やさい薬膳料理教室「ベジ楽」の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日も「ベジらく膳」料理を楽しんでいます。
今日のテーマは「鯖(サバ)」です。
野菜じゃない⁉ と、思われた方もいらっしゃると思います。ですが、野菜もちゃんと登場しますので、お付き合いください。
■鯖ってどんな魚?
鯖(サバ)は、「青背の魚」。一般的には「青魚」と呼ばれています。
青魚とは、背が青い色の魚の総称です。ほかにはイワシ、アジが含まれます。
いわゆる「大衆魚」とも言われています。
価格が比較的安く、大衆的という意味です。
さらに言うと「鯖の生き腐れ」とも言われますね。
鯖は鮮度が落ちるのが早いことから、このように呼ばれています。要は腐りやすい、という意味ですね。
昔から鯖は、塩をしたり(塩鯖ですね)、酢でしめたり(しめ鯖ですね)して食べますが、これは塩や酢の保存性の高さを利用したものです。
生き腐れと称される魚をいかに美味しく安全に食べるかを先人たちは考え、工夫してきたのです。こういった知恵を知るたびに、昔の人に敬意を払わずにはいられません。
■鯖を薬膳でチェック
鯖は薬膳で分類すると「温・甘」になります。身体を温める働きがあります。
鯖の旬は10~2月なので、寒い時期と重なります。旬の時期と、必要な効用とが見事に重なっている食材です。
さらに、「甘」の性質は、胃と脾に効きます。
胃にきくということは、消化吸収の力をサポートすることに繋がります。食べ物をスムーズに消化吸収できると、疲労回復にかなりプラス!
疲労が蓄積されないと、結果的には肌にもプラスです。きれいになれる食材というわけですね。すばらしい!
さらに、脾にはたらくということで、血行促進の効果もあります。
血行がよくなると自然と顔色も明るくなり、印象が良くなりますね。これも、美容に大いにプラスです。
ちなみに、現代栄養学から見ても鯖はとても優秀な食材です。
EPAやDHAという言葉を聞いたことがありますか?
EPAはエイコサペンタエン酸のことです。そして、DHAはドコサヘキサエン酸のこと。
どちらも必須脂肪酸の一種です。必須脂肪酸とは、「体内でつくりだせない脂肪酸」のこと。
どちらも、食べ物からしか吸収できない貴重な成分です。これらはどちらも鯖を食べることで摂取できる成分です。
しかも、どちらも血管を広げ、血流をスムーズにする効果が期待できます。俗にいう「血液サラサラ」というものですね。
ビタミンEも豊富です。
ビタミンEは抗酸化作用がとても高いことで知られています。
抗酸化作用…そうです、アンチエイジング効果です! 女性にとって大切な栄養素ですね。
鯖は薬膳から見ても、現代栄養学から見ても、とても優秀な食材と言えます。
■美味しい鯖の選び方
先ほど書いたように「鯖の生き腐れ」というくらいですから、鯖を選ぶ際にもっとも重要視したいのは鮮度です。
それでは、鮮度がよい鯖を見分けるにはどうしたらよいのでしょう。
箇条書きにしてあげてみましょう。
- 目がきれいなもの
- 全体にハリと艶があるもの
- 背の部分の模様がハッキリしたもの
- 背の青味がハッキリしているもの
とくに1と2は、鯖に限らず魚を選ぶ際に共通しています。
また、あらゆる魚に共通して「ダメなポイント」は、パック等に液体(ドリップといいます)です。これが見られるものは避けましょう。
そして、当然ですが購入したらすぐに召し上がってくださいね。
■鯖と組み合わせたい野菜は?
ここまでずーっと鯖の話を書いてしまいました。
ベジ楽なのに、野菜が登場しないと思われていたかもしれません。
でも、ちゃんと登場しますよ。
ここからは鯖と組み合わせたい野菜について書きます。
鯖と相性のよい野菜は、生姜です!
生姜は「温・辛」に分類される野菜のひとつです。
薬味として使うことが多く、和食ではおなじみですね。実は、殺菌作用が高いことでも知られています。
鯖のように鮮度が落ちやすい魚にはこの殺菌作用はとても嬉しいことですね。
生姜自体に血行をよくしたり、消化吸収を促す効果もあり、鯖とダブルで身体に効きます。すばらしい!
■おすすめの鯖料理
鯖と生姜の相性がよいことはすでに書いたとおりです。
その組み合わせを生かした料理で考えると…
鯖の味噌煮!
味噌には生姜のように殺菌作用があるとされています。なにより、ごはんがすすむお惣菜ですね。
ちなみに、味噌を溶くのは火を止める直前にしてください。香りがとんでしまいます。
鯖を鍋に入れるのは、鍋の中がしっかり熱くなってからです。一気に周囲のたんぱく質を熱で固めて旨味を逃さず調理しましょう。
ただ、魚の匂いが苦手という方もいるかと思います。
そのような場合には…
竜田揚げがおすすめです!
醤油と酒の混ぜ、そこに生姜のしぼり汁をたっぷり。そこに鯖の切り身をくぐらせて片栗粉をはたいて揚げます。
魚嫌いの人もパクパクいけますよ。
なお、本当のことを言うと薬膳では「揚げる」という調理方法を推奨してはいません。
ですが、ベジ楽では揚げて美味しいと感じるときは、身体も揚げ物を受け入れるのだからOKとしています。完全なるオリジナル展開ですが、「ベジらく膳」ですから、身体が喜び楽しく食事ができればよいと考えています。
揚げ物ばかりを毎日食べたい人はおそらくかなり少数派でしょう。また、食べている人も「自分の食生活は素晴らしい」としているわけではないと思います。
それはつまり、皆さん自身がそれぞれ「揚げ物は頻度を低く食べる」ということを本能で知っており、また身体でちゃんと感じているからだと、わたしは考えています。
そういった身体の声(本能ともいうべきでしょうか)に耳を澄まし、素直になるのが、ベジらく膳料理です。
というわけで、鯖のおすすめ調理法として竜田揚げも推薦します。
秋に美味しいお魚です。皆さんもぜひ楽しんでくださいね。
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