日本で唯一の「ゆるベジらく膳やさい料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
福岡でも千葉でも、オンラインで全国の方々と「ゆるベジらく膳料理」を楽しんでいます。
今日のテーマは「人参と人参養栄湯」です。
Contents
■袋に入った人参3本。食べるつもりで購入したけれど、結局放置。人参を持て余してしまう方に朗報です。
いきなりですが、質問からはじめましょう。質問は2つです。
「あなたは人参を何本単位で購入されますか?」
「あなたは人参を買うときに、どう食べるかをイメージしていますか?」
ます、ひとつめの質問です。「何本単位で購入するか」です。
1本ずつ買いますか?
数本入っている袋で買いますか? ときどき、店舗によっては「わけあり」という表記と共に5~7本程度の人参がごそっとひとまとめにして販売しているケースもありますね。
皆さんはどう買いますか?
そして、複数で買われるという方の場合、全部を鮮度がよい状態で美味しく召し上がっていますか? 冷蔵庫の隅でシナシナになった人参の切れ端を発見して「あ!」と声が出たことはありませんか?
あ、わたしはありますよ(笑)。
さて、続いてふたつめの質問です。
人参を購入する際に、あなたは頭のなかで「〇〇にして食べよう」と具体的なイメージを抱いていますか?
「なんとなく人参」という感じではないでしょうか?
これは、とてもおもしろい現象だとわたしは考えるのですが、レッスンをしていて「なんとなく買ってしまう野菜」を伺うことがあります。たいていの場合、「なんとなく買ってしまう野菜」は、皆さんにとってメジャーな野菜です。
代表的なものが人参、たまねぎ、ジャガイモ。わたしがメジャー3トップと呼んでいる野菜たちです。どうでしょうか?
「なんとなく」を責めているわけではないですよ、誤解しないでくださいね。
ただ、これらの野菜は「なんとなく買っても料理できる」と皆さんが考えていらっしゃるということです。そのくらい調理経験が多く、自信をもって作れるものなのですね。
余談ですが、次点でメジャーなのは、「〇〇しようかな」と思って買う野菜です。キャベツ、トマト、ナスあたりが入ってきます。「焼きそばをつくろうかしら」と思いながらキャベツを手にとる。「サラダがあってもいいかも」とトマトを手にとる。こんな感じです。
だから、想定より高価格だと「焼きそばをつくろうかしら」と手にしたけれど、「あら、キャベツ高いじゃない」と元の位置に戻してしまう、という現象も起きます(笑)。
さらにマイナー野菜になると、「使い方がわからないから買わない」と考えられてしまい、そもそも選択肢に入りません。もっともこのはじき出され現象が起こりやすいな、と感じるのが、パクチーやクレソンといったハーブ類です。
いかがでしょう?
話を戻しましょう。
人参は、多くの方にとってメジャーな野菜です。
では、食べ方もメジャー級でしょうか? 案外「カレーが多いかも」や「野菜炒めに使います」という答えが多いかもしれません。これはレッスン中によくあがる声ですが、あなたはいかがですか?
そして、もうひとつ。
人参には栄養がある、と信じている方がとても多いのです。
もはや人参栄養教とも呼ぶべき勢いで、そう信じている方は多いです。最近は、「人参養栄湯」についてもご質問をいただくことがあります。
そして、その多くが「人参は栄養があるから食べなくては」と半ば強迫観念のように思い込んでいらっしゃるケースもある、ということです。あなたはいかがですか?
というわけで、今回の記事は
1.人参はなんとなく買うから、冷蔵庫の野菜室にはレギュラーポジションを与えているという方
2.人参をレギュラー扱いしているわりに、3~4本入りの人参を持て余してしまう方
3.いつも食べ方が同じになってしまう方
4.人参は栄養たっぷりだと信じて疑わない方
5.人参養栄湯が気になる方
におすすめの内容です。
■シナシナ人参経験は、あなただけではありません。わたしもやったことありますよ。手にするだけでテンションが下がりですよね。
先ほど、買ったはいいけれど、美味しい状態で食べきれずに、冷蔵庫の野菜入れから「シナシナ」と姿を変えた人参を発見したことがある方がいますか、書きました。
そう書くと、まるでわたしがシナシナ人参の経験がないように思われるかもしれません。そんなこと、ないですよ(笑)。ありますよ、シナシナ人参経験。
あれはよろしくないですね。
シナシナ人参はテンションが下がります。
さあ、ごはんつくろう! と野菜室をガーッと勢いよく開けたのに、シナシナ人参を見つけたとたんに「あー」となんとも言えない気分になります。「やっちゃった」と後悔もします。
わたしの場合、シナシナ人参を生み出すのはたいてい料理を急いで済ませたときです。
中途半端に残った人参も急いでいるからとりあえずポーンと冷蔵庫に入れてしまうのですね。すると、忘れてしまう(笑)。
多くの場合、レッスン直前にムスメのお弁当をバタバタと作って片付けているときだったりします。これは発生率が高い! あとは、約束の時間が迫っていて、「もう出なくては遅れる!」とバタバタしているときに発生率があがります。
皆さんも同じようなシチュエーションではないでしょうか。
人参のシナシナ化を防ぐいちばんの方法は、慌てないことです。
あとは水分が失われるとシナシナするので、水気をキープすることが大切です。ラップやビニール袋を上手に利用して水分を閉じ込めてください。
■人参の特徴を知れば、保存も食べ方も自由自在。それに栄養面でも人参は食べて欲しいと思います。最近話題の「人参養栄湯」ってご存知ですか?
