日本で唯一の「ゆるベジらく膳やさい料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡でも千葉でも、オンラインで全国の方々と「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「栗のかたい皮のむき方と道具について」です。
Contents
■秋になって美味しい栗が店頭に並びます。栗の皮むきって特別な道具を使わないとダメですか?
先日、こんなメッセージが届きました。
「栗は美味しいし、大好きです。自分で栗ご飯をつくれたらいいと思うのですが、皮をむくことを考えるだけであきらめてしまいます」
好きだけれど、美味しいけれど、栗の皮を理由に諦めている、ということでした。
うーん…それはモッタイナイ!
その方はお料理は好きでいろいろつくっていらっしゃるのです。チャレンジ精神も好奇心も旺盛で、とても積極的。にもかかわらず、栗を我慢してしまう…。
逆にいえば、そんなふうに熱心な方でさえ諦めてしまうほど、栗が強固な皮をもっているということです。手ごわいです。
そんな手ごわい相手です。そのため、世間には「栗の皮むき専用の道具」があります。価格も「もうこんなの手が出せない」というほど、超高級というわけでもないのです。
詳細は後述するとして、そういった道具を使うというのもひとつの方法です。
ただ、わたし自身に関していえば、そういった特殊な道具は使っていません。
というわけで、今回の記事は
1.栗が好きだけれど、皮向きはメンドウだと感じている方。
2.栗の皮には特別な道具が必要だと思っている方。
3.できれば栗の皮をむかずに美味しく食べたいという食いしん坊の方。
4.栗の皮むきのコツを知りたい方
におすすめの内容です。
■硬くて、本当にむけるのか疑問を感じるのもわかります。ただ、栗の美味しさは硬い皮に負けずに味わいたいですよね。
栗の皮は本当に硬いです。
なぜか。
それは栗が自分自身を守るためです。植物(動物も、ですね)にとって子孫を残すことはとても大切な使命です。種の保存という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。
皆さんが栗の実として食べているホクホクの部分は、実は種子です。いわゆる種です。
だから、それを保護するために鬼皮(外側のかたい部分)やいが(トゲトゲの部分。ここはあまり入手する機会がないでしょう)が存在しているわけです。
栗の立場でいえば、「そんなに簡単に破られたら困るんだよ」ということになりますね(笑)。
でも、わたしたちにとってはご馳走です。美味しいですものね。
さらにマロンペーストや甘露煮にような加工品をのぞけば、基本的に生栗が手に入るのは今だけです。今の味! 今だけ!
食べない理由はありません。
たとえ硬い皮に阻まれようとしても、です。
ただ、冒頭でご紹介した方のように「皮むきが苦手。うまくできません」とおっしゃる方が本当に多いです。皮をむいた状態のものを買ってしまう、というお声も本当によく聞きます。ただ、結論からいえば、皮をむいた状態の栗はあまりおすすめしません。なぜなら、水分が抜けて味が落ちていることが多いからです。
わたしは基本的に激しくメンドクサガリーズなので(笑)、よくわかるのです。その「大変だよねぇ」と最初に萎える気持ちが。
■最近はとても便利な道具があります。おそらく秋しか売れない(笑)。でも、道具を買わなくても大丈夫!
そこで登場するのが栗むき専用の道具です。
わたしのパートナーのお母さんは、これを愛用しています。アマゾンでも購入できるようなので、リンクをはっておきますね。
わたし自身が使っているかというと、実は使っていません。
過去に購入したことがあります。そして実際に使ったことがあります。もう10年以上前のことですが。当時は今ほど使い勝手がよくなくて、わたしの手に会わなかったのです(サイズも重さも)。だから、最初の1つ2つはスムーズに使えたのですが、使っているうちにくたびれちゃうのです。それで、お蔵入りしました。
一度失敗して凝りてしまったので、その後は買わずに包丁一辺倒です。
包丁で皮をむくどうか、ですが、これはもう使い慣れているから便利です。たいていの方の場合、包丁ってしょっちゅう買い直すものではありませんよね。何年も何年も繰り返し研ぎながら使っていくものだと思います。
だから、当然ですが、皆さんの包丁は皆さんの手に馴染んでいるはずなのです。
わたしの包丁も同じです。繰り返し使うことで、ある種のクセのようなものがしっかりしみ込んでいて、それこそ重さも柄の太さも手にしっくり馴染みます。それだけでも栗専用の道具よりもアドバンテージがあるのです。
