキュウリは今のキュウリに比べるととての苦かったようなので、熟して食べる、というのは当時の人々の知恵ですね。実際、昔のキュウリに近い品種を食べると、独特の青い臭いとほのかな苦味(これが美味しいのですよ)、そして皮の厚みを感じます。そこから推測しても、当時のキュウリはおそらく今よりも硬く、今よりも苦味が強かったのでしょう。
もし、家庭菜園でキュウリを栽培しているような場合、葉の陰になっていて見落としたキュウリがビックリするような太さになって姿になって発見した、という経験がある方も少なからずいらっしゃると思います。
お化けキュウリ、と呼ぶ方もいますが、その大きく太くなったキュウリをさらに放置すると黄色っぽく変化していきます。それこそが、キュウリが熟した状態です。
ただ、昔のキュウリと今のキュウリとでは先ほど書いたように味も違えば、品種そのものも異なるので、かならずし黄色に熟す必要もありませんし、それが美味しいというわけでもありません。
実際、現在食べられているキュウリの品種は「生で」「みずみずしく」「歯ごたえを楽しめる」をポイントに品種改良を重ねたものばかりです。もちろん、病害虫に強いかどうか、といった視点も外せないのですが。
キュウリは1日で驚くほど大きく生長することがあります。
家庭菜園で栽培したキュウリは、収穫のタイミングを逃して太くなってしまうこともあります。繰り返しになりますが、黄色に熟したキュウリはあまり美味しくはありません。ただ、熟す前の状態(緑色)で太くなってしまったものに関しては、食べ方を工夫するだけでグッと美味しくなります。
わたしのおすすめは、加熱すること。
キュウリは炒めると「あ、君はほんとうに瓜の仲間なんだね」というくらい、本来の瓜の性質(味)が全面に出てきます。生食では気づきにくい、青い味や香り、歯ごたえを感じます。
これが本当に美味しいです!
家庭菜園をやっていないから、太いキュウリは手に入らない、と思われた方も安心してください。安売りしているキュウリに注目です! 昨今は、サラダなど生食で食べる機会が多い野菜なので、太いものや曲がったものは価格が下がっていることが多いのです。それこそ、加熱料理にぴったりですよ。
「安さに注目!」これを合言葉にぜひ売り場をチェックしてみてくださいね。
■キュウリを加熱する際のポイントは種! ここは水分が多いのです。
先程、キュウリは加熱しても美味しいと書きました。
家庭菜園で栽培しているものも、売り物も大きいものがおすすめなのは変わりありません。が、しかし、加熱料理にはポイントがあります。
それは、水分。
キュウリはその90%以上が水分という野菜です。だから、水の処理は加熱調理に限らず、いろいろな料理でポイントです。逆にいえば、水分さえ上手に扱えたら、もうあなたはキュウリ料理マスターといってもよいくらいです。
キュウリの水分は種とその周辺に多いのです。だから、思い切って種とその周辺を取り除いてしまいましょう。これが、ひとつめのポイントです。
それで一気に加熱します。味つけは最後の最後にしましょう。これが、ふたつめのポイントです。
味つけすると、キュウリの水分(ご存知のようにたっぷり含まれています)が浸透圧によってジャンジャン外へと流出します。結果的に「水っぽい」「ベチャベチャ」といった仕上がりに。これではせっかくのキュウリが台無しです。
とくに家庭菜園で苗から丁寧に育てたキュウリを残念なことにしてしまうのは、心が痛みます。それこそ、最後のひと口まで美味しくいただかなくては、です。
これを簡潔にまとめると、キュウリの加熱調理のポイントは…
1.種を取り除く。
2.味つけは最後にする。
です。
いかがですか? 加熱したキュウリを食べたくなりましたか?
なお、落とした種はまた別の料理で美味しくいただけます。わたしは自他共に認める野菜ヲタクです。当然、食べられる部分を捨てるなんてことはしません。食べましょう、食べましょう。
■ちょうど家庭菜園のキュウリが食べごろを迎えようとしていませんか? せっかく育てたキュウリです。余すところなく食べましょう!
落とした種とその周辺も、野菜ヲタクにしたらご馳走です。…とはいえ、さすがにそれをメインにすることはしませんけれども。
それでも食べますよ~。美味しです!
どう食べるか? 気になりますか? 気になりますよね。
炒めるキュウリも気になりますか? いろいろありますよ。おすすめの組み合わせと美味しい一皿。
さらにさらに、キュウリは「漬ける」という方法とも相性がよいのです。漬けるととても美味しいです。と、同時に通常よりも日保ちがするようになるが嬉しいのです。
美味しものを長く食べられるって素晴らしいです! もっとも、わたしは長く楽しむというより、美味しいからとウキウキイソイソとあっという間に食べきってしまうのですけれども。
ベジ楽ではオンラインレッスンを開催しています。8月のテーマは「家庭菜園でも人気のキュウリ」です。
8月は3日と24日を予定しています。
間に引越しを挟みますが、わたし自身の挑戦でもあります。いずれも10:30~11:30で、zoomで行います。
キュウリが気になる方、野菜ヲタクが気になる方はいかがですか? 単発受講も可能です。
オンラインレッスン申し込みはこちらから
■まとめ
いかがでしたか?
家庭菜園でキュウリを育てている方、家庭菜園はやっていなくても夏野菜の代表格・キュウリをいつも同じように食べている方には、興味深い内容だったのではないかと自負しております。
記事をまとめると…
1.キュウリは夏野菜。家庭菜園でも人気の野菜です。
2.サラダ、漬け物などなど、キュウリの食べ方はいろいろですが、「生で食べる」が定番です。でも、それだけではモッタイナイです。
3.キュウリは加熱しても美味しい野菜です。
4.キュウリ調理のポイントはたっぷりの水分の扱い方です。
5.種を取り除き、味付けを最後にするだけで料理上手になれるのがキュウリです。
6.もっとキュウリについて知りたい方は8月3日と24日に開催されるベジ楽のオンラインレッスンがおすすめです。
身近でありながら、なかなかサラダ以外の食べ方をしてもらえないキュウリは地味な存在かもしれません。でも、本当に美味しい野菜で、いい仕事もします。
この機会にキュウリってなかなかやるじゃないか、と感じてくださる方が増えたら本当に嬉しいです。
ところで、ところで、ベジ楽では野菜に関するマニアックなお話を毎週火曜日にラインにて配信してします。皆さんに「へえ」「なるほど」と思っていただけるような情報が満載です。この機会にぜひご登録ください。
また、野菜に関する質問にも24時間対応しております(返信は48時間以内に差し上げております)。ヲタクのベジトークを楽しんでいただけたら幸いです。