こんにちは。
やさい薬膳料理教室「ベジ楽」の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日もやさい薬膳料理を作っています。
今日はナスをテーマにお届けします。
■残暑にはナスが効く⁉
暦の上では秋ですね。
秋ですが、暑いですね。本当に残暑が厳しいです。
「異常気象」やら「〇年に1度の暑さ」といった言葉を聞くようになって久しいのですが、もう感覚がおかしいのか、「異常」が異常に聞こえず、「通常」のように感じているところがあります。
決して喜ばしいことではないのですが。
というわけで、今日は残暑に効く野菜を取り上げます。
おすすめは、ナスです。
ナスは品種がとても多い野菜のひとつです。地域によっても違います。
形状でいえば、球形に近いもの、長いもの、その中間のものに大きく分けられます。
色も紫色のものから、白や緑まで様々です。
もともとインドが原産の野菜なので、暑さにとても強い野菜です。また、日本には奈良時代には伝わっていたという記録も残っており、日本人にはとてもなじみ深い野菜でもあります。
■ナスを薬膳で見てみる
ナスは薬膳でいうと「寒・甘」に分類されます。
この「寒」は、身体を冷やします。五性でいうと、「涼」よりも「寒」のほうが身体を冷やすので、暑い時期にしっかり食べたい野菜のひとつです。
もっとも冷え性の人は生姜や唐辛子等と組み合わせて、冷えすぎを防止することも大切です。胃腸の弱い人も同様に、食べすぎないほうがよい野菜でもあります。
ただ、冷やすことにかけては抜群の力を発揮するので、口内炎などの炎症を抑えるのにも効果があると言われています。
残暑が厳しいなか、身体に熱がこもっていると感じるような場合も身体を内側から冷やしてくれる優れものです。
さらに、血液循環をよくすることもできます。さらに利尿作用があるので、むくみ解消にもおすすめです。
現代栄養学で注目されるのが、ナスの色の素になっている「アントシアニン」です。
アントシアニンは抗酸化作用があり、身体が錆びるのを防いでくれます。いわば、アンチエイジングに効果がある、というわけです。
きれいになりたい方はぜひナスのアントシアニンをとってくださいね。
(もちろん、ほどほどに、ですよ)
そのためににも、皮をむかずに丸ごと食べてください。
■秋ナスは嫁に食わすな??
ところで、秋ナスについて「秋ナスは嫁に食わすな」という言葉を聞いたことのある方も多いと思います。
- 秋ナスは美味しいから嫁には食べさせるな。
- 秋ナスは身体を冷やすから嫁に食べさせるな
さて、皆さんはどちらが正しいと思いますか?
実は、正解はわかっていません。
ただ、ナスが身体を冷やすことを考えると、出産を控える女性が身体を冷やしてはいけないよ、ということではないかな、と思います。
嫁いびりではなく、ね。
■ナスの美味しい食べ方とヘルシーな食べ方
ナスは先ほどから書いているとおり、身体を冷やします。
そのため、調理の際には身体を温めるものと一緒に組みあわせるといいですよ。
たとえば…麻婆ナス!
唐辛子やニンニクなど、身体を温める効果のあるものを使うので、ナスで身体が冷えすぎるということはありません。
ただ、これも唐辛子やニンニクを過剰に入れると汗が噴き出て、かえって冷えることになってしまいますから注意が必要です。
生姜とナスを組み合わせて炒めてもいいですね。スープなどもおすすめです。
また、ナスは油をよく吸う野菜でもあります。
油でトロトロになったナスは美味しいのですが、女性の場合はとくにカロリーが気になるところです。
そこで、おすすめなのが皮から調理することです。
炒める際も、皮がフライパンに最初に触れるように入れると油の吸収が抑えられます。
焼きナスなど皮をむいて食べる方法が知られているせいか、ナスの皮をむいて調理する方もいらっしゃるようですが、ポリフェノールでしっかりアンチエイジングをする意味でも、油の過剰摂取を抑える意味でも、皮ごと調理してくださいね。
また、ナスを水にさらす方もいますが、これもわたしは必要ないと思っています。
アクが理由だと思いますが、ナスのアクは「クロロゲン酸」と呼ばれるポリフェノールの一種です。これにも抗酸化作用があるので、一緒に食べてしまいましょう。
もともとナスのアクを抜く習慣は、今ほどナスが品種改良されておらず、アクが強かった時代の名残だという説もあるので、気になるほどではないと思います。
■美味しいナスの選び方
ナスは皮の色が濃く、全体にみずみずしいハリがあるものを選びましょう。
そして、必ずチェックしたいのがヘタです。
ヘタがチクチクととがっているものは鮮度が高く、美味しいことが多いです。
葉軸の切り口が茶色に変色していたり、全体にしわが寄ったりしているものは避けましょう。
また、手にしたときに程よい重量感があるものがおすすめです。重量感は水分含有量の多さに繋がり、みずみずしさの証明でもあります。
いかがでしたか?
ナスを食べよう、と思った方もいれば、もしかしたらナスはやめておこう、と感じた方もいるかもしれませんね。
「今食べるもの」を考えるヒントもベジ楽ではお伝えしています。
何を食べるかを考える際に大切なのが、自身の体調や季節の変化に敏感になることです。自分に敏感に、自分の身体にわがままになりたい方はぜひベジ楽へお越しください。
ご興味のある方は、いつでもお問い合わせくださいね。