日本で唯一の「ゆるベジらく膳料理教室」【ベジ楽】の林かよこです。
福岡・姪の浜で今日も「ゆるベジらく膳」を楽しんでいます。
今日のテーマは「豚肉」です。野菜は登場しません!
ああ、ゆるベジらく膳料理なのに。
りんごをテーマにした昨日、「豚肉については後日」と書いたので、今日はその続きです。
豚肉…わたしが食べると「共食い?」と冗談を言われることがありますが、それはさておき。
食材として考えると、豚肉はとてもユニークでそして優秀なのです。
■豚肉をどう買いますか?
皆さんは、豚肉を購入する際に何を基準にしていますか?
基準と書くと大げさですが、どこを見て「この豚肉を買う」と決めていますか?
部位? はい、それも大事ですね。味が違いますから、チェックします、します。
価格? うん、それも大事ですよね。お財布と相談しなくてはいけません。
脂が少ないもの? ああ、それもわかります。とはいえ、わたしは脂を嫌悪するわけではないのですが。
わたしは、「塊かどうか」を最初にチェックします。
ひき肉は申し訳ないのですが、絶対に買いません。正直に書くと、昔は買っていたこともあります。ですが、今は買わなくなりました。
なぜ塊肉がいいのか。
これはひき肉を買わない理由とも繋がるのですが、美味しくないから。
それだけです。
実は、肉は空気に触れたところから酸化して味が落ちていきます。
だから、空気に触れる面積はできるだけ少ないほうが美味しさを維持できるのです。
これ、豚肉に限らず、牛肉だろうが鶏肉だろうが、全部同じ。
ひき肉って、とても細かくしてあります。その分、表面積がぐぐぐーっと大きくなり、必然的にいーっぱい空気に触れているのです。
だから、当然、塊肉よりもスピーディーに味が落ちてしまうのです。
スピーディーって、多くの場合、誉め言葉ですが、肉の酸化に関しては決して褒め言葉ではありません!
ほら、お高い銘柄牛は、薄切りにしてあっても1枚ずつ丁寧にラップされているでしょう? あれは空気に触れるのを防いで、美味しさをキープしているのです。
リッチな方にはぜひラップのお衣装をまとったお肉を買ってくださいね。そうすれば問題なく、美味しく召し上がっていいただけます。もっとも毎回毎回お衣装つきお肉を購入する方ばかりではないでしょうから、そういう場合は(わたしもコッチ側の人間です)塊肉を購入することをおすすめします。
じゃあ、ひき肉料理を食べたくなったらどうするの?
もっともな疑問ですが、これは簡単。
自分でひき肉を作ってください。このほうが断然鮮度もよく、なにより自分好みの細かさにできるのでおすすめです。
包丁で細かくなるまでたたいてもいいのですが、わたしのおすすめはフードプロセッサー。フードプロセッサーはいろいろなシーンで活躍できる調理器具なので、持っていて困らないのではないかと思います。
でも、包丁持ってダダダダーッて叩くのも、ストレス発散におすすめですよ。そして、包丁を使えばバラつきが出ますが、それが逆に美味しさを生みます。
■美味しい豚肉の見分け方
野菜に限らず、どんな食材も「美味しいもの」を選びたいものです。
そこで、豚肉のチェックポイントを押さえておきましょう。
まず、赤身の色をチェックします。
きれいなピンク色で、独特の光沢があるもの。そして、瑞々しくハリがあるものがおすすめです。
さらに、脂もチェックします。脂の乳白色がきれいなもので、固さのあるもの。
(あまりパックの上から指でぐいぐい押すのはNGですよ)
赤身と脂の境界線がクッキリしているものを選びましょう。
■豚肉の部位と特徴
豚肉は、豚のお肉。
あ、当然だよ、という顔をされました?
そうです、豚1頭って皆さんご覧になったことありますか? 大きいです。
だから、足や背中など、部位によって味が全くことなります。
①肩ロース…万能! ここは万能選手。どんな料理にもなんとかなります。こくがあり、適度な脂もあります。
②肩…背中に近い肩の部分。よく動かすので、固いです。でもその分、うまみがあります。煮込み料理向きです。
③ロース…肩から腰にかけての肉。背骨の両側の部分で、キメが細かいのが特徴。柔らかくて赤身と脂のバランスがよいので、美味しい。とんかつやしゃぶしゃぶに向いています。
④ひれ…脂がとっても少ない部分。ロースの内側にあって、1頭あたりとれる量が圧倒的に少ない部分です。ヘルシーでおすすめ。
⑤バラ肉…脂が多く、コクがある部分。炒め物や叉焼などに向いています。こっくりした味わいを楽しめます。
⑥もも…赤身中心のあっさりした部分。ローストポークのように、肉そのものの美味しさを味わえます。
ほかにも豚足とか、耳なんかもあります。ホルモンと呼ばれる内臓系も。
まあ、このあたりはマイナーなのかな…。
ざっとあげるだけで、これだけあるので好みや料理によって使い分けられたらいいですね。
でも、塊ですよ。塊!
■豚肉は美味しいだけじゃない!
豚肉は薬膳的にも現代栄養学的にもすばらしいものです。
◇薬膳でいうと?
豚肉は「平・甘鹹」です。
平の体質を選ばず、食べられる食材です。
甘は胃腸をととのえ、消化吸収を促します。そして、肺やのどを潤してくれます。
うるおうことによって、風邪の予防にも効果が期待できます。
さらに、薬膳では、肺は皮膚に繋がると考えるので、お肌をぷるぷるにうるおしてくれる、というわけです。
また、鹹は気血を補うはたらきがあります。
気力と血液。つまり、貧血予防ですね。精神的にポジティブにしてくれる、とも考えられます。
気力充実、血液充実によって滋養強壮の側面も。
うーん。ドキドキするくらい素晴らしい!
◇現代栄養学では?
注目はビタミンB1です。
ビタミンB1は、体内で糖質をエネルギーに変える際に必要な栄養素です。とくに脳はブドウ糖をエネルギーにして動くので、ビタミンB1が不足すると脳がじゅうぶんに機能しなくなってしまいます。
すると、情緒不安定になったり、記憶力が低下したりします。
ビタミンB1は、とくにヒレとももに多く含まれています。
さらに、コラーゲンも含まれています。
コラーゲンは、タンパク質の一種です。肌のツヤやハリをキープするので、とても大切な役割を果たします。
女性には嬉しい栄養素です!
ちなみに。
コラーゲンは、豚足にたっぷり含まれています。
美味しいうえに、綺麗と元気にうれしい豚肉をぜひ召し上がってくださいね。