こんにちは。
やさい薬膳料理教室「ベジ楽」の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日もやさい薬膳料理を作っています。
今日のテーマは「椎茸」です。
ちょうど今が美味しいキノコのひとつです。旨味についてもご紹介しますので、ぜひ健康ときれいのためにお役立てください。
Contents
■椎茸の旬はいつですか?
椎茸の旬と聞いて、「きのこだから秋?」と思われる方が多いかもしれません。
確かに秋風を感じるようになると、あらゆる飲食店で「きのこメニュー」が充実しますね。「きのこフェア」なるものを見かけるのもこの時期です。
野菜売り場のきのこのコーナーが充実しています。
ただ、キノコは年中出回っているのも事実です。
それは榾木(ほだぎ)に菌を打ち込んで年中栽培が可能になっていることが理由です。
エノキタケなど、ほかのキノコ類も同様で今は菌床栽培がメインになっているので、年中見かけます。
ただ、旬の話をすれば、椎茸の旬は秋です。
9~11月に美味しくなります。
また、椎茸は春にも収穫期があるので、3~5月にかけても旬ではあります。
年に2回、美味しい時期があるのですね。
ちょうど今、まさに美味しい季節です。ぜひ召し上がってください。
■生の椎茸と干し椎茸は違う?
椎茸と聞くと、生のものと干したものとを思い浮かべる方が多いでしょう。
薬膳では基本的に、生の椎茸と干し椎茸は同じように考え、扱います。分類も同じ「平・甘」です。
ただ、なかには干し椎茸を「温・甘」に分類する説もあります。これはごく最近なっていろいろな違いがはっきりしてきたことが理由だと思います。
ただ、実際のところ、椎茸はその状態によって栄養価が異なります。
◇生椎茸
薬膳において椎茸は、胃と肝のはたらきを補うとされています。
胃腸のはたらきを助け、消化を促進してくれます。食欲不振の折にぴったりです。
さらに、肝に効くことで「気」を補うとされます。
「気」はすでに何度か登場していますが、薬膳における「気」とは「生きる活力」だと考えてください。薬膳ではそうとらえます。
気が不足すると、気持ちが前向きにならなかったり、怠くて疲れやすかったり、さらに風邪をひきやすかったりします。いいことはありません。
椎茸はその大切な「気」を補えるというわけです。
気を補うことで、免疫力があがり病気を未然に防げるのです。
そして、気を補うことで疲労回復にも効果があります。
また、現代栄養学において、β‐グルカン、エリタデニンと呼ばれる成分が免疫力アップに効果があること、コレステロール値を下げたり、血圧を下げたりすることができると言われています。
薬膳でも見ても、そうでなくても、椎茸はとても薬効が高いといえます。
◇干し椎茸
干し椎茸と生の椎茸の違いは、乾燥しているかどうかです。
天日にあてて乾燥させることで、椎茸のなかに含まれるエルゴステロールはビタミンDにかわります。ビタミンDは、日に当たることでカルシウムの吸収を高めます。
つまり、干すことでカルシウムをより吸収できるようになり、結果的に骨や歯が丈夫に育つ、というわけです。
ただ、残念ながら、現代の干し椎茸は機械干しが一般的です。
太陽光に当てることで、ビタミンDは効力を発揮するので、機械干しの場合は難しいと言わざるを得ません。
もし、時間的に余裕があるなら、ぜひ1日…半日で構いませんので、天日に当ててみてください。これだけで随分違いますよ。
もちろん、生椎茸を自分で軽く干して使うのもおすすめです。購入する干し椎茸ほどカラカラにはなりませんが、カルシウム摂取には期待がもてます。
■椎茸の旨味の正体は?
◇椎茸は日本三大旨味成分のひとつ「グアニル酸」がたっぷり!
旨味は、日本食を語るうえで欠かせないもののひとつです。いわゆるダシのもととなるものですね。
干し椎茸の旨味は、グアニル酸と呼ばれる成分です。
このグアニル酸、実は干し椎茸以外ではあまり期待できません。つまり、干し椎茸だけが持つ、独特の成分なのです。
ちなみに、「日本三大旨味」というからには、当然、残りの2つが存在します。
ひとつは、グルタミン酸。
これは、昆布にたくさん含まれています。
最後は、イノシン酸です。
これはかつお節に含まれている旨味成分。
不思議と、干し椎茸のグアニル酸は放置されがちですが、“美味しいの素”になるので頭の片隅に置いておいてくださいね。
また、旨味成分は単体で料理するよりも、複数で併せて使ったほうが相乗効果が出てより一層味に深みがプラスされます。
これもまた、料理のコツのひとつとして、覚えておくといいですよ。
◇干し椎茸の戻し方
干し椎茸の旨味成分「グアニル酸」は、低温でじっくり干し椎茸を戻すことで引き出せます。半日から1日を目安に冷蔵庫で戻すといいですね。
とはいえ、「ついうっかり」もありますよね。忙しい方なら、なおさらです。
そこで、おすすめしたいのが、「ぬるま湯+常温」です。
電子レンジで戻す方法もありますが、それよりはぬるま湯のほうがふっくら戻ります。
干し椎茸を使うときには、時間と心にゆとりを持つことが大切かもしれませんね。
また、意外と見落としがちですが、干し椎茸や昆布、カツオ節の旨味をしっかり使うと薄味でも満足できる味に仕上げられます。
塩分過多の料理は、結果的に炭水化物等を食べすぎる原因にもなります。少量でもしっかり満足できるという意味でも、ダイエットに繋がりますから、きれいに繋がる味として旨味成分をしっかり味方にしてくださいね。
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