今日のテーマは「りんごの種類」です。
日本で唯一の「ゆるベジらく膳やさい料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
野菜ヲタク視点で、りんごについて書きます。どうぞ最後までおつきあいください。
Contents
■最近、りんごの種類がとっても多い! 嬉しいけれど、どれを選ぶのが正解なの?
ここ数年、りんごの品種がものすごく増えたように感じます。
正確には、りんごが品種ごとに店頭に並べられるようになり、色や味など、好みで選んで買えるようになりました。
野菜も果物も、人気があるものは品種改良が進み、「選んで買える」ようになります(と、わたしは考えています)。
あるいは、日本のものと海外のものとが混在していて、さらに栽培される種類が違うような場合にはやはり出回る品種数が増えます。
選ぶ。
当たり前のことのようですが、選んで食べられることは、とても嬉しいことだと感じます。
そして、りんごには見た目のかわいらしさからは想像できないくらいのパワーがあります。
というわけで、今回の記事は
1.りんごが好きな方
2.りんごのパワーの秘密を知りたい方
3.りんごの品種について知りたい方
4.りんごの保存方法や選び方を知りたい方
におすすめの内容です。
■色も香りも味も違うりんご。わたしも売り場で迷います。
りんごは、先ほど書いたようにたくさんの種類があります。
出回る時季も、とても長いです。夏頃から極早生の品種を見るようになり、保存技術が進んだ昨今では年が明けても晩生種を見ることができます。
だから、わたしも選ぶときにはとても迷います。
ただひたすらに美味しいものが食べたい! ただ、それだけで迷って、迷って迷います(笑)。かなり真剣です。
ただ、わたしの場合、長野県のあるりんご農家さんから毎年りんごが届くので、正確にはりんごが手元にない間だけしっかり見極めようと躍起になってしまいます。
この長野生まれのりんごがとても美味しいのです。
正確には、わたしの母がいつも取り寄せしていて、それを分けてもらう、というのが正しいのですが、家族そろってこのりんご農園さんのファンなので、とてもありがたいなぁ、とだいじに食べます。
りんごは世界的に食べられている果物です。
その数は、世界単位でみると15,000を超えるとされます。日本だけで見ても、2,000を超えるとされます。
そして、よくいただくご質問が、「どの品種がいちばんおすすめですか?」というもの。
秋から冬にかけて、りんごを使うこともあります。そのようなときには、料理に合うことはもちろんですが、できるだけ「皆さんがはじめて食べる品種」をそろえるようにしています。
そのせいか、「これがいちばんおすすめですか?」というご質問をいただくこともあります。
この質問におこたえするのは、とてもむずかしいです。
わたしの好きな品種はあるのですが、加熱して食べるときと、生で食べるとき、さらにサラダなど野菜と組み合わせるときとでは、選択肢が変わります。もちろん、あなたにはあなたの好みがあると思うので、わたしの好きという感覚が絶対というわけではありません。
■品種に関係なく、選ぶべきりんごの特徴をチェック!
いろいろな分類方法がありますが、代表的な分別の仕方でいうと、色や親をキーワードにすることが多いです。
「親??」という、疑問の声が聞こえてきそうです(笑)。
まずは、色について書きます。
色は、おもに果皮の色です。赤色系と黄色系の2つに分類できます。
わたしの場合、赤色か黄色かを選ぶときには、仕上がりで選びます。仕上がりとは、おもに料理にするときですね。
サラダ類が多いです。たとえばポテトサラダに組み合わせるとき。リンゴをアクセントにしたい場合は、赤系を使います。キウイフルーツやレタスと組み合わせて、さわやかな色合いに仕上げたいときには、黄色系を選びます。
例外的にいうと、果肉の色が赤いものもあります。これはちょっと珍しいです。
品種名でいうと、「いろどり」や「紅の夢」「ピンクパール」などが該当します。百貨店の野菜売り場や市場など、ちょっと珍しい品種を扱っているところでないと、なかなかお目にかかる機会が少ないです。
わたしは数回購入して食べたことがありますが、淡いピンク色の果肉がとてもかわいいのです。味もよいのですが、こちらはビジュアル的におすすめです。
今はコロナでなかなか親しい人と集まることはむずかしいのですが、ちょっとしたホームパーティーなどにぴったりです。話題性があります。
そして、もうひとつの分類の方法は「親」です。
りんごの品種改良は、品種Aと品種Bをかけあわせて(授粉させて)品種Cを生みます。
そこには、もうたくさんの時間とエネルギーを費やしています。
だから、親の食味のよいところを受け継いでいるのです。
最近は、店舗によっては、「〇〇から生まれた、強い甘みが特徴」などといったポップアップをつけて販売しています。このポップアップは、いってみれば野菜や果物のプロが書いたあなたへのメッセージでもあるのです。メッセージを受け取って、選択する際の参考にしていただきたいと思います。
■りんごの代表的な品種を知って、まずはそこから食べてみる。
ここまで、特徴や分類について書いてみました。
