今日のテーマは「はちみつ」です。
日本で唯一の「ゆるベジらく膳やさい料理教室」【ベジ楽】の林佳代子です。
野菜ヲタク視点で、はちみつについて書きます。どうぞ最後までおつきあいください。
Contents
■はちみつと柚子の組み合わせが好き。はちみつレモンもいいですね。
冬至の柚子湯、あなたは楽しみましたか?
わたしは、たくさんの柚子をいただいたので、張り切っていたはずなのに、ドタバタしていた日なので、すっかり柚子を入れることを失念してしまいました。ガーンッ!
日を改めて柚子湯は楽しむことにして、一部をはちみつと組み合わせて楽しむことにしました。
基本的にはちみつレモンと作り方は同じです。
どちらも同じように爽やかな甘さを楽しめます。
はちみつの透きとおるような色合いっていいですよね。
というわけで、今回の記事は
1.はちみつを好きな方
2.はちみつレモンもよいけれど、はちみつと柚子の組み合わせに興味のある方
3.はちみつの栄養について知りたい方
4.はちみつの選び方を知りたい方
におすすめの内容です。
■はちみつの正体は?
はちみつって何ですか、と質問されたら、なんと答えますか。
花の蜜。
うんうん、それも正解です。
でも、単なる花の蜜ではないのです。
はちみつは、ミツバチがせっせと採取した花の蜜であることは確かなのですが、それがそのままはちみつになっているわけではありません。
花の蜜はミツバチによって運ばれますが、運んだあとに時間をかけて水分を蒸発させることで、濃縮します。さらに、運んだ後の巣では、ミツバチが運んできたものを「吐き戻して」貯蔵しています。この「吐き戻す行為」がポイントです。
これによって、単なる花の蜜にミツバチの酵素等がプラスされるのです。
■はちみつってどういいの? 柚子やレモンと組み合わせるとどうなる?
はちみつは、胃腸を健全にしてくれることがわかります。とくに消化吸収に優れているので、ちょっと疲れている胃をいたわるためにもおすすめです。
さらに、はちみつはうるおい効果が高いとされています。
肺をうるおすことから、気管支の乾燥を防いでくれます。肺や気管支が乾燥していると、風邪のウイルスにとって喜ばしい環境を整えてしまうことになり、結果的に風邪をひきやすくなるとされます。その点、はちみつは肺も気管支もうるおしてくれるので、風邪予防になる、というわけです。
身体の内側から乾燥を防いでくれるので、お肌プルプル効果を期待できるわけです。
冬場の厳しい乾燥には嬉しいですよね。
さらに、そこに柚子やレモンのクエン酸をプラスします。すると、疲労回復効果もあります。また、柚子やレモンにはビタミンCがあります。
ビタミンCは風邪予防にも、美肌にも効果を期待できるとあって、まさに今の時期にゴールデンの組み合わせではないかといえます。
■はちみつは腐らない⁉
ところで、はちみつは強い殺菌作用があることも知られています。
その殺菌力を利用して、やけどの薬やすり傷の薬、湿布薬として使われてきました。
その歴史はとても古く、日本史で初めてはちみつが登場するのは日本書紀だと言われています。日本書紀! このころに、養蜂に失敗した云々…という話まで書かれているのでその古さは折り紙付き。
世界史でいっても、古代エジプトの頃にははちみつがあったとされています。実際にピラミッドから発掘された記録も残っています。
ちなみに、このピラミッドから発掘されたはちみつは、当然ながら古いものですが、発掘当初腐っていなかったことからも、殺菌性の高さは証明できると思います。
そのため、基本的にはちみつは常温保存が可能です。
ただ、冬に寒い場所に置いておくと(ちょうど今ごろですね)、白っぽく固まってしまうこともあります。
これは腐敗したわけではなく、寒さが理由で凝固しただけです。固まったままでも使えないことはないのですが、元の状態に戻したいときは、湯銭にかけるなどすれば問題ありません。
■なぜはちみつを赤ちゃんに食べさせてはいけないの?
1歳未満の赤ちゃんにはちみつを食べさせることはタブーだと言われています。
もう10年ほど前から母子手帳にも記載されていることです。
ここまで紹介したように、はちみつは栄養価がとても高いです。さらに口当たりもなめらかで、食べやすい食品のひとつだといえるでしょう。
だから、赤ちゃんにもはちみつを食べさせてあげたい、と考える方もいるかもしれません。
しかし、残念ながらこれはNG!
天然のはちみつはボツリヌス菌の芽胞が混じる可能性があります。まれではあるのですが、可能性がゼロではありません。
この芽胞が赤ちゃんにNGの理由です。まだ抵抗力の弱い赤ちゃんは、この芽胞によって乳児ボツリヌス症にかかってしまうことがあるからです。この乳児ボツリヌス症にかかると、最悪の場合、亡くなることもあるので注意しなくてはいけません。
大人の場合、死に至るようなことはないのですが、お腹をくだしている場合には控えたほうがよいでしょう。
■はちみつは種類が多い?
