こんにちは。
やさい薬膳料理教室「ベジ楽」の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日もやさい薬膳料理を作っています。
今日のテーマは「便秘」です。
季節の変り目に不調を感じる人も多く、なかには便秘に悩む方もいらっしゃるので、今日のテーマに選びました。
Contents
■便秘とはどんな状態?
便秘とは、排便がスムーズにいかない状態をいいます。
一般に残便感がある、便が乾燥していて排便痛がある、数日にわたって排便がない、腹部に張りを感じたり痛みを感じたりする…このような状態を「便秘」と呼びます。
男性よりも女性のほうが悩みやすい症状のようです。
便秘に悩む人は少なくため、ドラッグストアなどでは市販の便秘薬も販売されています。価格も手ごろなので(調べてきました!)、挑戦しやすいかもしれません。
しかし、自然にお通じがあれば、そのほうがよいと感じる方は多いのではないでしょうか。
ベジ楽の料理でスムーズなお通じを目指してみましょう。
■便秘を放置するとどうなる?
そもそも、便秘を放置してしまうとどうなるか、ということもお伝えします。
なぜなら、「こうなったら困る」と具体的にイメージできるからです。
さっと便秘が原因でおきる症状をあげてみます。
腹痛、頭痛、食欲不振、疲労感、口臭、肌荒れ…
どうでしょう?
ゾゾゾッとしますよね。女性に限らず、男性にとっても困った状態であることは間違いありません。
そもそも体内の不要なものを出す行為ができないのですから、要らないものをため込んだ状態なわけです。ちょっと想像するだけで、不健康な状態であることは間違いないと感じます。
便秘は病気とは違うので、ついつい放置してしまいがちですが、ひどくなる前にしっかり「食べる」行為で対策してしまいましょう。
■便秘にはタイプがある?
便秘は原因によって大きく5つのタイプに分けることができます。
ここでは、原因別便秘のタイプについて取り上げてみます。
◇熱タイプ「熱秘」
熱タイプの便秘は、胃腸に熱がこもることが原因です。腸の過度の熱は本来あるはずのうるおいを奪い、便が乾燥してスムーズに排出されなくなるのです。
おもな原因として考えられるのは、発熱や暴飲暴食、アルコールの過度な摂取です。
◇寒タイプ「冷秘」
寒タイプの便秘は、お腹が冷えて胃腸がスムーズに働かなくなっていることが原因です。冷えた胃腸は本来の動きがなく、食べ物を消化して排出することが困難になるのです。
おもな原因として考えられるのが、冷たい物の過剰な摂取です。飲み物も食べ物も冷たい物ばかりを食べていては不調が生まれます。また、冷房が効いた部屋で長時間過ごすなど、身体の冷えが原因です。
◇気滞タイプ「気秘」
気滞タイプの便秘は、体内の気のめぐりが悪くなることで起きます。「気のめぐり」という言葉は、薬膳的表現なのでピンとこない人もいるかもしれません。
「気」は活力です。前向きな気持ちのパワーといってもよいかもしれません。
これは、運動不足や過度のストレスが原因だとされています。どちらも気のめぐりを阻害します。それによってお腹がはって、残便感がある状態になる人も多くいます。
◇気虚タイプ「気虚秘」
気滞は「気がめぐらない」ことが原因ですが、この気虚タイプは「気が足らない」状態になると起きる便秘です。
虚弱体質で疲れやすい人、なんらかの病気で気が不足していることが原因になります。
◇血虚タイプ「血虚秘」
血が不足と聞くと、「貧血?」と思われるかもしれません。確かに、貧血も意味しているのですが、薬膳では血に「栄養」という意味も含ませています。
つまり、栄養や血液が不足している状態が、便秘をもたらしているケースです。
血液や栄養が必要なだけ胃腸に行き渡らないため、胃腸が正常にはたらかずに排泄に支障がでてしまうのです。
この場合、便がコロコロとしていて、ひどい場合は動悸やめまいを起こすケースもあります。
出産後の女性にも起こりやすい便秘です。
■タイプに合わせて便秘対策
便秘のタイプを知ったところで、実際にどのような食べ物が便秘解消にプラスになるのかを見ていきましょう。
◇熱タイプ
身体をクールダウンして胃腸の働きを正常に戻す必要があります。おすすめの食材は次のとおり。
アスパラガス、ゴボウ、ホウレンソウ、オクラ、冬瓜、白きくらげ
◇寒タイプ
冷えが原因のタイプは、身体を内側から温めましょう。おすすめの食材は次のとおり。
ニラ、ネギ、ラッキョウ、ゴマ
◇気滞タイプ
気が滞る方には、気がめぐる食材がおすすめです。
タマネギ、ピーマン、柚子、金柑
◇気虚タイプ
気が不足している方は、気を補う食材を意識してとりましょう。おすすめの食材は、次のとおり。
サツマイモ、銀杏、カボチャ、サヤエンドウ
◇血虚タイプ
血液(栄養)を補充できるような食材がおすすめです。
黒ゴマ、ニンジン、ホウレンソウ、桃
■すっきりお腹できれいを目指しましょう
ここで体質についていくつか書きましたが、体質は流動的です。
とくに女性の場合、毎月の月経によっても変わりますし、出産前後では大きく変化します。風邪などで体調が崩れている場合も同様で、通常とは体質が異なってきます。
自分の身体の変化に敏感になることがとても大切なのではないかと、ベジ楽では考えています。
さらに、適度な運動とじゅうぶんな睡眠、休息…これらは体質にかかわらず大切です。
スッキリしたお腹で、心も身体も軽く過ごせたら素敵ですね。