今日のテーマは「スプラウト」です。
日本で唯一の「ゆるベジらく膳やさい料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
野菜ヲタク視点で、スプラウトについて書きます。どうぞ最後までおつきあいください。
Contents
■スプラウトがなんだかわからない。けれど、ちょっと気になる。
小さい芽がかわいい「スプラウト」。
スーパーマーケットなどの野菜売り場では、たいてい片隅に数種類おかれています。
ただ、気になるけれど、「サラダに入れるくらい」という方が多いのです。実際にレッスンに参加される方は「食べ方はいつも同じです」や「よくわからないから買わない」という方もとても多いです。
わたしは「ちょっとアクセント」が欲しいときにスプラウトの力を借ります。
見た目のアクセントはもちろんですが(小さい芽がとてもかわいいです)、味や歯ごたえのアクセントにぴったりだからです。
アクセントがある料理は、食べ飽きることなく楽しめます。料理上手な方はたいていアクセントづかいが上手です(わたしがそうだと言っているわけではなくて)。
ハーブやスパイスなど、アクセントになり得るものはたくさんあるのですが、スプラウトもそんな存在として自在に楽しんでいただけたら、と日ごろから考えています。
というわけで、今回の記事は
1.スプラウトって何なの? と、思っている方
2.スプラウトに興味があるけれど、イマイチ使い方がわからない方
3.スプラウト栽培に興味のある方
4.冬の間のおうちのお楽しみタイムをさがしている方
におすすめの内容です。
■そもそもスプラウトって何でしょう? どこで栽培されているものですか?
スプラウトは「発芽直後の新芽」の総称です。
だから、小さい双葉がついた野菜は基本的にすべて「スプラウト」と呼ぶことができます。
豆苗も、もやしも、カイワレ大根も全部全部スプラウトです。極端にいえば、発芽玄米もスプラウトの一種です。
栽培は屋外の畑というケースはほぼありません。たいていがプラントでの栽培です。また、家庭でも栽培しやすいものとして知られています。
では、あなた自身がスプラウトと聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
わたしは「カイワレ大根」です(笑)。まっさきに浮かぶのはカイワレ大根。これ、一択です!
はじめて食べたのは、おそらく未就学児だったころ。どれだけ昔なのでしょうね。
ただ、その味と名前は強烈なインパクトがあって、しっかり覚えています。
なにしろ大根という言葉と、目の前の小さい芽が結びつかず、子供心に不思議で不思議で仕方がなかったのですから。食べると辛味大根のようなピリッとした辛味があり、びっくりもしました。
そして、子供の頃は正直に書くと、ちょっと苦手でした。嫌いではないけれど、好んで食べたくはなかったです。どうもあの刺すような辛さが苦手だったのです。
あなたにとってのスプラウトは何でしょう?
■最近はスプラウトコーナーがじゅうじつしている店舗が多いです。まずは買って食べてみましょう。
最近はスーパーマーケットの野菜売り場でスプラウトが少なくても5種類以上を選べるようになっています。
また、価格が安価なため、「ちょっと挑戦してみようかな」と思ったときに手を出しやすいのも魅力です。
また、グリーンをイメージする方が多いスプラウトですが、最近はとてもカラフルです。
紫色のものは、視覚的にもとてもおすすめです。白いプレートや他の野菜と一緒になってもしっかり自己主張してくれます。正体は、レッドキャベツのスプラウト。
鮮やかな紫色がとてもきれいです。
ほかにも柔らかなグリーンと、ピリッとした味が刺激的で、林イチオシなのがマスタードのスプラウトです。西洋からし菜のスプラウトですが、これはほんとうに美味しい!