ひと口にはちみつと言っても、色も味もさまざまです。
その違いを生んでいるのが、「花」。
そう聞いて、多くの方が「当り前じゃない!」とつっこまれるかもしれませんね。
でも、ちょっと違うだけではないのです。
大きく違います。
はちみつ専門店に行くと、いろいろなはちみつのテイスティングができることもあるので、見かけたらチャレンジしてみるのもいいですね。
自分のお気に入りを見つけてみてください。
独自路線を突き進んでいる味といえば、蕎麦のはちみつです。
色も黒っぽく、香りも味も独特です。でも、これはチーズにぴったり!
わたしのおすすめです!
アカシアやレンゲもいいですね。
でも、いろいろな花の蜜を集めた「百花蜜」も美味しいですよ。これは価格が他のはちみつよりちょっと低いので、その意味でもオイシイです。
はちみつを購入するのに、多くの方がスーパーマーケット等を使われると思います。
それで構いません。
ただ、マニアックな花のはちみつを購入するとなると、専門店がおすすめです。専門店はやはり選択肢が多いのと、ユニークな商品が多いので断然おすすめです。
実は、かつてはちみつをテーマにした児童作品を担当したことがあります。
そのときに、作家の先生に教えていただき、専門店に通っていろいろと購入したり、質問したりしました。
単に色が違うだけではありません。香りも、口に残る感じも、なにもかもが違うのです。感動します!!
当時、わたしが通い詰めたのは「ラベイユ」という専門店です。全国あちこちに店舗があります。お取り寄せもできます。当時は試食ができましたけれど、今はおそらくコロナで難しいのではないかと思います。
それこそ、はちみつは花によって味が全く違うので、いろいろと試してみるのがいちばんよいとは思うのですが、いろいろと難しい時代です。
前述したように、クセがあるものを食べたいなら蕎麦。
スタンダードにやわらかい風合いを好むなら、アカシアやレンゲ。
価格重視なら、百花蜜。
個人的に柚子やレモンと合わせるのなら、アカシアが好きです。それぞれのさわやかな味も楽しめておすすめです!
ヒントにしていただければ、と思います。
■はちみつは純度もチェックしましょう。
いろいろな種類がありますが、購入する際にはラベルをチェックしてください。
なかには水あめなどが添加されているものもあります。当然ですが、添加物が含まれているものは、はちみつ本来の魅力が半減しているのと同じです。
純度100%のはちみつがおすすめです。
ほかには、ビンやチューブの上下をひっくり返したときにきめ細かな泡がゆらゆらと上がるものもおすすめです。それに加え、透明度が高いものを選ぶと失敗がありません。
はちみつを入れる容器として、ハニーディスペンサーがあります。
液だれしないので便利ですが、わたしは使いません。
容器からディスペンサーに移し替えるのがメンドウだから、というのが主な理由です。移し替える手間を省略したいのです。
また、人によってはスプーンにもこだわるようです。とくにマヌカハニーなどは、金属を嫌うとされているからでしょう。
はちみつが金属に触れることで化学反応を起こすから、というのが理由のようです。実際にネットなどで調べると、そのような記述を見ることができました。ただ、これには諸説あって、短時間なら大丈夫という方もいらっしゃいます。
わたし自身がどうしているかというと、木を使っています。
はちみつと金属製のスプーンですくって口に入れたときに、金属っぽい臭い(金気臭さ)印象があったので、単純にそこを排除したいからです。
はちみつ専用のものを購入するというより、自宅にある木製スプーンを使っているというだけです。
これらのはちみつ専用道具の最大のメリットは、気分が変わること(笑)。
「気分!?」という声が聞こえてきそうですが、気持ちってだいじです。食卓を変えてくれます。試してみてはいかがでしょう?
■まとめ
いかがでしたか?
今回の記事をまとめると…
1.冬は柚子やレモンとはちみつを合わせると風邪予防の効果を期待できる!
2.はちみつはうるおい効果も期待できる。
3.はちみつは常温保存が基本。白く凝固したら湯銭等で溶かして使いましょう。
4.素晴らしいけれど、はちみつを赤ちゃんに食べさせるのはNGです!
5.はちみつは純度の高いものを選びましょう。
6.はちみつは種類が多く、味も香りも千差万別。専門店で好みのものを入手するのもおすすめ。
7.ハニーディスペンサーも、はちみつ専用スプーンもあるので、手に入れてみては?
はちみつを見る目がちょっとだけかわりましたか?
柚子やレモンといった柑橘類と合わせると、ほんとうに美味しくておすすめです。ぜひ楽しんでみてくださいね。