今日のテーマは「みかん」です。
日本で唯一の「ゆるベジらく膳やさい料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
野菜ヲタク視点で、みかんについて書きます。どうぞ最後までおつきあいください。
Contents
■柑橘類の種類が増えています。こたつに合うみかんといえば?
先日、とても美味しいみかんが届きました。
大阪の素敵な女性です。植物にとっても詳しくて、陶芸もできて…わたしは密かに「大阪のお母さん」とお慕いしています。
その方がご縁がある有田のみかんです。
「おいしいーっ!」とひと口食べるごとに大騒ぎしつつ、みかんって冬の風物詩よね、とも感じ入りました。
というわけで、今回は
1.みかんが好きで、数ある種類を知りたい方
2.みかんや柑橘類について旬や産地を知りたい方
3.温州みかんの買い方のコツを知りたい方
4.温州みかんの保存方法を知りたい方
5.温州みかんの皮の利用法を知りたい方
におすすめの内容です。
■一定以上の年齢の方は、「箱でみかん」のイメージがありますね。わたしもあります。そして、大好きです!
わたしは子供のころ、祖父母の家でこたつに入って楽しむみかんが大好きでした。
自宅にもこたつはあったのですが、「みかん食べ放題」というわけにはいきません。2つくらい食べると、かならず母に「食べすぎよ」と注意を受けたからです。
その点、祖父母の家は天国です。みかんをいくつ頬張ろうと、「好きなだけ食べなさい」とニコニコされるだけ。母の注意が飛んできても(笑)、「いいじゃないの。みかんくらい。好きに食べさせてあげなさいよ」という強烈な援護射撃をもらえました。
だから、こたつでみかんは、わたしにとって冬の幸せの象徴のようなものです。
しかしながら、最近は「こたつは出しません」「こたつ、ないです」というお声もよく耳にします。そもそもこたつでみかんというシチュエーション自体がない。
かくいう我が家も住宅事情により、こたつは持っていません(欲しいけれど)。
皆さんはいかがですか?
さらにいうと、箱でみかんを購入されない方も増えています。実際、みかんといえば箱! という方はある一定の年齢以上の方に多いようです。あ、わたしは今、美味しいみかんが箱で鎮座しているので、とても幸せな状況です。
冬の風物詩も、時代と共に変化していくのかもしれません。ですが、冬のみかんの美味しさは、まったく変わりません。それどころか、品種改良が進み、どんどん種類は増え、たくさんの美味しいに出合えるようになりました。
ただ、みかんも「柑橘類」という大きなくくりで考えると、ほんとうに数多くの種類があります。いえ、正確にいえば温州みかんも細かく品種で分けると100を超えるとも言われています。
柑橘の数の多さについていえば、日本だけにとどまりません。たくさんの国にいろいろな柑橘類があります。品種ごと、国ごとで、楽しみ方も違います。
あなたがこのブログを読んでくださっている、今この瞬間に、世界で誰かが柑橘類を食べている可能性もあるのです。
そう考えると、ワクワクしますね。
■柑橘類の旬はいつでしょう? 今、美味しい種類を知って楽しんでみては?
温州みかんの旬は冬です。もう少し詳しく書くと、11月から12月ごろ。
早生種はもうちょっと早く、10月には出回っていますが、一般的には寒い時季に美味しいとされます。最近はさらに早くなっている印象があります。
ただ、先ほど書いたように柑橘類というくくりで考えると、ほぼ通年で何かしらの品種が旬を迎えています。
実際、スーパーに出向くと、柑橘類がなにかしら並んでいると思います。また、JAなどの直売所に行けば、温州みかんと並んでぽんかんや伊予柑、スイートスプリングなどが陳列されていて、好みに応じて選ぶことができます。
■みかんはとても種類が多い果物です。その数はなんと〇種類!
さて、続いてみかんの種類と数についてご紹介しましょう。
温州みかんを細かく品種で分けると、それだけで100近い品種があることは書きました。
ただ、そこまで細かく分類しなくても(温州みかんは1とカウントする)、世界には柑橘は100種類以上があります。
100ですよ、100以上!
これ、すごいって思われませんか?
わたしは以前からレッスンで柑橘を使うと、このお話をします。なぜなら「それを全部食べるのが夢です!」と宣言したいから。思いは叶うって言いますしね(笑)。
日本にもとてもたくさんの種類があります。
一般に皆さんが「みかん」と聞いて思い出す温州みかんは、中国からわたった柑橘類から偶然に生まれたもので、日本特有の品種です。
この温州ミカンをベースにみかんの品種改良は進みました。一部を紹介します。
◇夏みかん
名称から、夏が旬と考える方もいますが、春から夏にかけて、というのが正しいところ。わたしは福岡県の能古島という島で栽培されている夏みかんが大好きです。適度な酸味があります。品種としては江戸時代に誕生したこともあり、日本のみかんのなかでは古株です。
皮はマーマレードにすることもあります。
◇天草
濃いオレンジ色の皮が特徴的な品種。とにかく味が濃い! ザ・柑橘!といってもよいくらい、口の中に強い香りと味が残ります。糖度が高いので、甘い果物が好きな人に人気です。わたしは、爽やかな酸味を感じるところが好きです。
◇文旦
淡い黄色の皮が目印。味はとても爽やかで、皮をむくところから香りが周囲に漂います。
旬は2月から3月にかけて。とても大きいのが特徴です。
皮はグラニュー糖をまぶして乾燥させることで、さわやかなピールにできます。わたしはこの文旦ピールが大好きです!