そうはいっても、具体的な品種名を知りたい方も多いでしょう。
ここからは、具体的な品種について触れていきます。といっても、冒頭で書いたようにりんごの品種はとても多いので、一般的に手に入りやすいものにしぼって書きます。
◇ふじ
もっとも生産されている品種のひとつ。
親は、「デリシャス」と「国光」。黄金色に透きとおった「みつ」を含む。甘みが強く、生食向き。
中国やアメリカなど、海外でも人気の高い品種である。
なお、「サンふじ」と「ふじ」は、リンゴの種類としては同種。ただ、栽培途中で袋をかけるかかけないかで、名称を分けている。袋なしで太陽の光をたっぷりあびた「サンふじ」は味が濃いのが特徴。
◇ジョナゴールド
アメリカ生まれの品種。親は、「紅玉」と「ゴールデンデリシャス」。
加熱しても色が美しい紅玉が親だけあって、加熱調理にも向いている。ただ、甘みのあるゴールデンデリシャスの子どもなので、紅玉特有の酸味はほとんど感じない。
◇紅玉
名称から日本生まれだと思われがちだが、アメリカ原産の品種。日本で食べられるようになったのは、明治時代。
名前のとおり、真っ赤な色が特徴。この赤い色は、加熱しても鮮やかなまま残る。そのためジャムやアップルパイなどの材料としても人気。
小ぶりの果実と、適度な酸味が特徴。
◇秋映
親は「千秋」と「つがる」。しっかりとした果肉と、甘酸っぱさが特徴。
また、時として黒っぽく見えるほど深い赤が特徴。
長野県生まれで、「シナノゴールド」「シナノスイート」と共に「信州のりんご3兄弟」と称することもある。
オリーブオイルや塩とさっと合わせてマリネにするのもおすすめ。
◇王林
親は「ゴールデンデリシャス」と「印度」。
福島県で生まれた品種で、日本を代表する「青りんご」のひとつ。
王林自身がいろいろな青りんごの親になるほど、バランスのとれた食味が特徴。
林のおすすめポイントは「香り」。独特の強い香りがあり、生食向き。
◇黄王
岩手県生まれのりんご。黄色の色が特徴。
親は「はつあき」と「王林」。
イラストに出てくるような、きれいなコロンとした形状をしている。
王林ほどではないが、表面に小さな粒々(果点)を見ることができる。
◇トキ
親がハッキリしない、青森県生まれのりんご。
古くから「王林」と「紅月」が親だといわれてきたが、最近の遺伝子調査によって「王林」と「ふじ」が親である可能性が高いと言われています。
遺伝子調査…まるで人間の子どものようですが、農産物に限らず植物全般においてやはり遺伝子の話は避けてはとおれません。
黄色系のりんごで、トキがここ数年のわたしのイチオシです! わたしは果肉がしっかりしたものが好きなのですが、トキはまさにどんぴしゃり。さらにほどよい酸味とたっぷりの果汁感がたまりません!
◇星の金貨
青森県生まれのりんご。
「星の金貨」は商標登録した名称で、品種登録としては「あおり15」が正しい。
親は「ふじ」と「あおり3号(国光とリチャードデリシャスの交雑種)」。
皮が薄いのが特徴。皮ごと食べても気にならないほど。個体によっては、果皮は単なる黄色ではなく、赤みが入っていることもある。
甘みが強く、果汁が多い。
ここでご紹介したのは、りんごのごく一部の品種でしかありません。
そして、味にかんするコメントは林の主観です(笑)。
だから、もしかしたらあなたは別の感想を抱くかもしれません。
好きなりんごを知って、感想を抱くにはぜひとも実際に食べてみてくださいね。
■種類にかかわらず、美味しいりんごを選び、上手に保存するには?
りんごは常温でも保存できます。
でも、おすすめは冷蔵保存です。野菜室でもよいのですが、冷蔵のほうが日保ちがします。
りんごを冬眠させるようなイメージです。
理想はキッチンペーパーで1つずつくるんで、さらにビニール袋で覆って保管します。
このとき、複数のりんごをひとまとめにしてしまうと、ヘタでほかの実を傷つけてしまうこともあるので、どうぞ気をつけてくださいね。
なお、品種にかからわらず、美味しいりんごを見分けたいと思ったら、ぜひカタチに注目してください。
りんごは左右対称であること。「見た目か!」という声があがりそうですが、やはりあるべきカタチですくすく育った子は美味しいです。これは、ほんとう。
りんごに限らず、野菜や果物はすくすく素直に育った子が美味しいです。
植物にとって、曲がったりゆがんだりするのは、それなりにエネルギーが必要です。どうしても筋っぽくなってしまうこともあります。
だから、形状のよい子を選ぶのは、りんごに限らず、ひとつの選び方として頭に入れておいくとよいでしょう。
■まとめ
いかがでしたか。
今回の記事をまとめると…
1.りんごは種類が多く、日本だけで2000を超える品種がある。
2.りんごは果皮の色で赤と黄色と2つに大別できる。合わせる食材や食べ方で色を選んで正解。
3.りんごの食味を決めるのは、親。よくわからないときは、店舗のポップアップを参考にしてみて。
4.りんごは冷蔵保存が基本。キッチンペーパーで覆って、さらにビニール袋に入れましょう。
りんご、興味を感じていただけたでしょうか? 美味しいです! ぜひ召し上がってくださいね。
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