こんにちは。
やさい薬膳料理教室「ベジ楽」の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日もやさい薬膳料理を作っています。
■オーストラリアへふらり
少し前ですが海外に行ってきました。
場所はオーストラリアのシドニーです。
実はわたし、10代の頃少しだけオーストラリアに住んでいたことがあるので、久しぶりのオーストラリア、オージーイングリッシュにウキウキしてきました。
現地で学校に通い、黙っていたらやられっぱなしになる、ということを学んだり(必要な自己主張は大切です。ちなみに声も大きくなくてはいけません)、気になることを放置したら自分が困るということを学んだり、パーフェクトでなくてもとにかく話すことが大切だと学んだりしました。
身をもって体験しました。
しかも、時々めちゃくちゃ痛い思いもした、といった場所です。
だからといって、オーストラリアが嫌いなわけではありません。むしろ大好きです。
空港に降り立ったときの臭いや空気は、やっぱりオーストラリアでした。
正確にいうと、わたしがいたのはWAなので、シドニーのあるNSWとはまったく違うのですが(ほぼ違う国)、それでも広い空と大地は「おお、この感じ!」とウキウキさせるにじゅうぶんでした。
余談ですが、わたしは海外に一人でプラプラ旅することに抵抗がまったくありません。むしろ一人旅が大好きです。
今回は家族旅行として訪れたので、お気楽一人旅と同じようにはいきませんでしたが、農産物が豊富でオーガニック製品もあふれる大地でたくさんのものを食べる・見るが、わたしの個人的なテーマでした。
■朝食はバナナのフリッター
朝食にいただいたのが、「バナナのフリッター」です。ターメリックを混ぜた衣でバナナを包んでサッと揚げたものです。
それに水切りヨーグルトと青りんごの千切りをたっぷり添えてありました。
…情けないことに、感動しすぎて写真を撮り忘れるといった大失態をやらかしました。気づいたときには胃袋に消えていました(涙)。
衣のサクッとした歯ごたえとトロリとしたバナナがとても美味でした。
しかも、薬膳的視点から言っても朝食としてバランスがとても良いものです。現代栄養学でもマルです。
というわけで、今日のテーマはバナナです。
■バナナも薬膳⁉
バナナは薬膳では「寒・甘」に分類されます。
残暑が厳しいときにはぴったりの果物です。身体の余分の熱を冷まし、喉の渇きをうるおす役割があります。
ただし、寒に分類されるので、前述のように身体を冷やしてしまいます。冷え性の方は食べ過ぎに注意したほうがよいですね。
ただ、今回わたしが食べたように、ターメリックとの組み合わせがあれば冷えすぎを防止することができます。
ターメリックは別名・ウコンとも呼ばれるスパイスです。カレーの黄色の素だと言えば、多くの方がイメージしやすいでしょう。
このターメリックは、薬膳で分類すると「温・苦辛」です。つまり、身体を温める働きがあるのです。
味や色も組み合わせとして素晴らしかったのですが、身体に与える影響も大いにプラスで感心しました。
…写真はありませんが。
近いうちにキチンと再現してみるつもりです。
ちなみに、現代栄養学の視点からもバナナはとても優秀です。
バナナはショ糖をはじめ、多くの糖質を含んでいます。この糖質は、脳がしっかり動くのに必要なエネルギー。
とくに朝食時に糖を摂取することで、朝から脳がちゃんと回転することができるのです。
さらに、食物繊維がとても豊富です。
排泄に大いに力を発揮するので、便秘気味のときなどには積極的に食べたい果物です。
カロリーが気になる方もいるでしょう。
バナナ1本のカロリーはごはん茶碗1/2膳分とほぼ同じです。食べすぎはよくありませんが、心配するほど高カロリーというわけでもありません。
■ヨーグルトも薬膳⁉
水切りヨーグルトが添えてあったことを冒頭に書きましたが、ヨーグルトも薬膳で考えると素晴らしい食材のひとつです。
薬膳では「平・甘酸」に分類されるヨーグルト。
甘と酸は、それぞれ肺と脾、肝にプラスにはたらきます。
そのため、乾燥肌にうるおいを与えたり、便秘の改善に効果を期待できたりします。
現代栄養学でもカルシウムがたっぷりで、おすすめです。
乳酸菌が腸によいので、お通じを優しく促してくれます。…薬膳とも共通することが多いのが面白いですね。
■美味しいバナナの選び方
市場に出回っているバナナの多くが、外国産のものです。
フィリピン、エクアドル、台湾が輸入元のベスト3です。インドも生産量が多いのですが、日本に限っていえば、輸入元ベスト3にはかないません。
沖縄のバナナも美味しいですね。ただ、あまり多く出回っていないこともあり、高価格になりがちです。
輸入した農産物がいけない、とは言いません。
ただ、自分が選んだものがどこでどう栽培されたものなのかを知ることは大切です。
バナナにはシールが貼ってあると思います。
うっかり、写真を撮る前にシールをはがしてしまったのですが、バナナは皮に直接貼られていることが多いです。
「#」の後に数字が並んでいたら、その数字に注目してください。
3か4で始まる4桁の数字は「化学肥料を使用して栽培している」目印です。
9で始まる5桁の数字は、「有機栽培です」のマーク。
8で始まる5桁の数字が書かれていたら「遺伝子組み換えです」の印です。
これは、バナナに限らずアボカド等、他の農作物でも同じです。
最初に書いたように、「これを選ばないといけない」ということはありません。ただ、知っていて選ぶのと、知らずに選ぶのとでは違うと思ってはいます。
どうせなら、心地良く美味しく食べたいですよね。
気分よく食べるには、知らないよりは知っているほうがプラスではないか、というのが個人的な考えです。
バナナもヨーグルトも薬膳で考えても、身体に嬉しい朝食だと海外で再発見しました。
とても面白かった!
一見、無関係に見える食事も「薬膳スパイス」を効かせてみると、「おお」と納得することが多いのではないかと思います。ベジ楽では、皆さんとそのようなお話ができたら嬉しいな、と考えています。