◇日向夏
宮崎県の柑橘。外皮の内側にある、内果皮(白い皮)ごと食べます。だから、黄色い外皮をうすーくそぎ落とすのがコツ。他の柑橘のように果肉に加え、内果皮も食べられるのはユニークです。
もちろん、味も納得です。日向夏はとてもジューシーな果実でもあります。
◇デコポン
もともとは「不知火(しらぬい)」というみかんです。
ヘタ周辺部がぽっこりでっぱっているのが特徴です。一般の人にも形で識別してもらえる、数少ない品種かもしれません。
不知火とデコポンの違いはどこにあるかというと、ふつうに美味しい子とエリート養成学校出身の甘い子、という感じでしょうか。デコポンは熊本県が商標登録しています。
それも、糖度13度以上、酸度1%以下、という厳しい基準をクリアしないと名乗れません。
研究を重ね、手間をかけたエリート集団。これがデコポンです。
果物や野菜には、このようなエリート集団が一部ですがいます。たいてい各地の代表品種になっています。見つけたらぜひ召し上がっていただきたいなぁ、と思います。
◇金柑
お正月の定番ですね。お節では甘露煮にすることが多いですね。縁起物です。
柑橘なかで、独特の苦味をもつ種類です。わたしは以前お世話になった先輩が金柑を栽培していたこともあり(今は別の野菜を栽培されています)、収穫体験をさせていただいたことがあるのですが、小さいぶん大変でした。
以来、金柑を手にすると畏敬の念さえ抱いてしまいます。大げさに聞こえますか? いえいえい、柑橘の木はトゲがあるから大変なのです。ほんとうに。
さて、金柑にもエリート集団がいます。それは宮崎県の「たまたま」です。
旬は1月から3月にかけて。たまたまは、基本的に生食を前提に栽培されています。木で完熟させたので、甘いです。とても。こちらも機会があればぜひ召し上がって欲しい品種です。
◇柚子
柚子ほど和食に根付いているみかんはないと言っても過言ではないでしょう。
香りを楽しむ点において柚子を超える柑橘はない! と、料理学校でかつて教えていただいたことがあります。
そして、当時の先生のお言葉を今もそのとおりだなぁ、とわたしは感じています。
食べて好き、という方は少ないかもしれません。どちらかというと酸味の印象が強いので。
しかし、食べても美味しいのが柚子です。
酸味が苦手な方は、ぜひはちみつ漬けにしてみてください。おすすめです!
まだまだご紹介したい柑橘はあるのですが、ざっと思いつくままにあげてみました。パッと思いつくくらいですから、こちらでご紹介したものはすべて林のお気に入りであり、おすすめでもあります。
■たくさんあるみかんの種類。でも、今はさらにこだわって農園から選べます。
温州みかんの産地は日本のアチコチにあります。どちらかというと西日本が中心です。
静岡(ここは西日本ではないですが)、和歌山、愛媛、佐賀、長崎、熊本、広島…などなど。
すべてに共通している点がおわかりになりますか?
それは、日ざし。
おひさまがポカポカとあたるエリアがとても多いのです。
海から続く丘陵地。斜面に植えられたみかんはそれぞれ太陽の日ざしをたっぷりあびて育ちます。冬の最低気温はさほど低くない地域です。
これが種類にかかわらず、数あるみかん栽培に向いている土地です。
みかんの木が耐えられる最低気温は、マイナス3度程度と言われています。それ以上下がるのはよろしくありません。
これがリンゴになると、マイナス20度を下回っても大丈夫、というデータもあります。
同じ果物ですが、このような違いがあるのです。実際にりんごの産地といえば、青森や長野など寒い土地です。
温州みかんは、古くから食べられてきただけあって、栽培数も減ってはきていますが、それなりにあります。また、西日本を中心に産地が点在してるので数あるみかん農家のなかからお気に入りの農家さんを探すことも可能です。多くの農園が今は直販という手法をとれるので、よかったらぜひ!
■箱で買うか、袋で買うか。保存方法を知ってお得に選びましょう。そして、皮も使ってくださいね。
実際にみかんを買うとして、あなたは箱で買いますか? 袋で買いますか?
わたしは箱をおすすめしたいです。とくに今のような年末に向けては、人と会う機会が多く、みかんを片手におしゃべりをするのも楽しいからです。
しかしながら、コロナで今年の冬はちょっと事情が異なります。会いたい方になかなか会えないことも多くなりました。リモート帰省(?)なるものもあるようです。
そうなると、やっぱり袋で購入します、という方もいらっしゃるかもしれませんね。
袋で購入しても、箱で購入しても、冬は涼しい場所で常温保存で大丈夫です。
冬以外(極早生や早生種の場合)は、冷蔵庫の野菜室がよいでしょう。
常温保存する際には、ヘタを下にしておくと長持ちします。また、マメにチェックして傷んでしまったものを早めに取り除くことも大切です。
傷んだものが入っていると、その周囲のものもダメになってしまいます。
理想は、ひとつずつキッチンペーパーで包むことですが、それもなかなかメンドウなので、そこは割り切ってしまって構いません。
せっかくです。美味しいみかんを美味しいうちに召し上がってくださいね。
■まとめ
いかがでしたか?
みかんの種類の数にびっくりされたでしょうか? そしていろいろな種類を食べてみたくなられましたか?
今回の記事をまとめると…
1.みかんの種類数はとても多く、世界で100を超える。
2.日本にもたくさんの柑橘類がある。
3.野菜ヲタクのおすすめは、温州みかん、夏ミカン、天草、文旦、日向夏、デコポン、金柑、柚子。
4.温州みかんは、今なら「農家さん」を指定して購入することもできる。
5.みかんの保存は常温が基本。ヘタを下向きにするとよい。
こたつでみかん。
こんな楽しみ方もありですね。みかんを召し上がって、元気よく冬をお過ごしくださいね。
さて、こんな野菜や果物のヲタク的話を、毎週配信しています。
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