日本で唯一の「ゆるベジらく膳やさい料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡でも千葉でも、オンラインで全国の方々と「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「野菜の洗い方」です。
Contents
■野菜って虫がいる。土がついてる。どうやって洗ったらいいの?
レッスン等で伺っていると、皆さん異口同音に「美味しい野菜を食べたい」とおっしゃいます。わたしも同じ感覚です。
そして同時に、「鮮度がよい野菜を食べたい(選びたい)」ともおっしゃいます。鮮度が良い野菜は、本当に美味しいですからね。
そして、多くの人が「でも土がちょっと」とも「虫が苦手なんですよね」ともおっしゃいます。ああ、これもわかります。
子供のころは泥んこ遊びをしていたはずなのに、どうも大人になると苦手意識が生まれるようです。さらに虫! これもよく聞きます。
葉っぱの裏から虫が「こんにちは」などと言おうものなら、多くの女性が悲鳴をあげてしまう、と。
虫を苦手とするあまり、「美味しい野菜+虫が出る=買わない」という方程式を編み出した方もいらしたほどです。その方がおっしゃるには、子供の頃は小さい虫ならOKだったけれど、今は大小関係なくダメなのだとか。
そのような話をした折に「先生は大丈夫ですか?」ともきかれました。
結論からいえば、わたしは大丈夫です。正確には、大丈夫になった、が正しいです。
というわけで、今回の記事は
1.野菜は好きだし、食べたいけれど、どうも虫が苦手な方
2.土や泥がついた野菜に興味があるけれど、どうやって洗ったらよいのかわからない方
3.野菜の洗い方にコツがあるなら知り合いと思っている方
におすすめの記事です。
■わたしも何度となく葉っぱから顔を出す虫にビックリしたことがありますよ。
虫は大丈夫、と先程書きました。そして、正確には「大丈夫になった」が正しい、とも書きました。
要するに、昔は苦手でした。今でも、苦手か得意かに大別したら、苦手ですよ(笑)。
そんなわけですから、ビックリはします。これは今でも。
葉物の野菜から虫がひょっこり顔を出していれば、「うわっ!」くらいのことは言います。でも、野菜を食べないかといえば、そうではありません。むしろ好きですから、野菜。食べます!
わたしが虫を平気になったのは、野菜の専門誌を担当していたころです。畑に何度も通ううちに慣れた…というより、慣れざるを得なかった、というのがほんとうのところでしょうか。
ただ、ひとつだけ自身の経験からいえることがあります。それは、健全な野菜は虫に好かれる、ということ。わたし自身が取材のために通い、いろいろと教えていただいた農家さんの受け売りでもあるのですが、素人が見てもそれは明らかでした。
たとえば小さい苗。ひょろりとした元気のない苗よりも、元気のよい苗を虫は好みます。
この虫がいるいない、という話をすると、今度は「農薬はどうなのだ」という質問をいただくことが多いです。
農薬を使う使わない、あるいは農薬に正しいや正しくないといった評価することに関しては、わたしは「個人で判断するべき」だと思います。よく聞かれますよ。「無農薬のものじゃないとダメですか?」とか「売っている野菜は農薬まみれで身体に悪いでしょう」とか。
だれも、自分の身体で同じコンディションで比較検討していませんからね。だから、周囲が勝手に結論は出せない、というのが個人的なわたしの意見です。
わたしが食べるものは、わたしが選びます。あなたの食べるものは、あなたが選びます。
もし、あなたが農薬は怖い、農薬が悪だ、と思うのなら、そうでないものを選べばよいのです。
わたしは無農薬で栽培される野菜には、とても手がかかることを知っています。その手間暇に敬意を表して購入します。もちろん、プラスαのお値段がかかることも理解しています。なにより美味しいとも感じます。
慣行栽培であっても、やはり野菜や果物を育てるのは大変だと思うのです。実際にわたしは畑作業や田んぼ作業をやっていましたし、プランター栽培でさえ失敗することが多いです。だから農家の方の手間や時間、日本という国の風土などを考慮すると、それも選択肢のひとつだと思います。アリです。
そして、日本の農家さんを信じている、というと少々大げさですが、そのように考えています。
日本には栽培期間中に使ってよい薬についてルールがあります。もちろん、個人的に「改善の余地はまったくない」とは言い切れません。それでも、ルールを守り、丁寧に栽培している農家さんを知っているので、わたしはその方たちのお仕事に敬意を表して買いますし、食べます。
わたしは主体的に選んでいる、という自覚があります。もっともわたしの意志で選ぶものを、家族を巻き込んで食べているのは事実ですけれども。
農薬や栽培方法の話は「正しい」「正しくない」という視点にたつと迷路に入る、というのが本音です。ご自身にとって「心地よい」「心地よくない」「美味しい」という視点から選んでいただけたらな、と思います。もちろん、具体的に「どこを見て選んだらいいですか?」というご質問には、全力でおこたえさせていただきます!