最近、栗の皮専用の道具に触れる機会があり、使わせていただきました。以前よりもずっと使いやすいように感じました。秋しか売れないかもしれないね、とも大いに盛り上がったのですが、そんな特殊な道具です。でも、便利でした。
わたしに関していえば、もう10年以上もの間、包丁を片手にやってきたので、宗旨替えするのはあちょっと勇気が要るなぁ、と躊躇しています。もっと年齢を重ねて「包丁が辛い」となったときには、道具もバージョンアップしているでしょうから、改めて購入するかもしれません。が、しかし、今のところは包丁でいいかな、というのが本音です。
ただ、包丁で栗の硬い皮をむくときには、ちょっとしたコツ(準備)が要ります。といっても大したことはないのですが。
■どんなに硬く感じても、水気を味方にすると栗の皮は案外むけます。
かたい栗の皮ですが、水を含むと柔らかくなります。ぶよぶよのふにゃふにゃにはなりませんが(笑)、それでも包丁の刃がラクに入るくらいには柔らかくなります。
だから、ポイントは水に浸す、です。
わたしの場合、熱湯に浸してしまいます。なぜ熱湯にするかというと、水よりやりやすいなぁ、と感じているからです。短時間で済むのもうれしいのです。
もちろん、水でできないというわけではありません。水の場合は、できれば一昼夜くらいひたしておくといいでしょう。
熱湯の場合は、たっぷりの熱湯が覚めるまで放置すればOKです。だから早ければ数時間でむけるようになります。
「熱湯をかけます」というと、時々「なかの栗は大丈夫ですか?」というご質問をいただきます。火がとおることはありませんか、という意味ですね。
これについては何の心配もありません。大丈夫です。
というのも、栗は茹でるとなると20分以上加熱しなくてはいけません。熱湯をかけたくらいでは変質することはないのです。逆にそのくらい簡単に火が入るようなら、皮むきにこんなに苦労することはないですね(笑)。
実は栗の皮むきにはいろいろな方法があります。というと、先ほどまでの文章と矛盾しているようですが、要は皮を取り除くことができればよいのです(笑)。
栗を食べるという最終的な到達点がぶれたり、ずれたりしなければ、どんな道具を使っても、どんな道具を使ってもよいのです。大丈夫!
幸いにして(?)栗の皮はとても硬いです。だから神経質にならずとも大丈夫です。
わたし個人としては、「熱湯&包丁」をおすすめしたいです。
■皮をむかずに茹でる方法もあります。ゆでた後はパチンと…!?
栗の皮は、生の状態がいちばんむきにくいです(硬いです)。
栗ご飯を作りたいときなどには、この方法はおすすめしませんが、皮をむかずに茹でてしまう方法もあります。
茹でた皮のほうが、生の状態より柔らかく、ずっとむきやすいです。栗の皮むき専用の道具でなくても本当にラクにむけます(当たり前ですが、リンゴの皮のようにはいきませんよ)。
茹で方そのものはとても簡単です。
こちらの動画でご紹介しているので、ご参照ください。
先に茹でる方法をとると、実は皮むきをしなくてもよいのです。
包丁でパチンッと2等分し、スプーンでくり抜くようにすれば美味しくいただけます。ただ、栗は転がりやすいので包丁で2等分する際には手を切らないように注意してくださいね。
■栗ひとつとっても、ちょっとしたコツを知っているだけでずっとラクになります。こんなコツを知りたい方はラインに登録をおすすめします。
たかが栗。されど栗。
ちょっとしたコツを知っているのと、知らないのとでは、食べる前のエネルギーが全然違います。
栗の旬は9月後半から10月にかけて。まさに今です! 記事冒頭で書いたように、栗はマロンペーストや甘露煮といった加工品以外は、シーズンを外すとなかなかお目にかかれません。食いしん坊としては、ぜひとも機を逃さずに食べたいと考えていますし、この記事を読んでくださっているあなたが美味しく召し上がってくださったら嬉しいです。
さて、ベジ楽では毎週火曜日に、美味しい野菜や果物、栗のような季節の味についての情報を配信しています。ちょっとしたことですが「へえ」や「ほお」が詰まった内容になるよう、毎週野菜ヲタクが工夫を凝らしつつお届けしています。
■まとめ
いかがでしたか?
今回の記事を読んで「栗を食べようかな」と思っていただけたらうれしいです。。
記事をまとめると…
1.栗の旬は今。生栗は今を逃すとほぼ入手不可能。
2.栗の皮むき専用の道具があります。便利です!
3.専用の道具がなくても包丁があれば万事解決!
4.水に浸しておくと皮むきがラク! 熱湯はさらにラク!
5.皮ごと茹でてしまえば、皮をむく必要はありません。
秋の味覚を皆さんが楽しんでいただけたら、ヲタクとしてはとても嬉しく思います。ぜひ召し上がってくださいね。