人参は栄養がある。
これもレッスン中に多くのから伺う言葉です。
確かにありますよ、栄養。緑黄色野菜ですし、薬膳的にもおすすめです。
そして、最近は「人参養栄湯」について耳にする機会が増えているように思います。
名称から想像できると思うのですが、人参養栄湯は漢方薬のひとつです。ツムラさんやクラシエさんから販売されています。インターネットでもドラッグストアでも購入できるので、比較的手に入れやすい漢方薬といえるでしょう。
そして、「人参」の文字が示すように人参を主成分にしています。
表示を見ると、
体力が落ちている人
手足が冷えやすい人
におすすめされていることがわかります。
これ、人参が持つパワーそのものです。
これこそ、人参の魅力!
もっとも漢方薬については知識程度にあればよいと思います。人参料理をする際にはそこまで意識する必要はありません。
ただ、漢方薬の主成分として利用される程度に人参にはパワーがある、と思っていただければ、と考えています。
ただ、漢方薬を服用したいという方は専門家の指示に従うようにしてください。多くの方のお話を伺っていると、漢方薬は服作用がないと考えている方もいるようです。しかし、薬と同じように副作用があらわれることもあります。そして、漢方の種類によっては「高麗人参」が使われているケースも多々あります。このあたりはとくに意識しなくてもね~、とは思うのですけれども、書き添えておきます。
■11月のベジ楽オンラインレッスンでは、人参を主役にお届けします。人参はまさに「ケチな女王さま」。ワクワクしてください。
ベジ楽では、毎月野菜のオンラインレッスンを開催しています。
レッスンでは、ひとつの野菜にスポットライトをあてます。
わたしはそれぞれの野菜をより具体的にイメージしていただけるように、さらに身近に感じていただけるように、野菜を人間のように例えてお話をさせていただいております。
たんに例えるだけでなく、そこにはちゃんと理由があるのです。その理由を聞くと、皆さん納得してくださいます。そして、笑ってしまう、という方が続出です。
…わたしはいたって真面目にいっているのですけれどね。例をあげるなら、「サツマイモはおばちゃん」「里芋は武士」「ピーマンは夏の女子大生」です。どうでしょう? ピンっときましたか?
ピンとこないまでも、野菜を身近に感じておもしろいな、と感じられたのではないかと思います。売場で「あ、おばちゃんがいるわ~」とおもしろがっていただけたら、野菜ヲタクとしてはニンマリするところです。
11月に登場するのは、人参です。
人参は、「ケチな女王さま」です。理由は…いろいろあるのですが、女王さまに関していえば色も味もピカイチで目立つ存在だからです。そして、男性的というより女性的な力を持っています。だから、女王さま。ケチの部分に関しては、レッスンでアツクルシク語る予定です。
余談ですが、「女王」という言葉を、「じょうおう」と読む方がかなりの割合でいらっしゃるのですが、正しくは「じょおう」です。あまりに人数が多いせいか、最近では辞書にも「じょうおう」と記載されているようですが(意味は「じょおう」をひくように指示が入っています)、長いこと「じょおう」で慣れていることもあって気になってしまいます。ずいぶん前に、総ルビの子供向けの雑誌の編集にかかわっていたので、各学年で習う漢字(文部科学省指定の漢字)や正しい表記にかなりこだわったこともあって。
ただ、最近は辞書にも記載されるようになったし、そこまで神経質にならなくてもいいのかな、と自分に言い聞かせているところです(笑)。言葉って流動的ですから。
流動的と言えば、野菜もそうです。とくに栄養面においては次々と新しい見解が発表されますし、逆にこれまで「なんとなく言われていたこと」の裏付けが発表されたりします。
人参に関しても同じです。
「人参養栄湯」のように、古くからあるけれど、今も研究が進み「やっぱりいい」と今の暮らしに合わせたカタチで服用しやすい漢方薬として販売されるケースも多々あります。
有名なところでは「葛根湯」でしょうか。
こちらのブログでも何度となく書いているのですが、先人の知恵は本当に素晴らしいと感じます。
11月のオンラインレッスンが気になる方はこちらのボタンから申し込んでいただけます。
人参養栄湯だけでなく、女王そのものが持つ魅力を感じて頂けます。
オンラインレッスン申し込みはこちらから
ベジ楽では毎週火曜日に野菜に関するユニークな話を配信しています。野菜料理に興味がある方はもちろんですが、ヲタク思考に興味のある方もこの機会にぜひご登録くださいね。
■人参の旬は春と秋の2回です。今なら美味しいときを逃さずに食べることができますよ。
人参には旬が2回あります。
4月から5月にかけての「春人参」と、10月から12月にかけての「冬人参」です。どちらも美味しいのですが、わたしは断然「冬推し」です(笑)。
秋から冬にかけての人参は、味がギュッと濃いのです。より厳しい環境下で育つこともあり、「凝縮」という言葉がぴったり。ちょっと蒸すだけで強い味と香りを楽しめます。
さすが、女王の品格です。
栄養面に関しても、人参養栄湯の名は偽りではありません。
写真は、人参ととも美味しい季節を迎える野菜たちです。
もっとも春人参も美味しいですけれどね。柔らかさとみずみずしさはこちらに軍配があがります。野菜スティックでサラリと食べたい、という方にはこちらをおすすめします。
■まとめ
いがかでしたか。人参の魅力を感じていただけたでしょうか。
今回の記事をまとめると…
1.シナシナ人参の原因は水分の喪失。ラップ等で覆って水分量をキープ!
2.人参は「人参養栄湯」に使われるくらい、栄養たっぷり。漢方薬なので正しく服用してくださいね。
3.オンライン講座でもっと詳しく人参を学べます。
4.人参の旬は年に2回。10月から12月は「冬人参」のシーズンです。味が凝縮されていて美味です!
女王ファンが増えると、野菜ヲタク的には本当に嬉しいです! ぜひご一緒に人参の魅力を目と舌とで感じてみましょう。