ただ、マスタードという言葉から連想できるように、舌を刺激する味なので、小さいお子さんや辛味を苦手とする方は少量から食べてみてください。
そして、あなたが意外に思うかもしれませんが、もやしも立派なスプラウトです。
もやしというと、ひょろりとしたものをイメージする方もいれば、豆がついた歯ごたえのあるものをイメージする方もいらっしゃるでしょう。
ただ、もやしと豆もやしは似ていますが、ちょっと違います。
一般にあなたが「もやし」として食べているのは、グリーンマッペと呼ばれるものです。同じように「もやし」として食べるものには、
もやしのもうひとつは、ブラックマッペと呼ばれるもの。種の部分に黒いからがついています。こちらは関西でよく見かけます。
グリーンマッペもブラックマッペも、味は似ています。いわゆる「もやしっ子」のモデルです(古いですか?古いかもしれませんね)。
もうひとつが、大豆もやし。
大豆のスプラウトです。大豆がついていて、歯ごたえがしっかりしています。わたしはもやしよりも豆もやしが好きですけれどね。我が家の小学生女子はもやしが好きです。
さて、あなたはどうでしょうか。
基本的にスプラウトは、加熱せずにそのまま食べられます。もちろん、加熱してもよいのですが、生の方が色も美しく美味しいです。
使い方はなんでもOKです。スープに浮かべてもいいですし、先ほど書いたようにサラダに入れても、サンドイッチの具材にしても構いません。わたしは蕎麦や湯豆腐の薬味として使うこともあります。お味噌汁にパラパラっと添えてもいいですよ。
とくにルールはありません。
ただ、先ほど書いたように、できれば生の状態で食べたほうがスプラウトの特性を生かせます。
■もう少しいろいろ楽しみたいと思ったら、ぜひ栽培にチャレンジしてみてください。
スプラウトに興味を持っていただけたでしょうか。
関心が高まったら、ぜひとも「栽培」にも挑戦してみましょう。
野菜を好きな方は、少なからず「自分で栽培する」ことにも関心がおありのようです。わたしですか? もちろん、あります。でも、枯らし名人でもあるので、ひとりでは畑を管理しきれない自信もあります。
だから、福岡では農業指導をしてくださる方のいるグループに入らせていただき、田んぼや畑の作業をやらせてもらっていました。基本的に下手くそですが、嫌いではありません。
ベランダにプランターをおき、栽培に挑戦したこともあります。うまくいったことも、いかなかったことも、どちらも経験しています。
ただ、スプラウトに関してはほぼ失敗したことがありません。
つまり、そのくらいスプラウトは栽培初心者に向いている、 ということです。
いくつかの注意点を守りさえすれば、収穫体験もいっしょに楽しめるので、コロナで思うように外出できない昨今のお楽しみとしてはかなりおすすめです。
単純に「植物が発芽して生長する様子」をみるのは、とても楽しいです。
準備するのは、種と容器。そしてキッチンペーパー。
種はホームセンターなどで購入できますが、基本的に「スプラウト用」のものを選んでください。
容器はプラスチックトレーのようなもので大丈夫です。
キッチンペーパーの上に種をまきます。キッチンペーパーは、適度に水をキープできるうえに、種がコロコロ転がって不安定になることもありません。
でも、いろいろ購入したり、準備をしたりするのはメンドウだ。
そのような方もいるでしょう。
できるだけスタート時の手間を省きたい、ホームセンターやら何やらを回りたくない、という方には、栽培キットがおすすめです。
これは、ほんとうに便利です。
大手種苗会社のひとつタキイさんのネット通販でも購入できますし(https://shop.takii.co.jp/selection/sprout2005.html)、Amazonでも購入できます。
わたし自身は、先ほど書いたように、ほぼ失敗なく育てて収穫できています。
「ほぼ」
この言葉に引っかかった方は鋭い! ほぼ、です。
失敗もあります。
失敗の原因は、「水」です。
水は基本的に毎日取り換えましょう。人間も同じですが、植物もきれいな環境が好きです。
そして、もうひとつ気をつけたいのが光です。
植物によっては、日光を当てたほうがよいもの(グリーンにしたいもの。例カイワレ大根)、日光を当てないほうがよいもの(白く柔らかく育てたいもの。例もやし)の2種類があります。そこは自分の好みでもあるのですが、たいていの場合、種を入れられた袋やキットに書かれています。
はじめての方の場合、この注意書きどおりにやると、ほぼ失敗なく楽しめます。
せっかく栽培しようと思われたのですから、失敗なく収穫や食べるところまでもやってみていただきたいと思います。
■スプラウトにはいろいろな種類があります。ちょっとした使い方は、ぜひベジ楽の写真をチェックしてみてください。
スプラウトはちょっとしたアクセントによい、ということは書いているとおりです。
色味も、味も、小さいスプラウトがびっくりするくらい「いい仕事」をしてくれます。
わたしもワンプレート料理をしているとき、ちょこちょこっと使います。
いえ、料理全般に使います。
スプラウトのあしらい方にルールはありません。これとこれを組みあわせてはいけない、といった禁止事項もないです。
それこそ、料理をする人(栽培して収穫した人)の自由です。ヒントにわたしの写真を使っていただいても構いません。
野菜ヲタクの林としては、主役にしてもいいな、とも思います。いろいろな種類のスプラウトをたっぷり用意し、ドレッシングをさっとかけるだけで本当に美味しいピリピリっとしたサラダになります。ぜひいろいろ試していただきたいと思います。
それでも、「えー、この場合はどうなの?」と疑問に感じるような場合は、ぜひラインでご質問ください。野菜ヲタクが全力でサポートさせていただきます。
■まとめ
いかがでしたか? 小さいけれど、実力派。そんなスプラウトの魅力を感じていただければ幸いです。
今回の記事をまとめますと…
1.スプラウトは「発芽直後の新芽」の総称。いろいろな種類がある。
2.スプラウトは、種類によって色も味もさまざま。選ぶ楽しさがある。
3.家庭菜園初心者でも、ほぼ失敗なく収穫まで育てられるのがスプラウト。
4.キットを使えばさらに簡単でおすすめ!
5.食べ方も自由! 加熱よりは生食のほうが個性を楽しめる。
皆さんの食卓に小さいスプラウトをぜひ加えてくださいね。