ちなみに、わたしはキャベツ畑を飛んでいるモンシロチョウを見て、「わ、かわいい」とは思えません。「あ、卵を産みに来た!」と思います(笑)。
トウモロコシ畑で空を向いたトウモロコシを見ると、ひげ根ふきんをチェックしてしまいます。「アワノメイガはいないよね」と思います。
残酷でしょうか。そうかもしれません。虫だって、子孫を残すために命懸けなのです。それもわかっていて、「ごめん」と言いながら何度も殺処分しています。
これはあくまでも、農薬や栽培方法に関するわたし個人の意見です。皆さんには、皆さんそれぞれの妥協点なり、譲れない線があると思うのです。ご自身の身体のため、ご家族の身体のため、そして「美味しい」と楽しむために、譲れない大切な線を忘れずに農産物を選んでいただきたい、と思います。
ただ、大切にしたいものをまもるために、知識はあって損はしません。そのお手伝いができたら、野菜ヲタクとしては嬉しいです。
■基本は野菜を洗う。これで大丈夫です。
話が壮大にズレ始めたので、修正しましょう。
野菜の洗い方です。
基本的には、洗う。
それだけです。洗剤を使うという方もいらっしゃいますが、わたしは使いません。基本的に水で洗うか、気になるときは50度の湯で洗うかします。
水が多いです。
道具も使います。道具といっても、特別なものではありません。
とくに根菜類については、亀の子だわしがおすすめです。秘密兵器です(笑)。
これが、野菜を傷めることなく、ちゃんと汚れを落とせます。優れものです。
なかには「洗剤」を使われる方もいらっしゃるようです。
確かに市販の洗剤のなかには、用途として「野菜や果物を洗う」と記載されているものもあります。また、以前は流通事情や農業技術の問題等で厚生省(まだ厚生労働省になる前)がすすめていたこともあり、比較的メジャーな方法だったようです。
最近は、野菜洗い専用の洗剤も市販されています。これについては、先程も書いたように「正しい」「間違い」ではなく、「あなた自身が使うことで気分がスッキリするか否か」で選んでいただくとよいと思います。
ただ、ブロッコリーが水をはじいたり、リンゴの表面がペタペタし手触りだったりするのは、農薬が理由ではありません。これらは、「植物が自分を守るために分泌するもの」です。なにかが付着しているのではなく、自ら分泌していると考えてください。
これを躍起になって洗剤等で落してもあまり意味がありません。もともとあるものなので。
知らずにいると、不安になるのもわかりますが、大丈夫です。このブログを読まれた方はすでに知っていらっしゃるのですから、安心して召し上がってくださいね。
■土がついた野菜を洗うにはたわしがおすすめです
先程、根菜にはたわしがおすすめだと書きました。
とくに土がついた野菜を洗うのなら、断然亀の子だわしがいいです!
土に触れたり、洗うことを躊躇して、わざわざ土や泥を落としたものを選んで購入される方もいらっしゃるようですが、野菜ヲタクとして土つきがあれば、そちらを選んでいただきたいです。
なぜなら、土や泥は「保湿パック」のようなものだからです。野菜の乾燥を防いでくれます。
人間も乾燥した肌はカサカサして魅力的ではありませんね。皆さんも化粧水や乳液を使って保湿に励まれていることでしょう。
それと同じです。
土付きが購入できる野菜は、ニンジン、ゴボウ、レンコン(泥です)、サトイモ…このあたりです。根菜です。畑直送の野菜を楽しむつもりで、亀の子だわしを片手に洗ってくださいね。
■土も虫も嫌がらないで欲しい、と野菜ヲタクは考えています。大丈夫!
先程書いたように、苦手だったものが慣れることで大丈夫になったり、「こんなものか」と許容できたりするよういなるのは、珍しいことではありません。
可能なら、そうなってしまうのがいちばんです。
ただ、土も虫も苦手な方が理屈ではなく、生理的に受け付けない、というのもわかります。
土に関しては、落としてあるものを購入する方法もあります。先程紹介したように、ベストではないというのが、個人的な考えですが、無理をする必要もまたないでしょう。ただ、土がついていない状態のものを購入したら、キッチンペーパーやビニール袋でしっかり保湿をして冷蔵庫の野菜室に早めに入れ、そして食べきってください。
虫については、慣行栽培のもののほうが遭遇率は低いと感じます。いわゆる「無農薬」や「減農薬」という表記のないもの、ですね。これは虫を避けるか、栽培方法をとるか、ご自身の優先度の高さで選びましょう。
繰り返しますが、虫がいても慣れますよ。大丈夫です!
鮮度のよい野菜、美味しい野菜を食べたい。その気持ちがあれば、土付きも虫も愛おしくなれるかもしれません。
■まとめ
いかがでしたか。
野菜の洗い方や土、虫、農薬の考え方のヒントになったでしょうか。
この記事をまとめてみると…
1.野菜の虫にビックリするのは、あなた一人じゃありません。
2.野菜の基本は水で洗う。
3.根菜には亀の子だわしが便利です。
4.土は保湿力が高い! ←おすすめ。
5.農薬の有無は、自分の心地良さで決めましょう。
6.虫は慣れます。でも、ダメなら慣行栽培のものを選びましょう。
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