やさい薬膳料理教室「ベジ楽」の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日もやさい薬膳料理を作っています。
今日のテーマは「薬膳的 秋の乾燥対策」です。
Contents
■秋の足音をどんな風に感じますか?
朝晩、少しずつ秋風を感じるようになりました。
空の色も少しずつですが、変化しています。より高く澄んだ青になってきましたね。
それと、わたしは野菜や果物の種類からも「あ。秋になり始めたな」と感じます。
皆さんはどのような瞬間に秋を感じますか?
秋の爽やかな風は、とても心地よいのですが、健康と美容の面からいえば、注意が必要です。
■秋に気になるのは「乾燥」です!
◇乾燥は風邪やインフルエンザの原因です
秋の空気は夏に比べ、とても乾燥しています。
鼻や口はその乾燥した空気を直接取り入れる器官なので、カラカラに乾いてしまいます。
この鼻と口の乾燥は、風邪やインフルエンザの原因になるとも言われています。
もともと鼻や口は適度な湿り気がある器官です。粘膜です。
この粘膜があることで、ウイルスなどを吸着する免疫機能は働きます。逆にいえば、インフルエンザのウイルスは湿度が高い場所では繁殖できません。
ところが、秋風にさらされて鼻や口が乾燥すると、ウイルスの吸着力が落ちてしまいます。すると、くしゃみや咳が出たり、体力が落ちているような場合は風邪をひいたり、インフルエンザにかかったりしてしまいます。
◇乾燥は皮膚の潤いも奪います!
乾燥は美肌の大敵でもあります。
目元のちりめんじわや、口元のほうれい線は、乾燥が原因とも言われています。
みずみずしいリンゴと、放置して水分が抜けてしまったリンゴとをイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。乾燥することで、肌のハリとツヤが失われてしまうのですね。
…書いていて我が身を振り返り、おそろしくなりました。
そうでなくても夏の終わりは肌が紫外線をたっぷりあびていて、お疲れ気味です。人によってはくすみやシミが気になっているところです。そこに乾燥というもうひとつのダメージを受けたら…想像するだけでおそろしいことになります!
そこで、薬膳的視点から乾燥対策をしてきましょう。
もちろん、そこはベジ楽なので、「手軽に簡単に」がキーワードです。
■乾燥予防は早めにスタートしましょう
乾燥予防に関して、ふたつの点で考えていきたいと思います。
ひとつは鼻や口の渇きです。もうひとつは、皮膚の渇きです。
◇のどの潤いをキープ
秋の乾燥した空気に触れることで、鼻や口が乾燥するのは先ほど書いたとおりです。
また、秋になって朝晩の空気がひんやりすることも、乾燥を招きます。
というのも、ひんやりとした冷たさを感じると人間の汗腺は閉じてしまいます。夏の間は汗腺が開いていて、余分な水分は汗として体外へ排出して水を上手にめぐらせていた身体も汗をかかないことで、スムーズに水分がめぐらなくなってしまいます。
その分、鼻や口を開いて水をめぐらせようとします。これがくしゃみや鼻水でもあるわけです。
そして、鼻や口が開くことで、乾燥がますます進んで悪循環に陥ってしまうのです。
そこで、のどを潤す食べ物を積極的に摂りましょう。また、皮膚からの水分発散を助けるための食べ物もおすすめです。
まず、のどを潤す食べ物ですが…
梨、柿、きのこ、銀杏、栗、かぶ、レンコン
どれも秋から旬を迎える野菜や果物です。
自然はそのときに必要なものをわたしたちに与えてくれるのだと感じますね。
また、皮膚から水分を上手に出すために、「辛」の食材もとりましょう。
「辛」の食材は、身体の発汗を促す効果が期待できます。
里芋、ネギ
これらが該当します。
これもまた、これからの季節に美味しくなる野菜です。
◇肺の潤いをキープ
肺と美肌に関係があるというと、皆さんは驚かれるでしょうか。
たしかに、肺と肌は一見無関係に見えます。しかし、実はとても深いつながりがあるのです。
薬膳では、肺は呼吸とコントロールすると同時に、体内の水のめぐりを司ると考えます。つまり、肺が本来の機能をしっかり果たすことで、水がしっかりめぐって皮膚がうるおうというわけです。
この肺を助ける食材としておすすめなのが、
銀杏、白きくらげ
銀杏はここでも登場しましたね。
白きくらげは、あまり馴染みのない方も多いかもしれません。
大きなスーパーや百貨店などの中華食材売り場に乾燥させたタイプが販売されています。
あるいはアマ〇ンさんでも購入できます。
余談ですが、東京を離れて、アマ〇ンさんのお世話になることが多くなりました。
乾燥したものは、たっぷりの水に30分以上浸すと戻せます。戻してから流水(ボウルの水でも構いません)でしっかり揉み洗いをすると、独特の匂いが抜けます。
スープや炒め物に入れてもいいのですが、おすすめはデザートです。
作り方はとても簡単で、水で戻した白きくらげを食べやすい大きさにしてたっぷりの湯でくたくたになるまで煮ます。1時間を目安にします。
そこにはちみつを加えてレモンなどの柑橘をちょっと絞るだけです。
そのまま食べても構いませんが、ヨーグルトやカットしたフルーツに添えてもいいですよ。
水のめぐりをよくする白きくらげは、お肌ぷるぷる効果抜群でおすすめです!
■身体が潤うと肌の調子もよくなります
秋は乾燥が気になる季節ですが、乾燥が身体に与える影響を知っていると、日々の生活でちょっとだけ気を配れるのではないでしょうか。
ちょっとの気配りが、10年後の自身の肌をつくる…大げさなようですが、気持ちがなんとなく前向きになりますよね。
いえ、なによりお肌の調子がよいとそれだけで気分がアガルのが、女性です。
男性だって同じかもしれません。
乾燥に必要以上におびえず、美味しいものをいただきつつ、大いに季節の変化を楽しみましょう。